アサヒ芸能でも取り上げられたのでご存じの方も多いだろう。
藤田伸二が「
騎手の一分-競馬界の真実」(講談社現代新書)を出した。
フェアプレー賞17回受賞など数々の金字塔を打ち立てたが、
反面暴力沙汰やタトゥーなど、何かと「ヤンチャ」な話題も多い。
彼を貫くものは「反権威」であるが、武豊への愛情溢れる記述など、
本物へのリスペクトを忘れない根っからの競馬人である。
JRAは非常に特殊な組織で絶えず農林水産省の顔色を伺っていなければならない
という宿命を背負っている。
一方でノミ(呑み)行為を主とする非合法勢力による売上の侵食という
現実とも向き合わなければならない。
藤田氏自身にも数々の暴力沙汰など未熟な面はある。
タトゥーにしても非合法勢力を連想させる入れ墨をライト化しているという点で、
ノミ行為と相似形であり、監督官庁としては看過できない問題だろう。
彼は調教師にも馬主にもならないという。
競馬界への絶望の叫びが訣別の奥底にある。
果たしてそれでいいのだろうか。
それは逃げているだけではないのか。
彼の競馬への愛情を、例えば社台王朝に対抗すべく、
「一口馬主」のレーシングクラブを起こし、
中小牧場の支援、意味不明の乗り替わりの否定、
若手育成の騎手起用などできることはないのか。
彼がクラブを起こしたら賛同する競馬ファンは多いと思う。