折々のうま-当たらぬでもなし

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意義を失った人事院勧告

2011年02月20日 00時37分11秒 | 社会
人事院勧告の是非が最近騒がしくなってきた。
公務員給与が高いので下げるだけの賃金交渉をするのだという。
全く東大卒のキャリア組なのか、改革馬鹿か減税馬鹿の発想なのか分からんが、
下げるだけの賃金交渉と口にするだけで知性が疑われる。
ヨーロッパの例では下がる賃金交渉などあるはずもなく、下げるときは法的措置以外はあり得ない。

公務員の給与は高いのか。
神学論争に私はつきあうつもりはないので、端的に例を挙げておく。
医師の標準的なモデルとしては、
卒業、臨床研修、医局員、博士号取得、医局ローテーションでの修行、
勤務医なら、医長クラス昇進、部科長クラス昇進、副院長クラス昇進、院長クラス昇進で上がりとなる。
中には理事長なんていうポストもある。

この勤務医ならというエクスキューズが問題なのであって、
開業してしこたま稼いでいる医師も多い。
一時期開業医も診療報酬の減額で苦境になったが、救世主となったのが老健施設に代表される介護保険だ。
昔は内科や外科などのメジャー系でないと、さしたる稼ぎはなかったのだが、老健施設のお陰で、
皮膚科やら眼科やらマイナー系の先生もご相伴にあずかり、怪しい患者は即、大病院送りで、
勤務医の疲弊に拍車を掛けている。

小泉改革での医師定員削減の愚行については私自身食傷気味なのでここでは触れない。
高い安いは同一学校、同一資格の生涯モデル賃金で比較しないと意味がない。
計算高い人たちの公的医療部門からの流出は止まらず、医療崩壊を招いているのは
私が強調するまでもない。

それでもラスパイレスだの平均賃金との帳尻は合っているのだろう。
残った医師はボンクラか、低賃金をいとわぬ信念の人に決まっているからである。
当然開業医だの関連組織の役員だのの報酬は平均に入ってこない。

パートだの季節雇用まで含めた平均賃金と比較して何の意味があるのだろう。
そんなのをひっくるめた平均の給与水準で甘んじている経済観念の人間が、
ウオール街だのシリコンバレーだのの人間と互角に渡り合い、
八面六臂の活躍をすることを期待されているのである。

日本も資本主義の国である。
きれいごとを言っても究極の評価は金銭がつきまとう。
かつて日本はアメリカの51番目の州と卑下する向きがあったが、
むしろ中国に併合して貰うのがよいのかもしれない。
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