GENさんの陸上ワールド

柳原 元の公式ブログ。WA世界陸連公認代理人。海外サポートしているクライアント選手、チームの活躍ぶりなどを綴ります。

日本のエリートマラソン 新たな魅力

2021-08-28 23:39:08 | 日 記
東京オリンピックが閉幕して早3週間が経ちました。

オリンピックの最終種目として盛り上がった男女マラソン。
共に優勝はケニア勢。日本勢も男子は大迫傑選手(Nike)が6位。女子は一山麻緒選手(ワコール)が8位とW入賞。世界の強豪が集まる中、大健闘の走りを見せました。

そんな日本のマラソン界も既にこの先に向けた新たな強化施策「ジャパンマラソン・チャンピオンシップ・シリーズ(JMCシリーズ)」が動き出しています。
詳しくは8月20日に日本陸連HP内で発表されたこちらのプレスリリースを。

このJMCシリーズ。指定期間内に各選手が同シリーズの加盟大会に出場。各選手が獲得した各大会のパフォーマンスポイント上位3試合分(※最初のシリーズⅠは2試合)の合計で順位を争い、その期間内の1位選手がマラソン日本選手権覇者となる形。更に24年パリ・オリンピックのマラソン代表選考に向けては前回の東京オリンピック代表選考時にも採用されたMGC(マラソン・グランドチャンピオンシップ)方式の導入も決定しています。

今回の新施策発足の背景には日本陸連が2017年に東京オリンピックマラソン日本代表選考施策として発案スタートしたMGC方式がベースとなっています。このMGCによりそれまで過去幾度となく問題となったマラソン日本代表選考内容の曖昧な部分を解消。そして2年以上に渡る選考シリーズの中で多くの選手やチームが中長期的な視点でマラソン強化と取り組むスタイルが出来上がってきました(=より強いマラソン選手の育成と選考に寄与)。また観る側にとっても魅力ある新たなマラソンストーリーが生まれたことは間違いありません。

写真は2019年9月に開催されたMGCマラソン・グランドチャンピオンシップレースの模様。
その開会式。MGCシリーズ期間内(2017年8月~2019年4月)の大会成績で資格基準をクリアした男子34名、女子15名が登壇。選手の顔ぶれだけでなくその豪華な演出も話題になりました。


そして2日後のMGCレース。ペースメーカーはなし。日本のトップ選手だけによる駆け引き。レース序盤からその先の展開が全く読めないワクワクドキドキ感に満ち溢れたレース。暑さもあり優勝記録だけ見れば男子2時間11分台、女子は2時間25分台でしたが、これまで観てきた多くのエリートマラソンの中でも最も白熱した42.195kのレースでした。そしてこのレースの上位2名がオリンピック代表に即内定。おそらくマラソン好きな日本人も新たなマラソンの魅力を実感したレースだったと思います。

Photo by Impress Running

ちなみに昨年12月~22年3月迄を指定期間として既にスタートしているJMCシリーズⅠ(日本陸連HPより)。
今年8月20日時点暫定順位では男子は鈴木健吾選手(富士通)。女子は一山麻緒選手(ワコール)がそれぞれ1位。
同日時点の上位ランキングはこちら(日本陸連HPより)。
こういう形で定期的に上位ランキングが分るとこのシリーズの順位争いへの関心もより高まります。
来月以降は欧米のメジャーマラソンに複数の日本人トップ選手が出場予定。更には国内主要マラソンも控えており、このランキングの順位変動も見所の一つ。東京オリンピックを境に様変わりした日本マラソン界の今後の動向が楽しみです。

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