はぎやまのりへいの日常

読書、映画、美術展、そしてキャリア教育。
好奇心と愛で書き綴ります。

Vol.39 斜陽

2010-02-12 18:33:33 | 文学
 さて、30年振りに「斜陽」を読んだ。
 この間「人間失格」を読んだ勢い。
 30年前、僕は中学生。しかもこの小説で読書感想文を書いている。中学生の僕何を感じて、どんな読書感想文を書いたのか。
 白状すると、夏目漱石よりも芥川龍之介よりも、太宰治を読む、ということがなんとなくかっこいい気がしてたんだ。

 太宰治が斜陽を書いた年齢よりも上の年齢になった僕が読んで、中学生のときにはわからなかっただろうこともいろいろ感じたし、当時よりよほどディテールも理解していると思う。

 弟、直治の手記。僕が大学生の時に書いていた日記にも似ているし、忌野清志郎の「10年ゴム消し」の日記のようでもある。若くて蒼くて、切ない。

 姉、カズ子の書いた3通の手紙。怪談みたいなものだな。ストーカーものの怪談。会社のアドレスに山のように送られてくる迷惑メールの内容みたいでもある。

 そして、彼女が読んでいたのはローザルクセンブルク。どんともやはり太宰は読んだのだろうか。