冬休みが終わり、アルバイトをやめる当日、スケバン二人と休憩をすることになった。
また、亡霊におっぱらわれたからである。
「先輩、大学って面白いすか」スケバンは聞いた。
「半分、半分かなあ」
「あたしらは頭も悪いし、こんなだから高校を卒業するのが精いっぱいっす。だから卒業したら就職します」
「いいじゃないの、それで」
「そうすか・・・。親は短大くらい行ってくれって言うんすけど、なんせ頭が悪いもんで、先公にも嫌われてるし」スケバンはへへと笑って頭をかいた。
私が彼女達と一緒にいた2週間、スケバン達は毎日、長いタイトスカートをはいてきていた。
色や形は違うけれどはいてきた靴は、みんな、かかとが、はきつぶされて、スリッパ状態になっていた。
ミニスカートが全盛の時は忘れていたが、長いタイトスカートを見た途端、あのスケバン達の事を思い出した。
今では彼女達も、きっと結婚もして、お母さんになっているのだろう。
あの「~っす」しかボキャブラリーの無い彼女達が、どうやって子育てをしているのかと考えると、思わず、くっくっっと笑いが込み上げてくる。
ひょっとしたら、厚かましい、おばちゃんになっているのかもしれない。
巷では、あの長いタイトスカートは、セクシーでエレガントと言われているようだが、私にとってはやっぱり・・・・
「いっちょ、ヤキをいれてやりますか」
という言葉と共に頭に浮かぶ、スケバンのはくスカートなのである。
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