買いそろえて来たシュノーケルの用具を全て身に付けてみると、
「なるほどねぇ」いっぱしの素潜り名人に見えるではないか!!
鏡の前で感心していると、インターホンが鳴った。
ビックリして出ると「お荷物、お届けにあがりました」と若い男性の声がした。
「あわわわ、は、はいはい」私は片手で受話器を持ちながら、慌ててゴーグルをかなぐり捨てて、彼が来る何十秒かの間に水着に上にTシャツとチノパンをはいて、何食わぬ顔をして荷物を受け取った。
苦労して買い求めたグッズを持っていった沖縄の海は静かであった。
梅雨がまだ明けておらず、曇天と時折降る大雨が、やる気まんまんの私達を迎えてくれた。
その上、とても寒い。
それでも私達はシュノーケルを強行した。
宿泊した場所のプライベートビーチでシュノーケリングツァーをやっていて、それに参加したのだが、参加したのは私達5人だけだった。
「今日は寒いのでウエットスーツを着てください」案内してくれる青年がそういうので、30歳の男性一人と37歳から43歳の4人の女達は派手なウエットスーツに身を固めることになった。
水着選びに必死になったのが何のためだかわからない。
おまけにウエットスーツを着た私の姿はサンダーバードに無理矢理参加した、間抜けな乗組員みたいなのである。
しかし寒さには勝てない。
その上にライフジャケットを着用し、私達はモーターボートで沖まで連れて行かれた。
「こわいよーー」何しろ海に行くのが20年ぶりの私である。
「大丈夫ですよ。ライフジャケットを着ていますから」そう言われても、脚が立たない所はやはり不安だ。
期待と不安が交錯したものの、「ここまで来たら、やるっきゃないのだ」と活を入れて脚ひれをつけて海に飛び込んだ。
つづく
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