私がスカートとは無縁になってしまったのは、太い脚にコンプレックスを持っていたのもあるが、一番の原因はスカートのベルトだった。
スカートというのは、デザインによっては違うものもあるが、だいたいのものは、ウエストのいわゆるベルト部分と、そこから下の部分とに分けられる。
私がスカートをはくと、ベルトがどう変化するかを白状すると、丁度、ベルトの前中心から左右8センチくらいずつが、くるりと外に向かって丸まってしまう。
最初、これはスカートの素材の問題かと思っていたが、夏服、冬服、値段の高い、安いにかかわらず、みーんな前側のベルト部分がくるりと外に丸まる。
スカート掛けにかけてあるスカート全てがベルトが丸まっているものばかりになったのである。
まだ買ったばかりのものを履いていた時はスカートも気合が入っているのでベルトが丸まる事はない。
「やっぱり、ちょっと値段が高めだったから、良かったのかも」と機嫌よくはいていると2回、三回とはくうちに、ベルトがくにゃっとなってくる。
ここで慌てて、脱いですぐアイロンをかけたりするのだが、もうベルト部分は丸まる態勢に入っているので何をしても無駄。
4回目に、はく頃には、ちゃーんとベルトはくるりと外側に丸まって、みじめな姿になるのだ。
どうしてこうなるかというと、座った時にベルト部分が圧迫されるからだ。
立っている時は問題ないが、椅子に座ると、せり出た胃のあたりの肉と腹の肉が、スカートのベルト部分を上から、下から、圧迫する。
正面から見たら、きっと前中央のベルト部分は肉に埋もれて見えないはずだ。
スカートの前中心の部分は可哀想に上下のあまった肉にプレスされて、二つ折り状態になってしまう。
一応、ベルトの中には型崩れを防ぐために芯地も縫い込まれているのだが、さすがの芯地も上下からの贅肉攻撃には耐えられず、肉の力に負けて外に向かって丸まってしまうというわけなのである。
これではいけないと私も色々考えた。
つづく
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