直前に大型クレーンの高さ不足が原因で頓挫!
第一原発1~2号機供用排気筒は過酷事故以来、早期の解体撤去が各方面から叫ばれていた。既報No184、同190でも取り上げて来た。ところが解体に向け最終的な排気筒最頂部にクレーンを近づけたら高さが足りないことが判明した。「初歩的ミスが多すぎる」の声があがっているので探った。
(資料1)左が排気筒 右が解体の範囲
排気筒の解体は(資料1)にあるように地上高120㍍を同59㍍の部分を上から順に遠隔操作で(資料2)切断する計画であったという。
特に、(資料3)にあるように過酷事故時、圧力容器の破損を防ぐため放射性ガスを放出するベントが行われた。その結果、排気筒の直下には致死線量7シーベルトの約3.6倍、毎時25シーベルトの高線量地点があった。倒壊すれば放射性ダクトが飛散し、敷地はもとより周辺に飛散し大変な事態になり、地震・津波のリスク源として各方面から早期着工と事故防止が叫ばれてきた経緯があった。
また大型クレーンは通常は解体工事発注企業にクレーン会社から貸与するシステムとなっているた。ところが現地は放射能で汚染され、東電が買い取り、それを発注企業に貸与するシステムで約3㍍のクレーンの差異を確認しないまま貸与したのが原因であったというのだ。
このようなミスは前号No210でも取り上げた「第一原発“カイゼン”一人歩き…一律 コスト削減10分の1へ!」で下請け企業への発注値引き、東電が経験不足の中で自ら行うことの“稚拙”が大きく影響している可能性があると見ている。 発注先は地元大熊町の地元企業で「大々的に地元企業の活躍!」を取り上げられてきた。 特に解体機器吊り上げ、飛散防止対策(液体タンク散水)筒身切断はすべて遠隔操作…が売りだった。 この難工事「直前の単純ミス…」だけで終わって欲しいと切に思う。
脱原発情報 No211号PDF版はこちらから (P5に誤りがあり更新しました7/25)
P2 原発避難者 固定資産税の減額終了へ
P3 当事者の声届かぬ「甲状腺本格検査(2順目)結果報告」に怒り!!
P4 東電交渉 カイゼン(一律コスト削減10分の1へ)問題で追及
P5 8年前と変わらぬ姿ー大熊町旧町街を見る
1日2,000台のダンプトラックが汚染土を運び込む町
P6 あらかぶ裁判 第12回口頭弁論開かれる!
短編映画「東電刑事裁判動かぬ証拠」完成