石丸日記

反原発運動半世紀
バックは福島第一原発事故を伝える福島民報2011年3月13日号

過酷事故は終わっていない・・・ No212

2019-08-21 22:12:14 | 脱原発情報

水素爆発を防止する窒素注入30分間止まる!

2011年3月11日、19時3分政府が出した第一原発の“原子力緊急事態宣言”は今も解除されていない。東電は1~3号機から、今も核分裂した希ガス(注1)が毎時12万ベクレル放出され敷地境界を超えている。 ところが今度は水素爆発を防止する窒素注入が止まるという事態が起こっていたのだ。

  東電によると8月6日、10時50分から約30分間、2号機の窒素を入れる施設の増設作業中に窒素を送る配管の弁を全て閉じた状態にしてしまったと言うのだ。

 本来、開けておくべき弁を閉じてしまった。
 3.11津波の直撃を受け、原子炉の冷却系統が破壊され、燃料棒は発熱し続けた。高温となった燃料棒はジルコニウムという金属合金で覆わているのだが、その合金が周囲の水蒸気と激しく反応し、水素を発生させ建屋上部に充満したのだ。
 本来であれば窒素を注入し、水素を建屋外に押し出されなればならなかった。
  ところが、その水素爆発の危険性を東電のスタッフは理解していなかったことが後日明らかにされている。
 それが下の写真(資料1~2)である。
 同じ水素爆発というが(資料2)の噴煙は余りに違い過ぎないか?3号機のそれは排気筒120㍍の6倍以上にもなり爆発的噴煙が上がっている。同機はプルサーマル計画のMOX燃料(ブルトニウムとウランの混合酸化物)であった。
 多くの報道はこの違いを解明したものはない。
 3号機の建屋は見るも無惨に破壊されていることから核爆発ではないかと疑いを持っている。
 巷間「原発事故は終わった!」と思っている。 この無関心と思い込みほど怖いものはない。


(資料1)3月12日15時36分1号機の水素爆発


(資料2)3月14日11時01分3号機の水素爆発


  脱原発情報 No212号PDF版はこちらから

P2、3 破綻しつつある!アルプス処理水問題

P4   トリチウムは遺伝子を壊す危険な物質!
     日本の飲料水基準はWHOの6倍、アメリカの81倍

P5   原発事故後の公衆の防護基準を10mSvに緩和へ!!
     ICRP(国際放射線防護委員会)勧告

P6   ようやく決まった東電福島第二原発廃炉
     原発避難者への「2倍家賃請求通知」を直ちに撤回申し入れ