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ダウンタウン松っちゃんの週刊文春報道について思うこと

昨年の暮れも押し迫った 2023年12月26日、週刊文春がいわゆる『文春砲』をぶっ放し、
ダウンタウンの松本人志さん(以下、松っちゃん)が世間から疑惑の目を向けられています。

わたしは西日本出身の人間で、小さい頃は、吉本新喜劇をTVでよく見ていました。
中学に進学した頃、「THE MANZAI」の漫才ブームが到来しました。
ザ・ぼんち、ツービート、B&B、オール阪神巨人、紳助竜介、サブローシロー、のりおよしお、いくよくるよ、春やすこ・けいこ ・・・・ といった人気漫才コンビの活躍。
横山やすし・西川きよしの、他を寄せ付けない圧倒的な存在感。
などを、この目で見ました。

就職後は、「ごっつええ感じ」「ガキの使いやあらへんで」など、ダウンタウンの番組を好んで見るようになり、ガキの使いは今でも録画して欠かさず見ています。

わたしの笑いのツボというかセンスは、吉本興業、ダウンタウンの影響を強く受けて形成され、
それによって、日々の出来事を笑い飛ばす糧のようなものを得ることが出来て、人生が救われてきた部分が確かにあった、と言っても決して大袈裟ではありません。

その意味で、松っちゃんの文春報道には正直、残念な気持ちを禁じ得ません。
わたし個人としては、ある種祈るような心境で、今後の推移を見ていきたいと思っています。





今回の文春報道を知り、その後の推移を見て、思ったことが2つあります。
1つ目は、「吉本の体質」です。
こう言うと、吉本芸人を一括りにして悪者扱いしているみたいですが ・・・・

今回の文春報道後、2ch のスレを見ていると、松っちゃんに近い吉本芸人らの過去の行状が掘り起こされ、コピペで投稿されています。
それらの投稿内容が、本当の事実であるかどうかの確認を取ることは、必要です。
ただ、火の無いところに煙は立たないとも言いますし、一部が誇張・捏造であるかもしれないとしても似たようなことは事実としてあったのでは? という漠然とした印象を持ちました。

それと同時に、思い出したことがありました。
1997年から2000年頃まで、NHKで放送された「ドキュメントにっぽん」で、
吉本興業の新入社員研修の密着取材が放送されたことがありました。
その中で、吉本興業の重役か誰かが「芸人は売れてナンボ、人間性は二の次」というようなことを新入社員に向けた講話として話していたシーンが、強烈な印象として記憶に残っていました。

改めて調べてみると、日時が1997年5月9日、「いやなら辞めてもええんやで ~笑いの総合商社・新入社員研修~」というタイトルの放送で、当該講話の部分は 30分38秒から始まります。


1997年頃 笑いの総合商社 新入社員研修
https://www.youtube.com/watch?v=mSW0sqAdXT8

吉本興業という会社は、立派な芸人さんを作ろうなんて端から思っていません。
それよりも、売れるタレントを作ろうと思っています。
商売ですから、商品を作るということです。
市場性がないと何の意味もないということです。
立派な芸人さんを作る作業は、上方芸能を保存する会でやっていただければよいわけで、
僕らはそんなこと端から思っていない。

タレントと呼ぼうが芸能人と呼ぼうが、そんなことは呼び名でしかないわけで。
売れればいいわけで。
商品として流通していけば、需要がそれだけあれば、
高いギャラを取れるということは会社も儲かるということです。

タレントだけじゃなくて、ビジネスマンですらそうだと思うんですけど、
どれだけ商品性を持たせられるかということが、勝負やと思いますね。

僕が思うに、日本の映画が駄目になっていったのはまさにそういうことで、
脚本家なり監督の独りよがりでしかなかったということやと思うんですね。
映画は『作品』と言いますけど、作品じゃなく商品やと僕は思うんです。
お客さんの支持がなかったら、そんなものは何の値打ちもないということやと思います。

立派な芸人、うまいなあと言われるより、売れてるなあと言われた方が幸せだと思います。
そういう意味でよく『吉本興業は大阪の文化を破壊した』とか言われますけども、
商売でやってんですから、(そんなこと言われたって)痛くも痒くもないんですけどね。
いい文化を残そうなんて端から思ってませんし、
ウチみたいな会社が(いい文化を残すことが)できるとも思ってませんし。


改めて見直してみたところ、「芸人は売れてナンボ、人間性は二の次」とまでのドギツイことは言っていませんでしたが(汗)、それに近いことは言われているかと思います。
そういうことが、吉本の体質としてあるのではということを、思った次第です。

ただ、あの当時でも不祥事を重ねた横山やすしさんが厳しい処分を受けていましたし、コンプライアンスが厳しくなった今は、専門の部署が吉本興業にも当然設置されているでしょう。

今回の文春報道や、2ch などにコピペで投稿されているようなことが、本当の事実であった場合は、それに相応しい法的対応を取らないといけませんし、そうならなかった場合でも、そういう火種になる行動は慎むようにと、芸人らに指導が行なわれることになるでしょう。

芸人は売れてナンボ、しかしコンプライアンスもきっちり。
吉本興業も今ではそのようになっているだろうと思います。





今回の文春報道で思ったことの2つ目は、メンタリスト DaiGo 氏が同じことを言って炎上しているようなのであまり強くは言えませんが(汗)、警察に被害届ではなく週刊誌で報道する手段を取ったことについては、腑に落ちないものが残ります。

・文春の報道内容の全てが100%事実で
・強制わいせつなどの法的な罪は免れない

・・・・ であると仮定した場合、警察に被害届を出すと、吉本興業が出てきて対応し、
損害賠償や慰謝料などの「法的な補償」が行なわれることになるかと思います。
それでは納得できない、ということなのでしょうか。

今のこの時代、『裏でこっそり処理して揉み消し』なんてことは無理だと思います。
誰かが情報をキャッチして、表沙汰になり、拡散すると思います。
但し、その場合のインパクト、影響の大きさは、週刊誌でいきなりセンセーショナルに報道されるのに比べたら大幅に小さくなる、それは想像がつきます。

裁判で争うとなった場合も、時間がかかって、その間に騒動が沈静化するかもしれません。
それよりは、週刊誌でいきなりバーンと世に出した方が効果的、それもそうだろうと思います。

同じくダウンタウンの浜ちゃん(汗)の報道のケースを考えても、あの報道のインパクトによって、浜ちゃんが一時的にせよ大きなダメージを受けたことは確かだったと思います。

これ以上のことを言うには、続報を待ち、事の推移を見守るしかありません。

法的に解決するだけでは気が収まらず、社会的な制裁を受けさせてやりたい。
その心情も分からないではありません。
ですが、わたしはやはり、法的に問題があるかどうかの重要な部分については、
裁判で争うべきではないかと思います。

メディアでの報道は、それと並行して行なえる筈です。
ジャニーズ問題と同じ轍を踏まないようにと、マスコミも各界も反省している筈ですから。
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