現代社会にあっては、国民生活のすみずみまで国や地方公共団体といった行政機関が介入しています。 最近では自由競争が重視され、規制緩和が大きな潮流となっていますが、何かを始める時に行政機関の許認可を取得しなければならない場合が多々あります。 そこで今日は許認可について説明します。
人間である以上、誰もが、もともとは自由に自分の権利を行使できることは憲法で保障されています。 しかし、誰もがしたいことを自由に行ってしまうと必ず他人の自由と衝突します。 個人が自由に事業を行うことから生じるこのような問題を防止するためには、行政機関が監視や調整をする必要があり、そのために設けられている制度が許認可の制度です。
許認可についてはいろんな法令で規定されており、各種の法令ごとに規制対象となる業種が定義され、その開業に必要な許認可が定められています。 そして多くの場合、許認可を得ないままその業種を始めると、刑事上の罰である懲役・罰金や行政上の罰である科料などに処せられてしまいます。
《許認可の種類》
許認可とは、許可と認可を一緒に表現した言葉で、これら以外にも届出・登録といった制度があります。
・「許可」とは、一般的に禁止されている行為について、特定の場合又は特定の相手方に限ってその禁止を解除し適法に行為できるようにする行政行為をいいます。 例えば、風俗営業の許可や飲食店営業許可、自動車運転免許などがそれにあたります。
・「認可」とは、行政機関が私人の行為を補充してその法律上の効力を完成させる行政行為をいいます。 認可を受けるべき法律行為が認可を受けなかった場合には無効となりますが、許可とは異なり、行政機関が意図的に許可を行わないようなことが認められていません。 保育所の認可や河川占用権の譲渡の承認や運賃の認可などが該当します。
・「届出」とは、ある行為にを行うにあたって、事前に事業者に対して行政機関に通知する義務を課した制度のことをいいます。 行政手続法第37条によると、届出については「届出が届出書の記載事項に不備がないこと、届出書に必要な書類が添付されていることその他の法令に定められた届出の形式上の要件に該当している場合は、当該届出が法令により当該届出の提出先とされている機関の事務所に到達したときに、当該届出をすべき手続上の義務が履行されたものとする」と規定されています。すなわち、行政機関は、違法行為に直結するとの証拠がない限り、届出を却下できません。
・「登録」とは、行政機関において、一定の事項を関係人の申請により登録簿に記載することをいいます。 法令の規定に基づいてなされる登録は、公の証拠力を生ずるほか、次のような法律効果を伴います。 登録によって一定の権利が発生する場合(特許法第66条による特許権設定の登録)、登録がなければ法律関係の変動を第三者に対抗できないとされる場合(道路運送法第5条による自動車所有権の登録)、登録をしなければ一定の行為をしてはならないとされる場合(毒物及び劇物取締法第3条による毒物・劇物製造業等の登録)などがあります。
ところで話題は変わりますが、今日は、1980年代前半の漫才ブームの時に一世を風靡した漫才コンビ、B&Bの島田洋七の誕生日(65歳)です!