大阪市北区で行政書士・海事代理士・マンション管理士を営んでいる原田行政書士法務事務所の駅ブログ

主に学生時代から撮り続けている全国の駅の写真等をブログで毎日公開しています。

船舶法について!

2015年02月17日 | 海事代理士

海事代理士にとって、船舶法は海事代理士業務の主要業務の1つです。

船舶法は、日本船舶に対する行政的保護と取締りを目的として1889(明治32)年に施行され、日本の海事法規の中でも長い歴史のある法律で、日本船舶の国籍要件とその法的効果、船籍港、船舶登記、船舶登録、船舶国籍証書などについて規定しています。

船舶は、その航行に海上という風潮流の影響や動揺という特別な環境の危険が伴うので、国は、船舶に関する秩序を維持して、人命及び貨物の安全を図り、海洋環境を保護するため、海上を航行する船舶が守らなければならない各種の公法上の規制を行っています。 従って、船舶法は船舶に対する基本法として、海事行政上重要な意義を有しているのです。

(船舶法が適用されない船舶)

日本船舶のすべてが船舶法の適用を受けるわけではなく、以下のような船舶は適用外です。

・海上自衛隊(防衛大学校を含む)の使用する船舶は、船舶法の適用はない(自衛隊法109条)

・総トン数20トン未満の船舶及び瑞舟・ろかい舟は、船舶登記・船舶登録・船籍港・総トン数の測度申請・船舶国籍証書などの適用はない(船舶法20条)
但し、総トン数20トン未満の船舶であっても漁船法上の漁船については、総トン数1トン未満の無動力漁船を除き、船舶の総トン数の測度と船名の標示についてのみ適用がある(漁船法22条)

(船舶の登記・登録)

船舶の公示及び識別に関しては、我が国は船舶登記と船舶登録の二元制度を採用しています。 船舶登記は、船舶に関する権利変動を公示し、取引の安全を図るのが目的(私法上の目的)で、船舶の登録は、船舶の国籍を証明し、行政上の取締り及び管理に資するのが目的(公法上の目的)です。

船舶法の適用を受ける総トン数20トン以上の日本船舶の所有者は、原則としてその住所地に船籍港を定め、その船籍港を管轄する地方運輸局に総トン数の測度を申請し、さらに船籍港を管轄する登記所に登記の申請をした後、地方運輸局に登録の申請をして船舶国籍証書を受有しなければ、船舶を航行の用に供することができません(船舶法4条~6条)。 そして交付された船舶国籍証書は、船内に備え置くことが義務づけられています(船員法18条)。

※船舶国籍証書とは、その船舶が日本国籍を有すること及び船舶の個性又は同一性を証明する公文書で、総トン数20トン以上の日本船舶にのみ交付されます。

(小型船舶の登録について)

小型船舶の登録測度事務に関しては、小型船舶の登録等に関する法律(小型船舶登録法)に規定されています。 すなわち、小型船舶の登録等の手続きは、小型船舶登録法に基づき、国に代わって日本小型船舶検査機構(JCI)が行います(小型船舶登録法21条)。

総トン数20トン未満かつ長さ3m以上で漁船に該当しない小型船舶は、小型船舶検査機構に登録し、船舶番号を船体に表示しなければ航行することができません。 

※小型船舶登録法が適用される小型船舶には、任意の申請により国籍証明書が交付されます(小型船舶登録法25条)。