仙美里駅は、根室本線の池田駅と石北本線の北見駅とを結んでいた全長140.0kmの旧国鉄池北線の一般駅として、1910(明治43)年9月22日に開業しました(開業時は網走線に所属)。
かつては相対式ホーム2面2線の他に貨物側線を有し、列車交換も可能でしたが、その後の貨物取扱い廃止と駅の無人化により、転換時には単式ホーム1面1線だけでした。
1935(昭和10)年11月に建てられた木造駅舎は、無人駅化後もそのままの姿で転換時まで解体されずに残っていましたが、北海道ちほく高原鉄道に転換後の1992(平成4)年12月24日に新しい駅舎に建て替えられました。
仙美里駅が属していた旧国鉄池北線は、1980(昭和55)年12月の国鉄再建法施行による特定地方交通線選定の際には第2次特定地方交通線に選定されますが、営業キロが140kmもあった長大路線であったため地元の自治体が特別な配慮を求めたことや、沿線道路が未整備だったため、冬季の代替輸送に問題があるなどの理由により、1984(昭和59)年6月22日に一時廃止承認が留保されたものの、その後、運輸省の調査結果を受けて1985(昭和60)年8月2日に追加廃止承認されてしまいます。
しかし、池北線は長大4線(名寄本線・標津線・天北線・池北線)の中では最も営業係数(100円稼ぐのに必要な費用)が低かったことと沿線自治体や住民の熱意により、1988(昭和63)年11月14日の対策協議会において第3セクター鉄道として存続することに決定しました。
そして池北線は、1987(昭和62)年4月1日の国鉄分割民営化により北海道旅客鉄道(JR北海道)に承継された後、1989(平成元年)6月5日に第3セクターの北海道ちほく高原鉄道に転換されますが、2006(平成18)年4月21日に同鉄道が経営悪化で廃止されたことにより、仙美里駅も廃駅となりました。
<仙美里駅の年表>
・1910(明治43)年9月22日:旧国鉄網走線の一般駅として開業
・1961(昭和36)年4月1日:路線の呼称変更により、池北線の駅となる
・1977(昭和52)年4月28日:貨物取扱い廃止、駅の業務委託化
・1984(昭和59)年2月1日:荷物取扱い廃止
・1986(昭和61)年11月1日:駅の無人化
・1987(昭和62)年4月1日:国鉄分割民営化により北海道旅客(JR北海道)の駅となる
・1989(平成元)年6月4日:北海道ちほく高原鉄道ふるさと銀河線の駅となる
・2006(平成18)年4月21日:北海道ちほく高原鉄道が廃止されたことに伴い廃駅となる
撮影年月日:1988(昭和63)年11月3日