甲南女子大学で発見された最古級の写本「梅枝」を見てきました。
さすがにとても綺麗な図書館です。
さすがにとても綺麗な図書館です。
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隣には同じく鎌倉時代の写本「紅葉賀」が展示。
どちらも同じ時代のものですが、
中期と後期の違いのせいか、冊子の大きさが違っていました。
どちらも同じ時代のものですが、
中期と後期の違いのせいか、冊子の大きさが違っていました。
たしか片桐洋一先生が
写本は大きさの寸法で時代が判明するといわれていましたので、
今回の発見本とのあきらかな寸法の違いに、興味深く思いました。
写本は大きさの寸法で時代が判明するといわれていましたので、
今回の発見本とのあきらかな寸法の違いに、興味深く思いました。
勝海舟の所蔵したしるしである「勝安芳」の蔵書印が押してありました。
この写本は為家(ためいえ)の筆(藤原定家の子)だそうです。
箱に入っていて、為家卿筆という「極札(きわめふだ)」もあります。
極札とは、古い書物を鑑定した鑑定書のようなものだそう。
今回も仰々しく和紙包みの表書きがありました。
箱に入っていて、為家卿筆という「極札(きわめふだ)」もあります。
極札とは、古い書物を鑑定した鑑定書のようなものだそう。
今回も仰々しく和紙包みの表書きがありました。
昭和48年からこの大学に渡り、ずっと「河内本」の写本とされていましたが、
この度米田明美先生が文が青表紙や河内本にもない箇所があると気づかれ、
鑑定に出された結果、最古級の鎌倉中期の写本という事がわかったようです。
この度米田明美先生が文が青表紙や河内本にもない箇所があると気づかれ、
鑑定に出された結果、最古級の鎌倉中期の写本という事がわかったようです。
表紙や裏見返しに金が使用されていたことも
この時代の写本の素晴らしさを感じました。
この時代の写本の素晴らしさを感じました。
貴重な写本をガラス越しに直に見ましたが、変体仮名が読めません~(笑)
ありがたくも、
現代に流布している注釈つき古文を側に置いてくださったので、
何とか想像力で読めそうでした。
句読点はないし、段落もわからないし、漢字もくずしてあるし、
読むのも非常に疲れます~
しかし、皆さん熱心に見ておられました~
現代に流布している注釈つき古文を側に置いてくださったので、
何とか想像力で読めそうでした。
句読点はないし、段落もわからないし、漢字もくずしてあるし、
読むのも非常に疲れます~
しかし、皆さん熱心に見ておられました~
紅葉賀の方は青表紙本系のようで、為家の子、為相(ためすけ)筆と。
この表紙の模様が陽明文庫に伝わるものと似ているそうです。
この表紙の模様が陽明文庫に伝わるものと似ているそうです。
恥ずかしながら、定家の子供の事も知らなかったので勉強になりました。
他にも江戸時代の源氏物語版本や注釈書、
また復元された昔の本や絵巻、紫式部日記なども。
また復元された昔の本や絵巻、紫式部日記なども。
谷崎潤一郎の源氏物語初版本複製?もありました。
澪漂ではあの住吉大社の松のような絵に文章がありました。
その巻ごとの絵、風流ですね~
澪漂ではあの住吉大社の松のような絵に文章がありました。
その巻ごとの絵、風流ですね~
江戸時代の柳亭種彦「にせ紫源氏物語」の浮世絵が綺麗でした。
また後世に書かれたとされる源氏物語のその後「山路の露」の江戸時代版本や、
影響を受けたとされる室町末期の「こはたの時雨」なども。
影響を受けたとされる室町末期の「こはたの時雨」なども。
「こはた・・」はじめて知ったこの物語。文章から京大や高松本の親本とか。
契沖の注釈書や湖月抄、玉の小櫛、奥入りなども面白かったです。
定家は本当に文章の横に小さな和紙をはり、もとの和歌などを載せています。
そして何度も本をめくったであろう手垢のあとも右下についています。
本居宣長の字もまた定家や為家と違っていて、面白かったです。
そして何度も本をめくったであろう手垢のあとも右下についています。
本居宣長の字もまた定家や為家と違っていて、面白かったです。
この大学のガラス本棚には他にも万葉集をはじめ、
様々な本がずらっと整理して並んでありました~
様々な本がずらっと整理して並んでありました~
名誉教授である大槻修先生も古い本を手に入れるために、
古本屋と大学にかけあった話を
以前に何かの一般講座の折にちらっとされていたと思います。
古本屋と大学にかけあった話を
以前に何かの一般講座の折にちらっとされていたと思います。
米田先生の講演を今回聞きましたが、
何故か昼食後でちょうど眠くなり、うろ覚えでした^^;
何故か昼食後でちょうど眠くなり、うろ覚えでした^^;
関西で発見されたこの写本、
今後の研究に期待したいと思います。
今後の研究に期待したいと思います。