楽しみな源氏講座、今回は宿木の続き
匂宮は、夕霧の六宮と結婚して、
なかなか二条院に引き取った宇治の中の君のところへ通えない。
それもそのはず、
匂宮は六条院の南、紫の上の祖母がいた邸宅に住み、
夕霧は同じ六条院の花散里がいた夏の御殿に住んでいる。
落ち葉君も養女となった六宮もそこにいる。
重々しい身分ゆえ、
夜に出かけるとなると、はたの目や、夕霧にもすぐわかってしまう。
中の君は匂宮の訪れがないのをさびしく思い、
色々と後悔する。
薫が八宮の法事をすませたと阿闍梨に聞き、
ありがたく思うから、一度お話を聞きたいと手紙で伝える。
みちのくのゴワゴワした分厚い紙に
要件のみを書く方法で、誰に見られても怪しまれないように。
中の君にとって匂宮に捨てられることが、1番恐ろしいことであるから、
薫もよくわかって、そっけないほど同じようにみちのくの紙に返事を書く。
たまたま匂宮が来ていたが、手紙の内容が要件のみだったので、
ホッとする中の君であった。
薫も匂宮が六の宮と結婚したことを知っているから、
中の君の心中も察し、いつもよりおしゃれして中の君の所へ行った。
丁子染めの扇子を持ち、
今ままでは外の縁側(すのこ縁)での対面だったが、
さすがに来てもらったからにはと、中に入れ、
几帳を隔てて対面する。
1度宇治に連れて行ってくれないかと。
やはり薫の財力の援助なしには宇治でさえ、行くことができない中の君であった。
*丁子というのはクローブの蕾で、とても高価なもの
拙ブログ記事を参照
http://blogs.yahoo.co.jp/hana0101/25590372.html
最近では、
ハーブのポマンダー(オレンジに丁子を突き刺し、
オールスパイスで香りをまぶしたもの)に作られるが、やはり高価である。
中国では丁子は、皇帝が口にふくんで口臭をとったとさえ言われるものである。
匂宮が着たという丁子染めの着物など染色に、どんなに量が必要だったことか!
香りがするのが素晴らしいのでしょうね^^
(このあたり、香道などでも、恐ろしいぐらいの価格の蘭奢待などがあります)
薫は亡き大君に声まで似通っておられると、つい懐かしく
油断をしたすきに、中の君はしっかり薫に手を捕らえられ、添い寝されてしまう。
妊娠した印までわかったという事は、かなり接近したのでしょうね
さすがにそれ以上のことはなく(以前も大君と間違った時に、2人で宇治で何もなく語らった)薫は帰っていった。
そんな中、匂宮が訪ねてくる。中の君は嬉しくていつもよりまとわりつくが、
慎重に下着さえも着替えた中の君であったが、
匂宮はすぐに薫の移り香に気づき、中の君を疑う。
匂宮
「また人になれける袖のうつりがを
わが身にしめてうらみつるかな」
しかし、何もないから中の君は身の潔白を訴える代わりに歌を詠む
中の君
「みなれぬる中の衣とたのみしを
かばかりにてやかけはなれなむ」
と、うち泣きたまへるけしきの、限りなくあはれなるを・・
しっかり否定しつつ、
何だか可愛らしくも、あわれですね~
そして薫が大君の形代(かたしろ)を作りたいと言ったことで、
中の君は、つい薫に、宇治八の宮に隠し子がいたという話をする。
身分の低い母に生まれた腹違いの妹がいるが、不思議に大君に似ていると。
八宮にとって恥であるから詳しいことは知らないと語られる娘、
これがのちの浮舟である
形代の話からこういう展開になるのだけれど、
源氏物語は形代の話といってもよく、
非常によく考えられた登場の仕方であると指摘された。
光源氏は亡き母の形代に藤壺を慕い、その形代に姪になる紫の上を略奪し、
そして女三宮に興味を持ち、結婚した。
桐壺院も桐壺更衣の形代に、似ているという藤壺を入内させた。
紫式部は母も、姉とする人も亡くし、やはり形代を求めたのかどうかわからないけれど、
夫も3年で亡くし、世のなかを憂しと思っていた事は確かである。
夕霧も早くに母を亡くしているし、宇治の姫君達も母を早くに亡くしている。
そういう意味でも母の無い人が多い源氏物語である。
匂宮は、夕霧の六宮と結婚して、
なかなか二条院に引き取った宇治の中の君のところへ通えない。
それもそのはず、
匂宮は六条院の南、紫の上の祖母がいた邸宅に住み、
夕霧は同じ六条院の花散里がいた夏の御殿に住んでいる。
落ち葉君も養女となった六宮もそこにいる。
重々しい身分ゆえ、
夜に出かけるとなると、はたの目や、夕霧にもすぐわかってしまう。
中の君は匂宮の訪れがないのをさびしく思い、
色々と後悔する。
薫が八宮の法事をすませたと阿闍梨に聞き、
ありがたく思うから、一度お話を聞きたいと手紙で伝える。
みちのくのゴワゴワした分厚い紙に
要件のみを書く方法で、誰に見られても怪しまれないように。
中の君にとって匂宮に捨てられることが、1番恐ろしいことであるから、
薫もよくわかって、そっけないほど同じようにみちのくの紙に返事を書く。
たまたま匂宮が来ていたが、手紙の内容が要件のみだったので、
ホッとする中の君であった。
薫も匂宮が六の宮と結婚したことを知っているから、
中の君の心中も察し、いつもよりおしゃれして中の君の所へ行った。
丁子染めの扇子を持ち、
今ままでは外の縁側(すのこ縁)での対面だったが、
さすがに来てもらったからにはと、中に入れ、
几帳を隔てて対面する。
1度宇治に連れて行ってくれないかと。
やはり薫の財力の援助なしには宇治でさえ、行くことができない中の君であった。
*丁子というのはクローブの蕾で、とても高価なもの
拙ブログ記事を参照
http://blogs.yahoo.co.jp/hana0101/25590372.html
最近では、
ハーブのポマンダー(オレンジに丁子を突き刺し、
オールスパイスで香りをまぶしたもの)に作られるが、やはり高価である。
中国では丁子は、皇帝が口にふくんで口臭をとったとさえ言われるものである。
匂宮が着たという丁子染めの着物など染色に、どんなに量が必要だったことか!
香りがするのが素晴らしいのでしょうね^^
(このあたり、香道などでも、恐ろしいぐらいの価格の蘭奢待などがあります)
薫は亡き大君に声まで似通っておられると、つい懐かしく
油断をしたすきに、中の君はしっかり薫に手を捕らえられ、添い寝されてしまう。
妊娠した印までわかったという事は、かなり接近したのでしょうね
さすがにそれ以上のことはなく(以前も大君と間違った時に、2人で宇治で何もなく語らった)薫は帰っていった。
そんな中、匂宮が訪ねてくる。中の君は嬉しくていつもよりまとわりつくが、
慎重に下着さえも着替えた中の君であったが、
匂宮はすぐに薫の移り香に気づき、中の君を疑う。
匂宮
「また人になれける袖のうつりがを
わが身にしめてうらみつるかな」
しかし、何もないから中の君は身の潔白を訴える代わりに歌を詠む
中の君
「みなれぬる中の衣とたのみしを
かばかりにてやかけはなれなむ」
と、うち泣きたまへるけしきの、限りなくあはれなるを・・
しっかり否定しつつ、
何だか可愛らしくも、あわれですね~
そして薫が大君の形代(かたしろ)を作りたいと言ったことで、
中の君は、つい薫に、宇治八の宮に隠し子がいたという話をする。
身分の低い母に生まれた腹違いの妹がいるが、不思議に大君に似ていると。
八宮にとって恥であるから詳しいことは知らないと語られる娘、
これがのちの浮舟である
形代の話からこういう展開になるのだけれど、
源氏物語は形代の話といってもよく、
非常によく考えられた登場の仕方であると指摘された。
光源氏は亡き母の形代に藤壺を慕い、その形代に姪になる紫の上を略奪し、
そして女三宮に興味を持ち、結婚した。
桐壺院も桐壺更衣の形代に、似ているという藤壺を入内させた。
紫式部は母も、姉とする人も亡くし、やはり形代を求めたのかどうかわからないけれど、
夫も3年で亡くし、世のなかを憂しと思っていた事は確かである。
夕霧も早くに母を亡くしているし、宇治の姫君達も母を早くに亡くしている。
そういう意味でも母の無い人が多い源氏物語である。