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李明博元大統領まであと一歩の検察捜査、残った問題は直接調査の“時期”だけ

2017-11-11 15:46:21 | 日記

hankyoreh

李明博元大統領まであと一歩の検察捜査、残った問題は直接調査の“時期”だけ

登録 : 2017.11.11 04:32修正 : 2017.11.11 08:22

1.軍サイバー司令部や国家情報院によるコメント工作疑惑 
2.文化芸術人に対するブラックリストの作成・実行疑惑 
3・大手企業に対する国家情報院の保守団体支援圧力疑惑 
4・ダースの14億円投資金回収の際、外交部が介入した疑惑

今年9月28日、李明博元大統領がソウル江南区にある自身の事務室に入ろうとしている=ペク・ソア記者//ハンギョレ新聞社

 李明博(イ・ミョンバク)(76)政権時代に行われた軍・国家情報院などの政治介入事件関連の捜査が急速に進み、李元大統領まであと一歩の状況だ。

 捜査が最も進んでいるのは軍サイバー司令部のコメント工作疑惑事件だ。

今月8日、検察キム・グァンジン元国防部長官(68)に対する勾留請求を行ったことで、サイバー司の運営を指示し、報告を受けた“上部”である李元大統領の召喚捜査が秒読みに入った。

キム元長官にかけられている主な疑いは、2012年の総選挙と大統領選挙を控えて、現役軍人だったヨン・ジェウク元サイバー司令官などに与党を支持して野党を非難する活動を行うよう指示し、軍組織を利用して政治に関与したことだ。

これは国軍の政治的中立を規定した大韓民国憲法(第5条)を違反したものだ。

軍刑法(第94条)も軍人がその職位を利用し、特定政党や政治家に対する支持や反対意見を流布するなどの政治関与をした場合、5年以下の懲役に処するよう定めている。

政治軍人が武力で政権を簒奪した暗い歴史を考慮し、公務員の政治中立の義務とは別に、軍人の政治中立の義務を再度強調した原則が、李明博政権時代に踏みにじられたのだ。

 特に、検察調査で、キム元長官は「李元大統領にサイバー司令部の活動内容と人員増員などについて報告した。

大統領の指示後にはキム・テヒョ元大統領府対外戦略企画官(次官級)と主に実務会議をした」と供述したという。

サイバー司令部のいわゆる「コメント工作」など、政治関与の主犯が結局は大統領府、さらには李元大統領ということをうかがわせる。

 検察は李元大統領が関わっていることを示す各種資料も確保した。

2013年3月10日、サイバー司令部が作成し、キム元長官が署名した「サイバー司令部の関連BH(大統領府)協力会議結果」文書には、「サイバー司令部軍務員の増員は大統領の指示」という内容が書かれている。

関連内容が大統領府はもとより、李元大統領に報告されたという情況証拠だ。

 さらに、他の検察捜査も李元大統領に狙いを定めている。

検察はすでに国情院のコメント工作活動で拘束され、裁判にかけられるウォン・セフン元国情院長(66)の後ろにも李元大統領がいたと見ている。

ウォン元院長が李元大統領と随時に単独面談をした最側近だっただけに、関連内容が報告された可能性が高いからだ。

 国情院改革発展委員会資料によると、李明博政権は2008年の狂牛病ろうそくデモをきっかけに、「世論戦」が重要だと判断し、2009年から民間人コメントチームを運営した。

ウォン元院長の指示で、2009年から2012年まで30のサイバーコメント外郭組織を新設して運営し、朴元淳(パク・ウォンスン)ソウル市長制圧文書などの報告を受けた。

検察はすでにウォン元院長を召喚調査し、コメントチームを運営したユ・ソンオク、ミン・ビョンジュ元国情院心理戦団長を拘束した。

 李明博政権時代の国情院は、大衆に影響力が高い文化芸術界の要人や団体を該当分野から追放するため、2009年2月、5つの分野にわたって82人のいわゆる「ブラックリスト」を作成し、これをもとにひとり一人に合わせた圧迫活動を行った。

大統領府が直接文化芸術人の追放に乗り出した情況も、大統領府の文書を通じて確認された。

検察は、このようなことが李元大統領の指示で行なわれたものと疑っている。

また、国情院が大企業を圧迫し、保守団体を支援するように圧力をかけた事件についても、李元大統領の介入の有無を調べている。

 自動車部品会社で李元大統領の長兄イ・サンウン氏が代表取締役を務めている「ダース」が、投資諮問会社「BBK」から投資金140億ウォン(約14億1千万円)を回収するのに、李元大統領が介入したという告発事件に対する捜査も、もう一つの“雷管”といえる。

2008年のBBK特検に参加し、基本的な事実関係を把握しているシン・ボンス部長検事が指揮しているソウル中央地検先端犯罪捜査1部が事件を担当している。

検察は先月30日、告発人であるオプショナル・キャピタル代表のC氏などを召喚調査するなど、捜査を進めている。

 この事件はキム・ギョンジュン元BBK代表が2001年、オプショナル・ベンチャーズの株価を操作したいわゆる「BBK株価操作」事件の際、小口株主らで構成された被害者らが民事訴訟を通じてキム元代表が横領したものを返してもらう前に、BBK投資者であるダースが先に140億ウォンを手にする過程で、李元大統領が外交部など政府機関を動員したことを骨子とする。

ダースの関連対策会議に当時、キム・ジェス・ロサンゼルス総領事が出席した事実がマスコミ報道などを通じて公開された。

検察は当時、李元大統領が実際に権限を行使し、外交当局などが個別会社の財産紛争に介入するようにしたかどうかなどを確認する方針だ。

 検察はまた、李元大統領がダースの実質的な所有者という疑惑についても調査する方針だ。

インターネットのコメントや、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)などに「ダースは誰のものですか」という書き込みが広がり、話題になった。

また、先月23日、国政監査過程でユン・ソクヨル・ソウル中央地検長は「法律的にダースが誰のものなのかを確認する」と答弁した。

 検察のこのような多角的捜査について、李元大統領側は不快感を露わにしている。

今月初め、李元大統領は、主要側近たちとの集まりで「国が過去に足を引っ張られているようで残念だ」と話したという。

また、これに先立ち、9月28日にはフェイスブックを通じて現政権の積弊清算の捜査について、「このような後ろ向きな試みは、国益を害するだけでなく、結局成功しないだろう」と言及した。

李元大統領は講演のため今月12日、中東に出国する。

彼が空港でどのような立場を表明するかにも関心が集まっている。

 検察は李元大統領に対する調査について、「仕事には順序がある」とし、慎重な態度を示した。

しかし、検察内外では、李元大統領に対する直接調査は既成事実となったいうのは大方の予想だ。

検事長出身のある弁護士は「時期と方法が問題であるだけで、捜査の進み具合からして、李元大統領に対する処罰まで念頭に置いた捜査が行われるものとみられる」と話した。

 


中国経済崩壊で「韓国のデフレ不況突入は確実」と三橋貴明氏

2017-11-11 13:28:39 | 日記

中国経済崩壊で「韓国のデフレ不況突入は確実」と三橋貴明氏

『NEWSポストセブン』

不動産バブルに加えて、株式バブルも崩壊した中国経済。GDP世界2位の大国が揺れている。

習近平政権はなりふり構わぬ株価維持政策に出たが、それも再び暴落するのは時間の問題だ。

その時には経済だけでなく社会も大混乱に陥るのは必至だろう。

 
 起死回生を狙ったアジアインフラ銀行(AIIB)も、実は中国が抱える悩みを解決するためだけに作られたもの。
 
資金提供したヨーロッパ諸国は痛い思いをすることになる羽目となる。中国経済崩壊により、世界はどうなってしまうのか。
 
日本はどうすればいいのか。このほど中国での現地取材と詳細なデータを読み解いた『中国崩壊後の世界』(小学館新書)を上梓した気鋭のエコノミスト・三橋貴明氏に話を聞いた。
 
──世界中が注目する中国の現状はどうなのか。
 
三橋:2015年の9月に中国に向かい、大連、オルドス、北京と周り、様々な人々に取材した。特に驚いたのはやはりオルドス。高速道路や高層ビルなど見た目のインフラは異様なほど充実している。空気も中国とは思えないほどきれい。
 
ところが、人間がいない。現地に住む中国人に聞いたところ、10万人程度が住めるマンション群に暮らしているのは100人程度とか。
しかも、住んでいるというよりも、オルドス市が補助金を出して、薄給の清掃員やタクシー運転手などに「住んでもらっている」状態とのことだ。
 
 ゴーストタウンというと廃墟をイメージするが、オルドスはインフラが整っているだけに逆に不気味な感じを受けた。
2010年までオルドスは中国で1人当たり国民総生産が中国全土で1位だったのに、主要産業だった石炭価格の暴落に加え、習近平の“大気汚染政策”が追い打ちをかけて、この有り様だ。
 
5年後、この街はとんでもないことになっているだろう。
 
さらに、詳しくは『中国崩壊後の世界』を読んでいただきたいが、オルドスには驚くべき地区が存在するのだ。
 
これはまさに中国の歪みの象徴といえるだろう。
 
──それでも中国が発表する経済成長率は7%近くと高いままだ。
 
三橋:そもそも、中国が発表する数字そのものが嘘だらけ。
 
何といっても、地方政府が発表するGDPを全部足すと、中国国家統計局による全国GDPを日本円にして54兆円も超えてしまう。
 
地方政府はGDPを上げなければ共産党における出世の道が閉ざされるから、そんなことを平気でする。
直近の鉄道貨物輸送量が10%以上落ち込んでいるのに、経済成長率はびくともせずに7%などあり得ない。はじめから、7%という数字ありきなのだ。
 
──中国の産業構造に問題がある。
 
三橋:中国は過剰投資しすぎた。鉄鋼を例にとれば、中国の粗鋼生産量は年間8億トンにも関わらず、生産能力は12億5000万トン。
設備稼働率は65.8%。明らかに供給過剰だ。日本の鉄鋼の生産規模は1億1000万トン。
中国は余剰供給能力だけで日本の生産規模の4倍にも達している。
中国国内の鉄鋼需要は50~60%が建設や不動産、インフラ部門が占めていた。
不動産バブルが継続するという前提だ。しかし、不動産バブルは崩壊している。
 
 鉄鋼の供給過剰を国内で吸収することができない、ということを考えれば、AIIBの設立に躍起になるのも説明がつく。
逆にいえば、AIIBを強引に設立し、世界中から資金調達した上で、アジア各地にインフラ投資を実施していく以外に、国内の鉄鋼等の供給過剰を昇華する道は残されていないというわけだ。
 
供給過剰問題は鉄鋼だけでなく、自動車産業にも当てはまる。100社以上がある2015年の各自動車メーカーの稼働率は5割前後だ。すでに日米をはじめとした主要国の投資は大幅に激減している状態だ。
 
──中国が供給過剰状態となると、中国に資源を輸出していた資源国はたまったものではない。
 
三橋:現に、豪州やブラジルといった鉄鉱石を輸出してきた国々は深刻な状況に追い込まれている。ブラジルなど政治的要因も重なって、国債の格付けは下がる一方だ。石油輸出国であるロシアや中東諸国も大きな打撃を受けている。
 
──影響を受けるのは資源国だけではない。
 
三橋:最悪なのは韓国だ。韓国のインフレ率は約50年ぶりの低水準0.7%と1999年のアジア通貨危機の時よりも悪い。
内需が低迷し、インフレ率が上がらない状況で、外需まで失速する。まさに内憂外患の状況だ。
しかも、韓国の場合、「製品輸出国」といて中国に依存してきた。その中国にしても同じような仕組みで発展してきた。
つまり、補完関係ではなくライバル関係なのだ。
 
 中国企業は急速に韓国企業にキャッチアップしてきている。すでにサムスンに代表されるスマホなど6分野ですでに中国企業に追い抜かれてしまっている。
このままだと韓国は深刻なデフレ不況に突入するのは確実だ。通貨危機の再来の可能性もゼロではない。
 
──日本はどうなるのか。
 
三橋:もちろん、中国経済崩壊によって、まったくダメージがないわけではない。
中国に多額の投資をしてきた企業は頭を抱えているし、爆買いも終われば旅行産業や小売業界も打撃は受けるだろう。
しかし、日本の対中輸出対GDP比率は2.5%に過ぎない。仮に中国への輸出がゼロになったとしても、日本のGDPは2.5%マイナスになるに過ぎない。
 
 しかも、中国の日本からの輸入は「資本財」が中心だ。日本から資本財を輸入しない場合、中国は自らも生産が不可能になってしまう。
そんなことは、中国共産党が崩壊するなど革命的かつ歴史的大事件が起きない限り、絶対にあり得ない。