1400兆ウォン突破した家計負債…金利引き上げ期に「時限爆弾」になるか
韓国
2017年11月23日09時15分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]
韓国経済の時限爆弾は家計負債だ。
負債が多い家計は消費する余力がない。
経済が活気を帯びることができない理由だ。
もし所得が減ったり利子が増え家計が負債を返済できなければ金を貸した金融会社も不健全化しかねない。
金融システム全体の不安につながる公式だ。
韓国銀行が最近金融市場専門家68人を対象にしたアンケート調査でも回答者の35%が家計負債を韓国金融システムの最も危険な要因に挙げた。
国際通貨基金(IMF)ミッション団も14日の年次協議後「家計負債が韓国の金融リスク要因」と指摘した。
韓国銀行によると可処分所得比の家計負債比率は2013年の134%から昨年は153%に増えた。
稼いだ金額(所得)より返さなければならない借金がさらに多くなったという意味だ。
特に現在は基準金利引き上げが可視化しているタイミングだ。時限爆弾の秒針は刻々と回っているという意味だ。
この時限爆弾の爆発力がさらに大きくなっている。
韓国銀行が22日に発表した「2017年7-9月期の家計信用」(速報値)によると、
7-9月期の家計信用は4-6月期の1387兆9000億ウォンより31兆2000億ウォン(2.2%)増えた1419兆1000億ウォンとなった。
統計集計以降で過去最大だ。増加規模31兆2000億ウォンも4-6月期の28兆8000億ウォンに比べ増えた。
項目別では家計貸付が1341兆2000億ウォンで4-6月期より28兆2000億ウォン増えた。
クレジットカード使用など販売信用は3兆ウォン増えた78兆ウォンを記録した。
家計信用は家計が金融会社から借りた金額(家計貸付)とまだ決済されていないクレジットカード使用額(販売信用)を含めたものだ。
家計負債を抑えるための韓国政府の対策にも依然として家計負債増加スピードは速い。
1~9月に増えた家計負債は76兆6000億ウォンだ。
こうした傾向で進めば今年の家計負債増加額は100兆ウォンに達する恐れがあるとの見通しも出ている。
この場合2015年の118兆ウォン、2016年の139兆ウォンに続き3年連続で年間家計負債増加規模が100兆ウォンを超える。
韓国銀行のムン・ソサン金融統計チーム長は
「前年同期比で7-9月期の家計負債増加率9.5%は2015年4-6月期の9.2%の以降で初めて1桁台に下がったが、2010~2014年の平均増加率6.9%よりは高い水準」と話した。
7-9月期の家計負債増加は住宅担保貸付と信用貸付の2大要因によるものだ。
7-9月期の住宅担保貸付は4-6月期に比べ15兆4000億ウォン増えた。
住宅担保貸付が増えたのは7-9月期の新規マンション入居戸数と住宅売買取引が増えた影響だ。
韓国銀行によると7-9月期の全国の新規マンション入居戸数は11万3134戸だった。
4-6月期の7万6611戸より大幅に増えた。7-9月期のソウルのマンション売買も3万9241件で4-6月期の3万3362件より増加した。
韓国銀行は「個別借主の住宅担保貸付と既に執行された集団貸付・残金貸付などが増え住宅担保貸付も増加した」と話した。
マイナス通帳など信用貸付を含んだその他貸付も大幅に増えた。
特に預金銀行の7-9月期のその他貸付は7兆ウォン増え2006年1-3月期以降で最大の増加幅を記録した。
インターネット専門銀行であるカカオバンクが営業を始めた影響とみられる。
韓国銀行によると7-9月期のインターネット専門銀行のその他貸付は2兆7000億ウォン増えた。
8月に発表された8・2不動産対策にともなう貸付規制強化で住宅担保貸付需要が信用貸付などにシフトする「風船効果」も現れたと分析される。
韓国政府の各種対策にも当分家計負債増加基調は続くものとみられる。
現代経済研究院のチュ・ウォン経済研究室長は「来年から8・2不動産対策と家計負債対策の効果が本格的に現れるものとみられる。
これまでの事例を見ると各種ミクロ対策が出た後に基準金利引き上げというマクロ政策に火をつけた時に(家計負債減少のような)政策効果が現れた」と話した。
LG経済研究院のチョ・ヨンム研究委員は「不動産規制でも家計負債が減らないのはすでに執行された集団貸付など構造的要因のため。
住宅担保貸付を利用するのが難しい人が信用貸付で隙間を埋める『風船効果』も続くだろう」と話した。
基準金利引き上げの可能性が大きくなる中で信用貸付などにシフトする負債は家計負担と金融不安を深化するものとみられる。
信用貸付の場合、一般的に変動金利が適用される上に住宅担保貸付限度不足で信用貸付を受ける借主は相対的に信用度が低く担保が不足するためだ。
韓国銀行によると貸付金利が0.5%上がれば金融と実物資産を売っても負債を返すことができない高リスク世帯の金融負債規模は現在の62兆ウォンからさらに4兆7000億ウォン増える。
延世(ヨンセ)大学のキム・ジョンシク教授は
「不動産価格上昇に対する期待感が大きい状況で貸付規制などにより不動産価格安定と家計負債増加傾向を防ぐのは難しい。需要制限でなく不動産供給を拡大するアプローチが必要だ」と話した。