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韓国が「出生率0.78」で最低更新、発表後の“ウォン安・株安”も当然の理由

2023-03-18 16:02:25 | 日記
韓国が「出生率0.78」で最低更新、発表後の“ウォン安・株安”も当然の理由

3/7(火) 6:02配信

真壁昭夫

 韓国の少子化が深刻だ。2022年の出生率が0.78と発表された後は、ウォン安と韓国株安も進んだ。

1970年時点では4.53もあった韓国の出生率は、なぜ急速に低下しているのか。その経緯をひもとくと、韓国経済の課題や社会不安の火種も理解できそうだ。
(多摩大学特別招聘教授 真壁昭夫)

 ● 韓国の出生率0.78の衝撃  2023年2月22日、韓国統計庁は22年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数、以下、出生率)が0.78だったと発表した(速報値)。  人口の増減は経済成長に決定的インパクトを与える。注目したいのは、発表後、ウォンが米ドルなどに対して売られる場面が増えたことだ。韓国株を売りに回る海外投資家らも増えた。出生率の一段低下をきっかけに、韓国経済の先行き懸念は高まり、資金流出は増えつつあるようだ。  韓国の出生率はこの先も低下基調で推移するだろう。内需にはより強い下押し圧力がかかりやすい。海外に進出し収益を得ることのできる企業と、それが難しい企業の差は一段と鮮明になり、雇用・所得環境の不安定化懸念も高まるだろう。  今後の展開として、株価がある程度下げれば韓国株の割安感は高まり、短期的に有価証券投資(ポートフォリオ投資)は回復するものと考えられる。ただ、企業による直接投資に関して、韓国から海外に流出する資金の増加懸念は高まりやすい。出生率発表後のウォン安、韓国株安はそうした展開を警戒する投資家の増加を示唆する。

● かつて4.53もあったのに、なぜ少子化に?  近年、韓国の少子化は深刻化している。

特徴として、OECD加盟国中、そのスピードは突出して高い。

それは、短期的にも、中長期的にも、韓国経済にとって大きなマイナスだ。 

 過去の少子化対策などを見る限り、韓国の出生率低下に歯止めのかかる展開は想定しづらい。

韓国統計庁のデータを確認すると、1970年の時点で出生率は4.53もあった。

同年、OECD加盟国の出生率の平均値は2.84だった。

  それが1970年代前半に4.00を切り、84年には1.74まで一気に低下した。

同年のOECD加盟国の平均値は2.06、わが国は1.81だった。

当時、韓国は国土の狭さや天然資源の埋蔵量の乏しさ、高成長を背景とする急速な需要拡大、それによる物価上昇への懸念などを背景に人口抑制策を取っていて、その結果だった。 

 その後も韓国の出生率は低下基調だ。

一つの要因として、97年にタイを震源地にしたアジア通貨危機が発生したことは大きい。

輸出や海外からの直接投資などによって外貨を獲得し経済を運営してきた韓国は、アジア通貨危機により急速に資金が流出し、自力での経済・財政運営が行き詰まった。

韓国政府はIMFに支援を要請し、何とかこの危機を克服したが、当時の混乱が国民心理にかなりの不安を植え付けた。

98年、韓国の出生率は1.46、05年には1.09に低下した。

  その状況に危機感を強めた韓国政府は、少子化対策を強化した。

一方、貿易面ではサムスン電子をはじめとする財閥系大手企業が輸出競争力を高めた。

02年頃から米国では住宅バブルが発生し、中国経済も高成長を遂げた。

そうした世界経済の好転に支えられ、大手企業の業績が拡大し、経済成長率も上向いた。

  こうした景況が所得再分配を下支えし、人々の生活のゆとりも幾分か増した。

一時、韓国の出生率は持ち直し、12年は1.30だった。

● 米中対立の影響をもろにうける韓国経済と格差問題  ところが、18年に出生率は1.00を切って0.98に低下し、少子化は年を追うごとに加速している。

 一因として、若年層の雇用・所得環境の急速な不安定化は大きい。

18年、韓国にとって最大の輸出先である中国では、公共事業の削減などによって景気減速が鮮明化した。

加えて、米国のトランプ政権(当時)が対中制裁関税などを実施し、世界全体で中国を中心に張り巡らされてきたサプライチェーンが混乱した。

また、中国では産業補助金などの積み増しによって国内の半導体メーカーの成長が加速し、サムスン電子などは中国企業から追い上げられ始めた。

 韓国国内では、革新派の文在寅(ムン・ジェイン)前政権によって、大幅な賃上げが行われた。

18年、最低賃金は前年比16.4%、19年は同10.9%引き上げられた。

これにより中小企業の経営体力は低下し、経済全体で雇用は減少した。

労使の対立も激化した。事業運営体制を維持するために、採用を抑えつつ、従業員の賃上げ要請に応じざるを得なくなった企業も多かった。

また、米中対立や中国企業との競争に対応するために、韓国から海外に生産拠点を移す企業も増えた。

  こうした結果、韓国の失業率は上昇し、経済格差は深刻化した。

特に、15~29歳の雇用は他の世代に比べて大きく失われた。

その一方、文政権は支持率維持のために高齢者の短期雇用策を強化するなどし、世代間格差が拡大した。

また、韓国では首都圏への人口流入による需要増加期待と世界的な低金利環境を背景に、ソウルなどでマンション価格が急騰した。

住む場所を手に入れるために借り入れに頼る家計は増えた。 

 労使対立の先鋭化による企業の事業運営の効率性低下、家計の債務問題を背景とする潜在的な金融システムの不安定化懸念、出生率低下による内需縮小などを背景に、韓国株を売りに回る投資家は徐々に増えた

そして20年以降、新型コロナウイルス禍が発生したこと資金流出が急速に増え、韓国はFRBによるドル資金供給により窮状を乗り切った。 

 このように国内景況感が目まぐるしく変わってきたことも、出生率低下を深刻化させた要因と考えられる。 

● 韓国経済悪化の火種…家計債務問題や労使対立も  株式市場に目を転じると、足元、韓国経済の先行きを慎重に考える投資家が増えている。

2月23日、韓国銀行(中央銀行)は政策金利を3.50%に据え置き、23年の経済成長率予想を下方修正した。

他方、韓国では物価が高止まりしている。

予想よりも米国経済が底堅く推移する中、22日の出生率発表以降、ウォン売り圧力が一段と強まった。 

 通貨安は、韓国のインフレを再加速させる要因になり得る。にもかかわらず利上げは休止された。

少子化による内需の縮小均衡、家計債務問題などの懸念上昇を背景に、韓国銀行にとって理論的に必要な意思決定を行うことが難しくなっている可能性は軽視できない。

  2月下旬にかけての株式市場では、サムスン電子をはじめ主要銘柄が売られる場面も増えた。

経済格差の拡大を背景に少子化が深刻化する可能性は高い。

人口減少に伴い、労働と資本の投入量は減少する。

  韓国企業が新しい発想を実現して需要を創出することができれば、理論的に経済成長率の低下は食い止められるだろう。

しかし過去、韓国企業はわが国や米国など主要先進国から半導体などの製造に必要な技術や資材、装置を調達した。

半導体など先端分野での米中対立は先鋭化している。それはサムスン電子などの対中輸出にマイナスだ。

  また、韓国では景気への懸念が高まると、自動車などの分野で労使の対立が先鋭化してきた。

今すぐではないにせよ、米欧で金融引き締めが長期化して世界経済の減速懸念が高まれば、韓国の労使対立が再燃する展開も排除できない。

そうなれば、先行きを悲観視する若者が増え、経済と社会の閉塞感は高まるだろう。

  先が見通しにくい世界経済を踏まえると、韓国経済がそうした不安定な環境に向かう可能性は高い。

22日の出生率発表後のウォン安と株安には、韓国経済の先行きを懸念する投資家が一段と増加したことが大きく影響したと考えられる。

真壁昭夫


ウクライナ「歴史的決定」と歓迎 プーチン大統領に戦犯容疑で逮捕状 国際刑事裁判所

2023-03-18 11:57:42 | 日記
ウクライナ「歴史的決定」と歓迎 プーチン大統領に戦犯容疑で逮捕状 国際刑事裁判所

2023/3/18 07:34三井 美奈
  • 国際
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ウクライナ侵攻

ロシアのプーチン大統領=17日(AP)

【パリ=三井美奈】

国際刑事裁判所(ICC、オランダ・ハーグ)は17日、ロシアのプーチン大統領に対し、ウクライナからの子供の違法な連れ去りの責任があるとして、戦争犯罪容疑で逮捕状を出した。

ロシアはICC非加盟で法廷の管轄権を否定しており、当面はプーチン氏の身柄が拘束される見込みはない。

だが、国家元首が戦犯容疑者となったことで、ロシアの国際的な孤立が強まることになった。

ICCの発表によると、プーチン氏は指導者として、ウクライナ占領地からの住民連れ去りに加担し、部下の犯罪を止めなかった責任などを問われた。

戦時の文民人保護を定めたジュネーブ諸条約は、住民の違法な移送や追放を禁じている。

ICCのカーン主任検察官は、少なくとも数百人の子供が孤児院や施設から連れ去られ、多くはロシア国籍を押し付けられて養子に出された疑いがあると発表した。

ICCのホフマンスキ所長は、「逮捕状の執行は、国際社会の協力にかかっている」と述べ、身柄拘束への協力を訴えた。

ICCは、ロシアで養子縁組を進めたマリヤ・リボワベロワ大統領全権代表に対しても逮捕状を発令した。

ロイター通信によると、ロシアのペスコフ大統領府報道官は、ICCの管轄権は非加盟のロシアには及ばないと強調し、逮捕状は「恥ずべき決定で、受け入れがたい」と批判した。

20日には、中国の習近平国家主席がロシアを訪問する予定だが、中国もICC非加盟で管轄権を認めていない。

一方、ICCの逮捕状発令について、ウクライナのゼレンスキー大統領は「歴史的な決定だ」と歓迎した。

ウクライナから1万6000人の子供が連れ去られた記録があると主張した。

欧州連合(EU)のボレル外交安全保障上級代表も「ロシアに責任を追及する過程の始まり」だとして、さらなる捜査に期待を示した。

ICCが現職の国家最高指導者に逮捕状を出したのは、スーダンのバシール大統領(2009年)、リビアのカダフィ大佐(11年)に続き、3度目。国連安全保障理事会の常任理事国元首では、初めてとなる。


“読売新聞のドン”渡辺恒雄氏と岸田首相が「異例」の会合…その後、意気軒昂、絶好調の理由

2023-03-18 11:26:56 | 日記
現代ビジネス


“読売新聞のドン”渡辺恒雄氏と岸田首相が「異例」の会合…その後、意気軒昂、絶好調の理由


歳川 隆雄 によるストーリー • 5 時間前


戦後日本の内幕

NHKチーフ・プロデューサーの安井浩一郎氏の新刊『独占告白 渡辺恒雄―戦後政治はこうして作られた』(新潮社。今年1月刊行)を読んだ。

そして、改めて読売新聞グループ本社代表取締役主筆の渡辺恒雄氏(96歳)の“凄さ”を知った。

これまで筆者は渡辺氏著書の『派閥―保守党の解剖』(弘文堂。2014年刊行の復刻版)も『君命も受けざる所あり』(日本経済新聞出版社07年刊行)も読んでいる。

『独占告白 渡辺恒雄 戦後政治はこうして作られた』(新潮社)© 現代ビジネス

だが同書は、NHK-BS1スペシャル(20年3月7日)とNHKスペシャル(同年8月9日)が放送した渡辺氏ロングインタビュー(インタビュアーは元NHK報道局記者の大越健介氏=現・テレビ朝日「報道ステーション」MC。ディレクターが安井氏)をベースに安井氏が書き下ろしたものである。

同書を読んで新たに知った戦後政治秘史は多々あった。しかし本稿は書評ではないので、ここでは同書で渡辺氏が語ったことの一端に限定して言及したい。

「白さも白し冨士の白雪」

特筆に値するのは、第6章「密約と裏切り―政治家たちの権謀術数」にある「白さも白し富士の白雪」の一件だ。この顛末は『君命も受けざる所あり』にも記述されているが、概ね次のような「事実」である。

1956年12月の自民党総裁選で当時の岸信介幹事長、石橋湛山通産相、石井光次郎総務会長がポスト鳩山一郎を争った。この総裁選で初めて実弾(カネ)が飛び交ったことで知られる(註:当時の総裁選は公職選挙法が適用されなかった)。

photo by gettyimages© 現代ビジネス

有力視された岸は弱小派閥を擁した大野伴睦に平身低頭して支持を懇願するが、自らの心境は「白さも白し冨士の白雪」(「全く白紙」の意味)だと遇われる。だが密かに石橋に通じていた大野率いる大野派が決戦投票で(白雪が)溶けて流れて石橋支持に回り石橋内閣が誕生した。

そして4年後の60年7月総裁選では大野が岸の意趣返しに泣く。前年1月16日に首相の岸が大野、河野一郎、佐藤栄作と「次ぎは大野、次いで河野、佐藤の順で首相とする」誓約書(立会人は児玉誉士夫、萩原吉太郎、永田雅一)を作成していたのだ。しかし総裁選直前に岸は「俺の心境は白さも白し冨士の白雪」と言って密約を反故にした。結果、大野は土壇場で立候補断念を余儀なくされた。一枚の紙っ切れ(誓約書)など平気で無視される政治の世界は怜悧冷徹なのだ。


岸田父子との因縁

それから54年後の故・安倍晋三元首相である。中南米5カ国歴訪中の2014年7月31日、滞在先のチリ・サンティアゴでの同行記者団との内政懇談で、9月の内閣改造・自民党役員人事について「全くの白紙だ。人事はアンデスの雪のように真っ白。白さも白しアンデスの雪ということですね」と語った。安倍氏は一連の故事来歴を念頭に質問に答えたが、残念ながら同行記者でピンと来た者は皆無だった。

時代背景、人物攻勢、状況設定が異なるが、同年夏時点で永田町の関心事は安倍氏が続投を求める石破茂幹事長をどう処遇するのかに集中していた。ところが、安倍氏はまさに戦後政治秘史に違わず総裁経験者の谷垣禎一幹事長、石破地方創生相というサプライズ人事を断行したのだ。

photo by gettyimages© 現代ビジネス

なぜ、56年と60年の総裁選に関するエピソードを『独占告白 渡辺恒雄』から引いたのか。もちろん、理由はある。開成中学を卒業した渡辺氏は開成高校卒業の岸田文雄首相とは同じ開成学園出身であり、旧制東京高等学校では岸田氏の父・岸田文武元衆院議員と同級生である。すなわち、岸田父子とは二代にわたる同窓生なのだ。

現職首相が“読売新聞のドン”である渡辺氏のもとを訪れる――異例と言っていい。「首相動静」によると、3月8日に東京・大手町の読売新聞東京本社で午後1時44分~同2時20分まで懇談している。昨年も1月7日(会食)、6月3日(同)、10月26日(懇談)の3回、いずれも同紙本社であった。

仄聞するところでは、政治の「取材者」であり「当事者」でもある渡辺氏に「教えを乞う」というよりも「勇気を与えてもらう」というのが実相に近いようだ。まさしく効果てきめんなのか、最近の岸田氏は意気軒昂であり、高揚感が漲っているという。

韓国の尹錫悦大統領(16日)、オラフ・ショルツ独首相(18日)と相次いで会談した。さらに19日夜にインドの首都ニューデリーに向けて発ち、20日にはナレンドラ・モディ印首相と会談する。岸田外交ラッシュである。

恐らく23年度一般会計予算成立後の31日にウクライナの首都キーウを訪れてウォロディミル・ゼレンスキー大統領と対面し「日本はあなた方と共にある」と表明するのではないか。0泊3日の超強行日程だ。こうした外交成果を掲げて4月の統一地方選・衆参院5補選を戦い、G7広島サミット(5月19~21日)に議長として臨む腹積りなのだろう。