カンムリワシ、ワシは名ばかり、言うばかり

20年前探せばカンムリワシがいて、10年前そこにはカラスがいて、いま両方ともいません。よって最近ではそれ以外の話題に。

「サウジアラビア」と「イラン」の対立

2016年01月09日 00時38分49秒 | 海外

中東には、イスラム教の信者が多く、イスラム教を国教としているところもあるとのこと。

  • イスラム教といい、キリスト教といい、世界が混乱している原因が「自分の宗教だけが正しいとする考え方」にあるのでしょう。
  • これは相容れない主張のようで、相互尊重の時代もあったとはいえ、根本では対立する運命にあるらしく、この宗教を取り除かない限り、乗り越えることができません。
  • 私は、「宗教を取り除く」以外に、何の解決策をも提示できませんが・・・・。
  • げに恐ろしきは「宗教対立」。

その中で、今一番激しく対立している国は、ご存じ「サウジアラビア」と「イラン」です。

  • 同じイスラム教なのに、国によって宗派別信者比率の違いがあり、場合によっては、異教徒との対立よりも、同じイスラム教内の派閥(スンニ派とシーア派)対立のほうが激しい、という例がみられます。〔スンニ派はスンナ派とも表記されます。〕
  • これは「対立する同宗教・異派閥より、互いに尊重しあう異教徒」という意味で遠い親戚よりも近くの他人」という日本のことわざと同義でしょうか。

そして一番不思議なのが、対立があると必ず出てくる仲裁行動です。

今回のサウジアラビアとイランの対立には、様々な国際関係が背景にありますが、現在両国の仲裁に動いているのが

    • 中国
    • アメリカ
    • ロシア
    • トルコ

などです。面白いのは、この仲裁国同士が、激しく対立しあっているということ。つまり、

    • 中国    アメリカ
    • アメリカ  ロシア
    • ロシア   トルコ

こんな対立する国が「仲裁に参入」すると、かえって「サウジアラビア」と「イラン」の関係が悪化するとも考えられますが・・・・

  • 背景となる国際関係が複雑になりすぎ、このあたりで一変させたい・リセットしたい、という願望がある
  • 原油価格暴落が続いているため、両国の国交断絶から減産に持ち込めば「原油価格の高騰」を狙える〔こうするとサウジアラビアの狙いに反して、天然ガス輸出国のロシアを利するのですが、その時代は終わり、もっともっと切実な優先課題が生じたか
  • サウジアラビアが、イランに接近し過ぎているアメリカを牽制するための決断〔サウジアラビアから見ると、イランは同じイスラム教ではあっても敵対する派閥の国ゆえ、同盟国アメリカがイランと和解することは許せない
  • 独自の勝手な論理を展開する国ゆえに、絶好のチャンス到来ととらえて動き始める
またロシアTVではこんなことを言っておりました。

イランとサウジアラビアの紛争がエスカレートあるいは長引けば、アメリカでの石油増産の結果生じている原油安を上回る押し上げ効果となると思われます。

サウジアラビアはOPEC石油輸出国のリーダー、イランは石油生産世界5位です。原油価格の下落には、中東は頭を痛めており、サウジアラビアは2016年の予算で870億ドルの赤字が見込まれ、政府は節約をうたったところでした。:ロシアTV ワールド・ニュース NHKBS1 2016/01/05

まず
  • ①イラン②サウジアラビア の順序がロシアとしては大切なんでしょう。
  • それはいいとして、原油価格が高騰することは、天然ガス輸出国ロシアにとって好ましいことですから、なんとか現在の原油価格暴落とウクライナ領クリミア半島併合によるEUによる経済制裁という二重苦から脱したいもの。
  • アメリカのシェール・オイル生産とOPEC減産回避による原油価格暴落があり、それは今2016年冒頭でも続いています。ロシアのマスメディアとしては、サウジアラビアとイランの対立の結果として、原油減産がなければならず、よって価格が高騰する、はずで、その方向へ世論を誘導しなければならないのでした。実際のところ、一体どのように展開するか、誰も予想できないのに、「希望的観測」を「予想」へ格上げし、「予想」を「こうあるべき」に置き換えてゆくのが、反論異論を許さない独裁国家の常道でした。
  • 分る人には、こんなロシアがサウジアラビアとイランの対立を調停できるはずがないのではないか、と考えます。これはちょうど共産党政府に刃向かうとして自国民を日常的に拉致している中国が、北朝鮮による日本人拉致問題を解決できるはずなどあり得ない、のと似ていますね。
  • またロシアTVでは、原油価格の下落に「中東は頭を痛めており」という感情移入がみられ、涙ぐましいほどです(笑)。
さて、どれが正しいのでしょうか。