Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

ソフビ制作裏話 その46

2008年01月26日 | 制作裏話
ミレゴジ スタンダードカラー編 Part.2

 ミレゴジの色で一番の特徴と言えば、背びれの突起部分の色でしょう。
 デスゴジを除けば、ほとんどのゴジラは、背びれの突起部分は白かアイボリー系です。中には薄くシルバーが入っているものもありましたが、いずれにしても色的には大きな差はありませんでした。
 ミレゴジは赤系、マゼンタに近い色が塗られています。おそらくは劇中でのライティングのせいでしょう、メタリックマゼンタにも見えます。実際に撮影に使ったと言われるスーツの展示を見た事がありますが、実物はそんなに目立った赤ではないんです(撮影後の汚れ等がついていたからなのかもしれませんし、展示用に修正したのかもしれません)。
 バンダイ系列のミレゴジソフビ各種は明るめのマゼンタカラーで塗られています。良く見ると先に塗る部分にシルバーを吹いてマゼンタ(もしくは濃いめのピンク)を重ね塗りにしているようです。発色を良くするためです。だから明るくメタリックマゼンタに見えています。
 しかしそれはちょっと劇中のスーツとは差があり過ぎると感じたので、弊社のミレゴジは同じような明るさは避ける事にしました。かと言って実際のスーツに近く地味に薄く塗るのも寂しいので、その中間を目指しました。それでその中間の感じですが、実は簡単。先にシルバーを下塗りするのではなく、シルバーに少しだけ赤を混ぜた色を直接成型色に塗るだけです。先端だけをちょっと濃いめに吹き付けるのを気をつけるだけでイメージ通りになりました。「グリーンバージョン」も同様です。成型色が濃いめの色だから余計にぴったりでした。成型色が明るかったら背びれの色が目立ちすぎたかもしれません。
 ちなみに『ゴジラVSメガギラス』でも同タイプの着ぐるみスーツが使われていますが、こちらではミレゴジに比べて若干赤味が少なくなっているようです。
 この「スタンダードカラー」の爪やキバはあえてアイボリー系ではなく、薄いイエローを足して塗っています。「グリーンバージョン」との区別と言う意味もありますが、どうしてもボディにはほとんど何も塗らないシンプルなダークグレー成型ですので、ちょっぴり動物っぽい爪やキバに見せたくイエローを足してみました。実際ミレゴジは劇中で爪やキバ等が大きく映されている時は、それらが他のゴジラより黄ばんで見えています。巨大動物等に見られる象牙っぽい感じを目指していたのかもしれません。もし弊社のミレゴジの爪やキバを白かアイボリーで塗っていたら、もっと地味な色の商品になったと思います。
 全体を通してみれば「グレーバージョン」と言っても過言ではない「スタンダードカラー」ですが、トータルの配色でかなり劇中のミレゴジの雰囲気は出せたのではないかと思います。いかがです?

 こちらの商品は現在発売中です。興味のある方はぜひお求め下さい。

(2010.1.11更新)
「ミレゴジ スタンダードカラー」は完売致しました。ありがとうございました。
(2010.7.26更新)
「ミレゴジ グリーンバージョン」は完売しました。ありがとうございました。