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Part.2 参考にしたもの
今日は「モスゴジ 倉田浜出現バージョン」の配色を決める際の参考になったものについて。
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■中島春雄氏の自伝が参考になりました
劇中シチュエーションをテーマとして配色を決定する場合、毎回最も参考にするのは実際の映像作品である事は言う間でもありませんが、この「倉田浜出現バージョン」の場合、とても参考になったのはこの商品の2ヶ月前に発売になっていた中島春雄氏の自伝「怪獣人生」でした。
ここでは劇中でのこのシーンの時の氏の演技についてや撮影秘話が語られています。ゴジラが身体についた泥(土)を振り払う演技は氏のアドリブだったようで、実際に土が自然な形で振り払われているのがわかります。
また、予定よりも「カット!」をかけるのを遅らせて余計に演技を続けさせるという円谷監督のパターンもあってあの「ぷるぷる」の名演技が生まれた事もわかりました。
詳細は「怪獣人生」をご覧下さい。
とにかくこれでイメージがぐっと湧いてきたのは言う間でもありません。
劇中の設定では舞台は干拓地で、台風直撃の直後だけに地面は泥という設定です。しかし撮影対象はゴジラという大きな怪獣。泥であるにも関わらず、人間の目から見れば振り払われるものは土のように見えても不自然に印象はありません。実際のあのシーンは、劇中のあの場にいた登場人物達側から見た印象としてのアングルで作られていたと思われます。
ですから配色を決める際には、できる限りまるでゴジラの身体に土がついたかのように思わせる色合いや雰囲気を出したい、あの時のゴジラの動きのように「ぷるぷる」させて土を払いたくなるような感じにしたいという思いで検討を始めたのです。
おそらく「怪獣人生」を読まなかったら違った色合いの商品になったかもしれません。配色の最終案を決める前に発売されて本当に良かったと思います。ナイスタイミングでした。