2.ライトシルバーという色(1)
今日は「メカゴジラ ライトシルバー」を作るにあたって、なぜ全身の色となったライトシルバーをチョイスしたかについて。
■最初のメカゴジラスーツの色
なぜ印刷物の写真で白に近いシルバーのメカゴジラが多いのか。
まずはメカゴジラのスーツの色にあります。以前「見聞録」(2011年2月22・23日掲載)にも書きましたが、一番最初に作られたスーツは全身がシルバー(仮にAとします)。これが記者発表で使用されたもので、スチール写真として多用されているものです。これはやや明るめのシルバーで塗装されたと思われます。この時の背景が明るい空の色のため、反射でより明るく写真に写っていました。
しかし映画での撮影用にはもっとリアルにという事で、つなぎ目にスミを入れ、更に全体のシルバーに部分薄くブラックをスプレーしています(仮にBとします)。
が、BのカラーリングはNGとなり、玩具メーカー等の資料写真用には使用されたと思われます。
結局、実際にスーツは2つ用意され、一つは基地の写真でお馴染みの玉虫のカラーリングを施したシルバーと、もう一つはスーツAをやや暗めにしたシルバー(アクション用、仮にCとます)で塗装したものになったと思われます。
ちなみスーツBのカラーリング案は後のメカゴジラ2に生かされます。
ですから劇中ではスーツCの色が主ですが、これはやや沈んだ感のあるシルバー(このカラーリングは「スタンダードカラー」(完売)として発売させていただきました)。印刷物で見られる写真(劇中のもの以外)の多くはスーツAの明るいシルバーのメカゴジラという事になるのです。
そして当時の印刷レベルを考えると、細かな処理は今程できませんから粗い製版になるのでどうしても微妙な色は表現できません。
そしてもうひとつ大きな理由があります。(つづく)