2.全身の塗装
■「恐い」「信用できない」部分を
金属的な色合いで冷たさを表現しようと企画した訳ですが、そのままダイレクトに鉄や合金のような色にするのではなくイメージとしての表現です。ドライブラシのような方法をとれば、シンプルに金属感は出ますが、それではリアルになるため、ディフォルメとしての「カッコかわいく」から外れてしまいます。
そこで、全身の塗装カラーをノーマルのシルバーとガンメタブラックの中間(ややガンメタブラックより)という微妙な調合色を作り、全身に塗装しました。今まで作ってきた色で最も調合に時間をかけたと言えるかもしれません。
当初、この色を濃淡を付けたブラシワークで塗装し、これを全身の色にしようと考えていました。しかし、これだけではなく、さらに黒に近いガンメタブラックを一部分だけ(主に関節部分等)に細吹きする行程をプラスする事にしました。
実は昨年「ライトシルバー」の画像をご覧頂いた漫画家の坂井孝行さん(ゴジラシリーズのコミックを担当された方としてゴジラファンはご存知ですよね!)が『私的にはどんなに可愛くても「恐い」「信用できない」と思わせてくれないとメカゴジラに思えないので(笑)その点ちゃんとメカゴジラだなあと。』と感想を下さいました。
それがヒントになり、「恐い」「信用できない」部分をもっと出せないかと考え、この行程を加える事にしたのです。悪役らしさがより出ると思いますし、金属的表現としてもリアルすぎずに「カッコかわいく」の中でできると考えたのです。(坂井さんありがとうございます!!)
よく見ないとわからない色の差かも知れませんし、通常の塗装作業に比べれば、より時間もかかってしまいます。が、これがあるかないかでずいぶんと違うのです。
