Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

河島順子さん

2018年10月09日 | 代表羽沢のG雑感
河島順子さん

 映画でスクリプターとして活躍されていた河島順子さんが、9月19日に亡くなられたそうです。
 ゴジラ映画では『ゴジラ×メガギラス G消滅作戦』や『シン・ゴジラ』、他にも特撮では平成ガメラ3武作、平成ウルトラシリーズなど多数の作品に参加されました。

 スクリプターというお仕事は皆さんどれぐらいご存知でしょうか。
 映画で各シーンのつながりを記録し、演者側では衣装やヘアメイク、持ち道具、セリフなどを把握し、別日(別時間)の撮影でもシーンがちゃんと違和感なく繋がるように記録します。スタッフの仕事に対しても同様で、美術の大道具、小道具、セット、照明、音や尺(時間)などを記録して、ちゃんと連続したシーンにするように調整する作業です。さらにこれらの情報をカットごとに記録したものを、編集や効果、音をつける部署であるポストプロダクションに渡して、演出側の意図を伝えなくてはなりません。
 制作会社、作品や監督によっても違いがあるようですが、他にも完成までのポスプロの作業に立ちあったり、作品完成後も完成台本を作成したりと、ある意味最初から最後まで一番現場でお仕事をされている部署と言えるでしょう。
 大作であればあるほど重要な役割と言えるのではないでしょうか。

 私が知る限り、河島さんは、日本を代表する怪獣特撮であるゴジラ、ガメラ、ウルトラマンという特撮ファンにとっては大きな存在の作品の現場に深く関わった唯一の方ではないでしょうか。(『ウルトラマンダイナ』ではハネジローの声を担当されました)
 弊社が関わった書籍では「平成ガメラ パーフェクション」や「ゴジラのマネジメント」などでお世話になりました。
 「ゴジラのマネジメント」では富山省吾プロデューサーと対談していただきましたが、掲載できなかったスクリプターとしての興味深い話もたくさんあり、とても勉強になりました。
 特撮誌ではなかなかスクリプターの方のお話を聞く機会が多いわけではありませんでしたので、立ち会えたことはとても嬉しかったです。
 とても明るい方で、雑談でも笑顔で楽しく話されるので、こちらも楽しくなってしまうんです。とても素敵な方でした。
 スクリプターはある意味、現場での監督の秘書のような仕事かもしれないとおっしゃっていたのが印象的です。

 まだ私より若かっただけに訃報には驚きました。残念です。
 大変お世話になりました。ありがとうございました。
 心よりご冥福をお祈りいたします。