Gメモリーズブログ

有限会社クリエイティブデザイン羽沢組

モスラ幼虫あれこれ その6

2010年05月24日 | 羽沢組的怪獣見聞録
PART6.各社のモスラ幼虫フィギュア

 今日は余談的な話になりますが、これまで発売されてきた各メーカーさんのモスラ幼虫フィギュアの傾向の話をします。いろいろと初めて気がつく事が多数ありました。

■数多く存在する「モスラ幼虫」フィギュア
 塗装済完成品の「モスラ幼虫」のフィギュアは、これまでたくさんのメーカーさんから発売されてきました。ソフビだけでもかなりの数のメーカーさんが作られています。映画での登場作品も多いので、人気怪獣である事の証明でもあるのでしょう。特に平成以降は、登場作品の映画公開後に発売される事も珍しくはなかったのは皆さんご承知の通りです。
 私もモスラは好きな怪獣ですので、何から何までと言う程ではありませんが、いくつかコレクションをしてきました。
 今回、弊社で「モスラ幼虫」を発売する事になり、参考のために他社さんではどれぐらい作られているのか、どんな風に作られているのか、しまっていたコレクションのいくつかを取り出してみました。一番の目的は、ディフォルメテイストがだぶらないように、形状や色等も同じにしないためのチェックをするためです。
 しまいこんであったものは全部出せたわけではないのですが、それでもかなりの数で、ちょっと自分でも驚きです。

 昨日までここで「見聞録」を書いてきたように、今回の弊社商品の発売のためにいろいろ「モスラ幼虫」について調べ、作品毎の造形や特徴の違いがわかりました。初めて気がついた事も多々あります。
 それに照らし合わせてみると、他社さんの「幼虫」たちの造形や色には驚く事ばかりです。
 まず『モスラ対ゴジラ』の「幼虫」。2体セットとしてはいるものの、ポーズや口の開閉で差はつけてはいても、その2体での違うはずの造形そのものや特徴の差は、どのメーカーさんもつけてはいないんです。
 一番の驚きは、混合です。一部分をファースト『モスラ』の要素で、一部分を『モスラ対ゴジラ』版にしていたり、統一の造形で作られていないのが多いのです。中には平成の「幼虫」として作られているはずなのに、一部分が昭和の「幼虫」の作りだったり、その逆だったり………。
 全般的に見て、明らかにどれでもなく、おそらくは想像だけで作られていたんだろう箇所があるものもあります。
 特に顔の下部分、あごと言える箇所です。登場作品に限らず、ほとんどの商品が劇中の物と違うようです。
 次に多かったのは足です。形状、位置等は本当にバラバラです。中には足の数が間違っているものも。
 目の色の塗装にしても、劇中では赤か青かではっきり分かれているはず(『ゴジラ×モスラ×メカゴジラ 東京SOS』の「幼虫」以外)なのに、反対の色で塗られているものも多々ありました。
 中には刻印の版権表記の年号を見ないと、どの「幼虫」なのかわからないものもあります。
 全種類持っているわけではありませんが、私のコレクションしている塗装済完成品の中で、きちんとその作品の中での「幼虫」を検証して作られているものは、ほとんどありませんでした。少なくとも『モスラ対ゴジラ』の「幼虫」ソフビが間違いがなく作られているものは、ディフォルメと言う事を差し引いても皆無でした。
 今まで何気なく集めてはいましたが、改めてこれらに気がつき驚くばかりです。
(もちろん私の持っていないものの中で、ちゃんと作られているものも存在するかもしれません。)

 誤解されると困りますが、なにも他社さんの悪口を言うつもりはないんです。
 発売された時期を考えれば、当時は映像でも書籍でも資料は少なかっただろうし、造形の詳細を知る術がなかったのかと思います。特に古ければ古い程です。資料や詳細がなければ、ある程度は想像で作るしかなかったのだろうし、妥協もやむを得なかったのでしょう。中にはレトロタイプと言うカテゴリーでのディフォルメであえてそうした部分もあったのかもしれません。イメージで作るしかなかった場合もあったでしょう。
 ましてやゴジラに比べれば明らかに扱いが少ない場合が多いので、より資料の収集は難しいものと思われます。
 近年は旧作の写真資料等も発掘されて、いくつか書籍化されて発売されていますし、映像でもソフトがどんどん画質に向上が見られたり、ゆっくり静止画で確認できたりしています。それらがなかった時代に作られたのですから、ある意味その先輩メーカーさん達、原型師さん達の開拓心には敬意を感じずにはいられません。もしその当時に「羽沢組で作れ」と言われれば、わからない事だらけでサジを投げていたでしょう。
 表面的な資料だけで立体フィギュアを作ると言う事は、想像以上にエネルギーと技術と創造力が必要なのだと思っております。

 偉そうな事ばかり書いてきましたが、だからこそ弊社商品ではちゃんと作らなければならないとより強く覚悟しました。もちろん弊社の「幼虫」は「カッコかわいく」のディフォルメテイストですし、昔程ではないにしろ今でも完全な造形資料はありませんので、リアルに造形や彩色を表現はできません。それでもディフォルメでありながらも、可能な限り明らかに、そして間違いなく『モスラ対ゴジラ』の「幼虫」であると判断できる事、最低限必要な双子の造形の差を表現する事を心がけて作りました。

 今回の文章で気分を害された方、メーカーさんがいらっしゃいましたら深くお詫び致します。悪意は全くございませんので何卒ご了承下さいませ。


▲私が持っているコレクションの一部です。いろんなタイプがあるのが改めてわかります。
諸先輩方の作られた大切な資料としても大事にしたいと思います。

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