2017年11月8日のEテレ「視点・論点」という番組で、論者のコーポレートガバナンスを専門とする弁護士が、「自動車の完成検査の不正、神戸製鋼所の製品データの不正の原因は経営力の劣化と現場力の衰退」と述べた。「東芝の会計不正や三菱自工の燃費偽装」のように、実力以上の業績を社員に課した結果がどうなっているかトップに伝わらず、経営者は裸の王様となり、「短期の利益を求める余り,長期の利益を失った」というが、現行の経済の仕組みからして、誰でもこの轍に入ってしまう可能性があるのではなかろうか。
「内部通報制度の尊重」などが言われるが、実際には組織の下層部門は上層部門の意向を「忖度」して、指示通りの利益を上げなければ生きて行けない。「言論の自由があるのだからと忖度なしに青臭い正義を言う」ことなど組織内で通用しないことは、わたしも痛いくらいに経験し、修羅場にも遭遇した。生々しく書けないのは、かく言うわたしも往時の当事者のことを忖度しているからである。 トップも当期利益目標を確保しなければならないという脅迫観念に駆られている。
これは国においても、「学校認可に関する、文科省のおどおどした対応」や、既述の「裁判所における手続きの怪しさ」も、それぞれ自分のために周囲を忖度していると見られるのは民間と全く同じで、人間の限界を感じる。地方自治は国のやり方を見習うので、事業の記録がないこと、予定価格がないことなど、余り追求もできない。
自分の居場所を失いたくない本能で生きているわれわれは、終戦後の食糧難の時代に闇米を拒否して餓死した裁判官、山口良忠には到底なれない。自分だけ山口良忠の真似をすると手痛い仕打ちに遭ってしまう。
「内部通報制度の尊重」などが言われるが、実際には組織の下層部門は上層部門の意向を「忖度」して、指示通りの利益を上げなければ生きて行けない。「言論の自由があるのだからと忖度なしに青臭い正義を言う」ことなど組織内で通用しないことは、わたしも痛いくらいに経験し、修羅場にも遭遇した。生々しく書けないのは、かく言うわたしも往時の当事者のことを忖度しているからである。 トップも当期利益目標を確保しなければならないという脅迫観念に駆られている。
これは国においても、「学校認可に関する、文科省のおどおどした対応」や、既述の「裁判所における手続きの怪しさ」も、それぞれ自分のために周囲を忖度していると見られるのは民間と全く同じで、人間の限界を感じる。地方自治は国のやり方を見習うので、事業の記録がないこと、予定価格がないことなど、余り追求もできない。
自分の居場所を失いたくない本能で生きているわれわれは、終戦後の食糧難の時代に闇米を拒否して餓死した裁判官、山口良忠には到底なれない。自分だけ山口良忠の真似をすると手痛い仕打ちに遭ってしまう。