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地方自治の危機(追記55)人の言うことを聞けない私たち

2020-01-05 20:59:10 | 地方自治
 以前にも書いたが、「傾聴ボランティア」の会に所属している。高齢者介護施設などに赴いて、人と話すことの少ない入所者の話を「聴く」という役割である。「聞く」でなく、「聴く」という字の由って来る所に近づこうというのがミソである。「ボランティア」というと偉そうだが、コミュニケーションの基本の勉強ができる。

「傾聴ボランティア」は、医療のカウンセラーの手法の一部を「介護」の分野に応用して普及が図られつつあり、全国にたくさんのボランティア団体がある。

 団体なので、会長以下数名の役員を置き、今年はわたしもその一つを委託されている。その役員会でいろいろ議論するが、意見がなかなかまとまらない。例えば、次の研修に何をするかというとき、ある人は傾聴のロールプレイを提案する。わたしは、ロールプレイは難しいし既に何回もやっているので、むしろ回想法とか介護分野で注目されているユマニチュードを勉強したら傾聴にも役立つのではないか、と主張する。傾聴を勉強している仲間でも健康寿命内にある人同士では、相手の意見を聴こうとしない(聴けない)ようである。

 最近のニュースは、たまたまPISA(国際学力調査)で日本は「読解力が劣っている」という結果を伝えている。様々な情報から、理由のある一つではない回答(理由を付けて)を導き出す力が不足ということであるが、その先では「他者の異なった意見をよく聴いて、自分の意見を吟味する力が必要である。

 内外の指導者を見ても、なかなか他者の意見を傾聴して読解することができていないと思う。人類はなかなか利口になれない。
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