気になること

視点を変えて、近頃気になること

無料塾と地域ボランティア(8) ボランティアの押し売り? 

2015-04-16 11:20:12 | 地域ボランティア
 無料塾ではないが、良かれと思って奉仕したことでも、そのまま受け入れられないことがある。
 ある年配者の勉強会と忘年会の幹事をやったとき、良かれと思って二つの即席ボランティアを試みた。一つは会費の足しにと思って、丁度発売が予告されていたプレミアム付き共通飲食券を買っておいたこと。前売り券は人気が高いので、開始時間に出かけて行って少し並ぶ必要があるなど若干の努力を要する。もう一つは、勉強会の先生から預かった資料を会員分プリントするのに、コンビニでは一枚10円するところ、私の町内自治会のコピー機を利用すると半額で済むので、これを利用したこと。ただ、管理担当者さんから公民館の鍵を借り、後で使用料を払うという若干の手間を要する。借りる方の努力も要るが、貸す方の管理者さんも結構大変なボランティアである。
 意外だったのは、このようにささやかと思ってやった努力に対し、勉強会および忘年会の終了後の会計報告に、会員の一部から異議が出た。曰く、「商品券はプレミア分の寄付といっても、幹事が自分で使うべきである。コピーも一枚10円はお決まりだから、会費から支払うべきである」と。確かに、他の会員が別の機会に幹事をしたとき、前例を倣うとしたら大変、というプレッシャーを感じるかもしれない。しかし、正論ではあるかもしれないが、余りに四角四面のことをいわれると、それでは商品券を買いに行ったり、資料をコピーするのに要した時間の人件費も出してください、と言いたくなる。
 本件の場合は、自分が良かれと思って実行した努力を、悟られないように会計報告をすればよかった。それでも一般的には、自分のした事、特に「奉仕」したことは、相手にも快く聞こえるだろうと、ついつい喋りたくなってしまう。好意と思われる事は、素直に受け取ってよいのではないか。
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無料塾と地域ボランティア(7) タテ割り行政と総合調整機能

2015-04-12 14:29:45 | 地域ボランティア
 富士見町が無料塾の参考にした、大分県豊後高田市の「学びの21世紀塾」は幼児から中学生まで、学習サポータのほか、スポーツ、文化まで幅広く支援ボランティアを集めている。私の諏訪市でも、個々には類似の地域ボランティアが数多く存在するが、体系立っていないと感じる。タテ割り行政を見る思いがする。
 豊後高田市のように、歴史的に存続してきたであろう種々のボランティアを束ねて、子どもの発達段階に応じた総合計画を立てることは、子どもの成長に応じて、いつ何をすべきかという意識付けがしっかりすると考えられる。
 同様の取り組みは各地で試みられているが、三重県東員町の「マイナス1歳(胎児)からの16年一貫教育」というフレーズは雄大に感じる。内容について、もっと知りたいと思う。
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無料塾と地域ボランティア(6) 野本三吉氏の記述からの連想

2015-04-07 15:17:06 | 地域ボランティア
 野本三吉著『風になれ!子どもたち(児童ケースワーカー・十年の記録から)』の記述から、連想したことです。
(1)p.209 「学童保育所は従来、工作や卓球、ビデオ、紙芝居、トランプなどで、勉強という本題には余り取り組んでこなかった(勉強は学校でやる)。ここで学生ボランティアも頼み、6年生に勉強会を開始した。子どもたちは学校でやっているような一斉授業を嫌がり、一対一の学習になった。漢字をやる子、算数をやる子、足し算の子とバラエティに富んだカリキュラムとなった。」
 私の参加した無料塾は講師の数が少ないので、どうしても一斉授業が多くなる。なかには一対一のケースもあった。数学基礎で自分の計画の所をやってよいとした場合、生徒の頭の中では学校の宿題のことが気になっているので、決められた科目の宿題相当のところを、講師の目の前でやるようになったこともある。
(2)p.217「(生活環境が恵まれない子どもに)小学校・児童相談所・保健所・民生委員・学童保育所・ボランティアが連携して対処してきた。今や、子どもは一組の親だけで育てることはできない。」
 地域のおとなや関係者がどの子にも目を配り、やさしくみまもっていくことは、学校支援ボランティアにも共通の理念であろう。
(3)p.239「児童相談所での仕事を通して、個別な対応も大切だが、その根本にある地域、生活圏がどうよみがえるか、そこのところが変わらなければ、無限に続くこの悲しみ(安心できる場でなくなってきた家庭があること、両親も社会の変化の中で苦しんでおり、自分たちの生活で精一杯という現実)は変わっていかない、という思いが強くなってきた。」
 地域、生活圏がどうよみがえるか、が課題と思った。
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無料塾と地域ボランティア(5) 子どもと地域ボランティア 

2015-04-04 17:09:13 | 地域ボランティア
 生涯学習と学校教育の融合のため、地域が学校を支えることを目的に、文部科学省が展開している「学校支援地域本部」や「コミュニティ・スクール」に、幾つもの小中学校が参加している。地域ボランティアが、学習支援、読み聞かせ、ものづくり、田畑づくり、安全の見守り、社会体験などに協力している。無料塾はこの体系とは異なるが、学習支援に特化した地域ボランティアといえよう。
 学校支援ボランティアは、平成13年、学校教育法に「社会奉仕体験活動」が導入されてからであるという。
 田舎なので、かつて地域は農業組合等で繋がっていた。子どもは家の野良仕事などを手伝い、その意味では家庭や地域が学習支援以外の子育て支援をしていた。これが最近は、地域ボランティアの形で子どもに接するようになった。地域の力はどのようになっているか注意していきたい。
 ボランティアコーディネータが地域にボランティアを発掘する形なので、地域活性化の一翼を担う意味で重要な位置づけであると思う。地味であるだけに、ボトムアップの力ぐあいによって、地域差が大きくなっていくものと想像される。
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無料塾と地域ボランティア(4) 無料ということ 

2015-04-02 12:25:17 | 地域ボランティア
 無料塾に途中から来なくなる生徒もいることから、「無料なら誰でも利用したくなるはず」とは言えないかもしれない。色々な原因があるとは思われるが、ここでは損得感情のみを考えてみる。
 最近、「地域消費喚起・生活支援型交付金」による「プレミアム付き商品券」の発行が、報道されている。商品券を予め買うので、使わなければ損をする。これが商品券によらず、商店に行って欲しい商品を買ったときに割引をしてくれるのであっても、買えば、得をした金額は同じである。しかし商品券によらない場合は、得とは思っても、気分によって必ずしも買い物をしない人もある。人間は、得をするよりも損をする方が深刻に感じるものと言われるので、前払いで商品券を買ったまま使わないでしまう方が苦痛が大きい。
 無料塾は、商品券によらない場合に類似している所があるような気がする。無料塾に行こうと思い立った時に幾らかでも受講料を納めれば、受講料(商品券)を使わないことは損をするという心理が働き、途中から塾を欠席することが減るとも考えられる。
 しかし大学での話だが、「休講」があると喜ぶ学生がいるというので、ことは複雑である。
幾らかでも受講料を取ると、「無料」ということばが使えなくなるという人もいる。
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