卒業式

長男の卒業式だった。学年主任の先生が「手前味噌なことをいうのは好きではないけれどもあえて言えば近年にないいい式だった。」と。本当にいい式だった。「優しくて正義感のあるまじめな学年」らしい、穏やかだけど、折り目正しい式だった。１年生、２年生では心配された合唱も、３年生では飛躍的にうまくなり、夏のNコンでは応援にいった母たちは金賞を疑わなかった。その合唱ももう聞けない。中学校の卒業証書授与だけど、義務教育の終わりでもある、との話にも、妙に胸が打たれた。
祝う会が終わったあともなんだか名残惜しくてなかなか去れなかった。息子の方が案外あっさりしていて、２次会に行くというグループがあったのだが、「今日は疲れたから帰る」と先に帰った。自分が中学の時のことを思い出しでも、卒業式ってこんなにさびしかったっけ？と思ったけど、考えたらそのまま同じ顔ぶれで同じ高校に上がったので、たいした感慨はなかったのかもしれない。そういう意味では今日の卒業式はみんな最上級生として１年間を過ごし、受験を乗り越え、それぞれに進路を歩み始める、寂しさの中にも清々しさのある節目だったのかもしれない。明日からもう袖を通すことのない制服。そして足を運ぶことのない学校。今日は卒業式だった。