教育の分野は全く素人ですが、1保護者として、そして国内の学校と在外の日本人学校とたった2校ではありますが、違う学校の経験を通じ、日頃思っていること、疑問に思っていることに答えてくれるものはないかと思い、「学校教育を考える」というワードで検索したら、現職の先生が書かれているブログにたどり着きました。そこではやっぱり、と思うものもあれば、先生の立場から見るとこうなんだ、と全くちがった発想の発見があったり、つい時間のたつのも忘れて過去のエントリーまで飛ばし読みですが読んでしまいました。読んでいてまず思ったのは、現場の先生方は教育に対し、深い哲学をもち、あたっているな、ということでした。教科の教え方など、テクニックだけでなく、教育とはどうあるべきか、何たるべきか、が幾度も書かれていました。そして、一番私がはっとさせられたのは「公立校とは公教育を担うところ。公教育とは社会の維持にとって必要なもの」といった主旨のところでした。私はそれを、日本人が日本文化を継承し、日本という国を未来へつないでいくためにはその人材の育成が必要であり、それが公教育だ、と解釈しました。ブログの管理者はそこには学力の向上などは述べていない、と言っています。目からウロコでした。公立校の教育は日本と言う国の未来永劫に資するためという大きな使命をもつものであり、よりよい学校に合格させてくれる学力をつけるという個人の私的な目的を満たすものではないということです。学力と言うのは誰かにつけてもらうものではなく、学校で教えてくれることをまじめに勉強すればおのずとついてくる、それは本人の努力の問題ということです。このような主旨にふれ、私の中には私立>公立、公立は私立に劣る、という半ば自分でも意識していなかった概念に気づかされ、そうではないんだ、と気づかされました。私立には各校の建学の理念というものがありますが、公立にも大きな使命がある。現場の先生方はそれに向かってプロフェッショナルとして日夜あたってくださっている。そう思ったら公立校が面白く、頼もしく思えてきました。急な本帰国で長男を公立に入れたことに対して後ろめたい気持ちでいたのですが、その後ろめたさも解消されました。