東埼玉病院 総合診療科ブログ

勉強会やカンファレンスでの話題、臨床以外での活動などについて書いていきます!

第69回国立病院総合医学会に参加してきました!

2015-10-04 23:59:38 | 学会活動

 札幌で行われた第69回国立病院総合医学会に、10/3参加してきました。

今永は、神経筋疾患のセッションで、「東埼玉病院総合診療科における筋萎縮性側索硬化症患者の訪問診療に関する報告~9年間の実績から在宅死を可能とする要因を探索する~」という演題を発表してきました。

時間の都合上、あまりフロアとのディスカッションができなかったのが少し残念でしたが、国立病院機構は神経難病に関わっている方も多いので、個人的には当院が行っている神経難病患者さんへの訪問診療を知っていただくという意味で、意義のあるものでした。

神経難病患者さんへの訪問診療は、様々な観点からのアプローチが重要であり、「難治性疾患に関わるなかで、医師の役割とは?」という難題をつきつけられる機会でもあります。今後も、医師が行える限界を感じつつも、少しでも神経難病患者さんへのサポートを行っていければと考えています。


日本在宅医学会 研修プログラム交流会に参加してきました

2015-08-02 13:53:22 | 学会活動

暑い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか?

東埼玉病院総合診療科では、在宅医療の教育研修にも取り組んでいます。日本在宅医学会の認定資格(在宅医療専門医)の研修施設として、「在宅医療/総合診療プログラム」の名称で、1年間の研修プログラムを運営しています。 ( 詳細は学会のホームページをご参照ください:http://www.zaitakuigakkai.org/k-sen-kensyu-ichiran.html )

先週末は、在宅医学会の「プログラム交流会」が東大医学部付属病院で開催されました。当科からは、プログラムコーディネーターとして外山と、当プログラムからの専門医取得者第一号である、当科OGの新森加奈子先生(現北里大学医学部総合診療医学)が参加してきました。

在宅医学会の専門医プログラムの大きな特徴は、「ポートフォリオ基盤型学習」が採用されている点です。ポートフォリオ基盤型学習とは、”学習者が在宅医療の断片的な経験を積み重ねていくという偶発的経験の蓄積に依拠するのではなく、学習者が自らの意思に基づいて、研修すべき内容の全体(在宅医に必要なスキルとマインドなど)をおさえ、「何のために何をやりとげたいか」「この研修で何を獲得したいのか」という自らの目標を定め、自らの意思で前向き(prospective)に学ぶことを援助する学習方法(在宅医学会HPより)”です。

これだけでは伝わりにくいかもしれませんが笑、これは非常に効果的な成人学習の手法なのです。しかし日本ではまだ一般的とはいえず、指導者からも研修者からも、「どのように行えばいいのかわからない」、との声を多く聞きます。そこで今回のプログラム交流会では、当院での実例を紹介しつつ、ポートフォリオに基づいた指導・作成の実践的な方法についてレクチャーを行い、その後グループディスカッションを行いました。

全国各地から集まった指導医・研修医の先生方と議論する中で、まだ発展途上である在宅医療の教育研修システムの課題なども浮き彫りとなり、よい刺激をうけることができました。今後も在宅医療の教育研修にとりくみ、在宅医療の質向上を目指していきたいとの思いを新たにした一日でした。

ご興味のある方、一緒にやりませんか?


メディカルトリビューンにプライマリケア連合学会での発表内容が掲載されました

2015-07-31 00:56:22 | 学会活動

 7/23発行のメディカルトリビューンという医学新聞に、先日今永が第6回プライマリケア連合学会で発表した内容が掲載されました。

「介護施設入所者の緊急入院のリスク 因子は慢性心不全,褥瘡,体重減少」という表題で、発表した内容を記事にしていただきました。10万の読者がいる医学新聞なだけに光栄なことです。第6回プライマリケア連合学会の日野原賞演題の中から、今永の演題と日野原賞をとった演題の2つが掲載されています。

まだまだ課題も多い発表内容ではありますが、今回このようにとりあげていただき、臨床に軸をおきながらも、今後も各自の研究をがんばっていこうという気持ちになりました。

 

 

 


第6回プライマリケア連合学会に参加してきました!

2015-06-15 22:24:49 | 学会活動
 先週末は第6回プライマリケア連合学会に参加してきました。総合診療医が新たな専門医制度として導入されるなか、注目されてきている学会でもあります。
 今回は、今永と田中(現川崎市立井田病院)が発表しました。恐れ多いことに、今永の発表は、日野原賞という賞にノミネートされました。日野原賞は、「これからのプライマリ・ケア領域の研究の発展を担う、次世代の若手研究者(40 歳未満)を奨励することを目的として、最も質の高い臨床研究を実施し、発表した方を表彰」するという学会賞の1つです(学会ホームページより)。今回、1次審査(抄録)で7題の候補が選ばれ、2次審査(口演発表)で2題が日野原賞に選ばれました。「介護老人福祉施設において緊急入院のリスク因子は何か?」というテーマで発表させていただきました。残念ながら、日野原賞をとることはできませんでしたが、数多くの演題の中から、7題の中に選ばれたことは光栄なことですし、非常にいい経験となりました。フロアとのやりとりも非常に勉強になりましたし、緊張はしたものの楽しみながら行うことができました。質問者の方々に感謝です。今後も、臨床を主軸にしながらも臨床研究を地道に行っていきたいなと自分の気持ちを再確認しました。
 田中先生の発表は、当院の訪問診療患者における、男性介護者の介護状況をしらべたものでした。非常に興味をもっているようで、男性介護者について、いろいろな文献や本を読んでいるようでした。
 シンポジウムもいくつか参加しましたが、 「生命の危機に直面した患者・家族と“いのちの終わり”に関する話し合いを始める」というアドバンス・ケア・プランニングについてのシンポジウムは、概念的な部分だけではなく、実践的な部分も多く、非常に勉強になりました。
 今後も学会活動などを通して、様々な刺激を受けていきたいなと感じた2日間でした。


第17回日本在宅医学会に行ってきました!

2015-04-26 22:01:17 | 学会活動
今週末は、第17回日本在宅医学会に行ってきました。場所は盛岡です。盛岡市内からは雪がまだ残っている雄大な岩手山が見えました。
当科からは、以下のような演題で発表を行いました。

今永:「在宅がん終末期患者において、コルチコステロイド投与による経口摂取量の改善の有無は予後予測に有用である」(1P-160)
   「臨死期であることの判断を困難にしている点は何か?~訪問医の視点から~」(1P-109)
外山:「在宅がん患者終末期患者の療養室設定の関する因子についての検討」(1P-5)
新森(現・北里大学):「在宅患者へ吸引を行うカテーテルを複数回使用から単回使用へ変更すると、家族の“カテーテルが清潔か否かの不安感”は減るが、“カテーテルを廃棄する負担感”が生じる」(1P-35) (新森先生が東埼玉在籍中に行った研究の発表です)

外山先生は、一級建築士のキャリアがあり、そのような視点から研究を続けています。今後にさらに期待です!
それぞれの研究の抄録は第17回日本在宅医学会のホームページから見られるので興味のある方はぜひみてください。探しやすいように、演題の番号を、上記の演題名のあとに入れておきますね。(http://www.mhcclinic.jp/zt/syouroku.html)

写真は、外山先生の発表風景です!