在宅や施設での臨床を行うなかでは、終末期の方に関わることも多く、そのなかで患者さんの臨終に立ち会う機会も多くあります。今回は「臨終」の時にどのように振る舞うか?というテーマで書きたいと思います。予測通りあまり明確なものはないのですが、参考になる部分もあるかと思い、調べたことを載せさせていただきたいと思います。
<「臨終」の時にどのように振る舞うか?>
新城ら(2010年:J-HOPE Study):ホスピスで亡くなった遺族492名へのアンケート
「つらさ」と関連:「医療者の思慮のない会話を避ける」(OR:3.90)
「改善の必要性」:「家族が十分悲嘆できる時間確保」(OR:0.67)
高田(1990年:死亡直前後に関する看護師調査から):90名のNs(公立病院と開業医に勤務)にアンケート
★医師が臨終を告げた直後家族の態度・言葉:「哀号」、「呆然自失」、「ケアへの感謝」、「冷静沈着」、「連絡」、「抗議」
★臨終時の言葉 Nsが家族に:「悔やみ」、「家族に対する労のねぎらい」、「無言(黙って頭を下げる)」、「遺体との別離」・・・
★死後処置の際の言葉 Nsが家族に:「家族に対する労のねぎらい」、「遺体をほめたたえる」、「忍ぶ話題」 、「悔やみ」 ・・・
★電話で「息をひきとった」報告をうけてから、訪問するまでのタイムラグがある
★家族が行わなければならない事務的なことが多い(連絡)
★家族にとっては文字通り「ホーム」
子どもやペットの存在
ちなみに、小・中学生においては、死別経験が子どもの死後観に影響を与え、死についての理解の深まりや広まりが形成されることが明らかになっている(仲村,発達心理学研究 1994)」
個人的には、在宅での看取りを知ってから、病棟での看取りの仕方も変わったように思います。いかに、家族や患者さんのための看取りの場とするかというのを意識するようになったかと思います、看取りの時だけではなく、臨死期に家族にどのように関わっていただくか(たとえば病院でも家族が何かしらの役割意識が持てるようにとか・・)の意識も変わったように感じています。調べた文献でもあったように、とりあえずは思慮のないような会話を行わないことは医療者として最低限必要なことだろうなと思います。