どれも、PCセッティングでの妥当性の検証はされておらず、さらなる検討必要と。
(Maas EATら,BMJ Support Palliat Care 2013)
①腎不全患者における1年後生存:感度66.7%・特異度77.9%(多職種で判断)
(Fevi Kら,BMJ Support Palliat Care 2015)
②透析患者における半年後生存:多変量解析で、HR:2.71(腎内医が判断)
(Cohen LMら,Clim J Am Soc Nephrol 2010)
★がんについて
①進行がん(StageⅣ) 1年後の生存:42名のGP患者231例の患者を対象とした前向きコホート。感度69.3%・特異度83.6%(GPが判断)
②短期間(7日・30日)の予後:PCU・PCT・在宅緩和ケアの患者2361例を対象とした前向きコホート。 (Hamanoら,Oncologist 2015)
7日後生存⇒感度84.7・特異度68.0%
30日後生存⇒感度95.6%・特異度37.0%
★高齢者について
12名のGPに対して、予後1年以内の可能性があるとGPが考えた80歳以上の非がん22例について半構造化面接を行った。ACPを行う際に、 Surprise questionを使用していなかった。その理由は判断が主観的な面が大きいことであった。(Elliot Mら, BMJ Support Palliat Care 2014)
Surprise questionに関して、がんではある程度の有用性があるかもしれないが、それ以外ではまだまだ検証不十分か・・・?
①Schonfeldらの報告(Am J Hosp Palliat Care 2012)
合併症を複数もつ高齢者とその家族に終末期ケアの話しを導入する臨床医の経験について、フォーカスグループ(4つ)を行い、質的に分析。
⇒3つのテーマ(1)単一の明らかな終末期の病気(がん)をもつ患者・家族とEOLの話をするよりも、合併症を複数もつ高齢者・家族と話す方が困難 (2)EOLの話をはじめるときに、臨床医はこれらの議論を促進する身体的・社会的なサインに依存していた。また、合併症を複数もつ高齢者・家族と話すことが困難な理由は、はっきりしたきっかけがないことやそれらの話を促進することがないことであった。 (3)EOLをはじめる3つのアプローチ(direct,indirect,collaborative)
②Claessen SJらの報告(BMC Fam Pract 2013)
GPがどのように緩和ケアが必要な患者を判断しているか?20名のオランダGPへインタビュー行い、質的に分析。⇒GPはいくつかのシグナルのコンビネーションにより判断していた。シグナルはしばしばわかりづらいもので、患者からのシグナル(ケアへの依存の増加や回復が乏しい)・家族からや専門職からのシグナルである。COPDや超高齢者などは、がんのように治療と緩和のphaseの区別がつきやすいものと比較して、緩和ケアの必要性について認識するのが困難。(緩徐に認識)
このような結果もみると、やはりACPを行うタイミングというのは、明確なものはなく、特に非がんにおいて難しいのだなと感じました。「言わずもがな」といった文化がある日本ではさらに、個々の患者さんによってはACPを行うべきなのかどうかといった議論もあるのかもしれません。まだ自分のなかで考えがまとまっていない部分が多いテーマだなあと今回あらためて調べたり、考えたりして感じました。