先週、第3回南埼玉郡市医師会在宅医療研究会に参加しました。世話人会にも参加させていただいている会であり、個人的には1回目から関わらせていただいていて、会の運営も含めていろいろと勉強させていただいています。今回は、自分の発表や座長がなかったため、気楽に講演を聞き、勉強させていただきました。
今回は、埼玉県立がんセンター緩和ケア科科長の余宮先生をお招きし、疼痛に対するオピオイドの使用方法を中心にご講演いただきました。個人的には、疼痛のコントロールが不良ではあるが眠気もあるような状況のときに、違うオピオイドを少し併用することで疼痛緩和がはかれるというお話しが興味深かったです。教科書的な処方からは少し離れるのかなと思っていたのですが、実際の臨床ではあるオピオイドを使用しているところに違うオピオイドを少し加えたりすることで(すべてローテーションするのではなく)、疼痛コントロールがうまくいくことがあるのを経験していたので、緩和の先生でもそのような使い方をするんだなと聞いて安心しました。その点については、あとで少し文献的にもしらべてみました。
Fallon MTらのシステマティック・レビュー(Palliat Med 2011)
オピオイドの併用療法は、日常診療では使用されているが、WHOの疼痛ラダーでは示されておらず、現在のエビデンスをシステマティック・レビューで検証したもの⇒2つしか基準に該当するような文献は認めず、モルヒネとオキシコドンorフェンタニルの併用を検証したものであった(grade C/Dのエビデンス)。オピオイドの併用に関して現時点での推奨は弱く、RCTでの検証が必要であろうという結論でした。
まだまだ、十分な検証はされていないのですね。でも、エキスパートオピニオンとして、ある程度実地の臨床では行われているものであると今回わかったのは収穫でした。