村上ら(Palliative care research 2012):患者の訴え以外に医師が痛みの評価で重視している項目⇒「家族・介護者の意見」が88%程度(患者の「表情」の次に多い)
MacMillanら(Cancer Nurs 2003):疼痛・呼吸苦・便秘ともに家族のほうが(本人よりも)症状が重いと判断
Debraら(J Pain Symptom Manage 2008):Caregiver Pain Medicine Questionnaire(CPMQ)において、最も同意された内容:「鎮痛薬を投与する時に何か間違えないかが怖い」 最も同意されなかった内容:「鎮痛薬による副作用より、痛みを我慢してもらったほうが容易だ」
Anitaら(Journal of Palliative care 2010):「過去の経験に基づく」、「プランを戦略化する」、「疼痛に対処するよう努める」、「最もよい状況を模索する」の4つのカテゴリー (詳細下記)
24家族への半構造化面接をグラウンデッド・セオリー・アプローチで分析した質的研究
★「過去の経験に基づく」
疼痛管理の以下のパズルの背景を与えている
★「プランを戦略化する」
“責任性を認識する”
“疼痛管理の関係性を確立する”(Ptとヘルスケアチーム)
“疼痛や疼痛管理に対する情報を探索する”
専門職からの情報不十分:役に立たない(副作用の情報重要)
家族・友人・ネット・本など複数のものから入手
★「疼痛に対して対処するよう努める」
“疼痛の特徴を決定すること”
言語的:寛解・増悪因子 非言語的:様子、表情、ムードなど
“疼痛解放への戦略を行う” まず、薬物療法 でも薬だけではだめ
薬以外⇒「気を散らす」、マッサージ、ポジショニングなど(強くない痛みに)
★「最もよい状況を模索する」 パズルのはてはめ
個別化が当然重要であるのは前提ですが、家族は症状を重く見積もりがちなのかもしれません。その背景には、疼痛があることに対して家族としてうまく対処できているか、また間違いなくうまくできるかといった不安もあるのでしょう。家族がそのような不安を持ちながら疼痛の評価や管理を行っていること・様々な模索をしながら対処していることをまず理解することが重要なのかなと感じます。そのうえで、薬物療法以外の対処方法などもきちんと指導していくことが重要なのでしょうね。