歓楽街の本格派。深夜に啜る久留米ラーメンで恍惚
東武スカイツリー線とJR武蔵野線が交わる交通の要衝・南越谷。東口、武蔵野線のガード沿いには大衆酒場やキャバクラ、中国系マッサージなどが密集し繁華街を形成。東武線は「新越谷駅」、JRは「南越谷駅」と、それぞれ駅名が違うので、もし「シンコシ」と略す人がいたら、おそらく東武線ユーザーだろう。
繁華街の外れに深夜まで営業する「久留米ラーメン」の店がある。麻布十番を始め、関東近郊に支店を数店舗持つ「福ヤ」だ。店舗を運営するのは、ホテルや外食などを手掛ける株式会社アルカサバ。豚骨スープのようにギラギラした社長が久留米の出身のため始めたラーメン屋だそうだ。
店舗からは大手資本の臭いもするが、それを凌駕する豚骨臭を放つ、なかなかの本格派である。創業の際に久留米の人気店「大栄ラーメン」から分けてもらったというスープに、別の釜でとった新しいスープを毎日継ぎ足しながら使う「呼び戻し製法」を採用。飲み口はすっきりしているが、軽すぎずコクのある仕上がり。
スープに浮かぶクルトン状のモノは、久留米ラーメンの名物「カリカリ」だ。手作りラードを作る際に出来る副産物、いわばラードの揚げ玉である。市販のラードを使う店が増える中、カリカリを用意しているあたりは、結構本格的。シンコシで呑んだ後のシメはこちらで決まりか。
<店舗データ>
【店名】 福ヤ 南越谷店
【住所】 埼玉県越谷市南越谷1-17-8
【最寄】 東武スカイツリー線「新越谷駅」徒歩3分