名店出身店主の上々な鴨清湯
都営浅草線・大江戸線の蔵前駅から徒歩4分ほど。国際通りと春日通りがクロスする寿3丁目交差点そばに2020年6月7日にオープンした「麺屋 上々」へ。ご主人は本郷三丁目「麺屋 ねむ瑠」や錦糸町「真鯛らーめん麺魚」での修業を重ねて独立。名店出身のご主人が作る一杯、早くも評判は上々である。
気になる麺メニューだが、季節によって鶏、豚、鴨、牛、羊といった動物系をアレンジし、そこに煮干を合わせたラーメンを提供していく方針とのこと。訪問時、麺メニューは清湯ラーメンの「鴨塩」と「鴨醤油」の2種に加え「鴨油そば」「いくらのせ油そば」もラインナップ。追加で味玉、海苔、チャーシューをトッピング可能である。
またサイドメニューには、白飯に煮干しバターを乗せ鰹風味の土佐醤油をかけて頂く「鴨ニボバターご飯」、ラーメンの残ったスープをかけて食べる「鴨雑炊丼」、そして味付きで具を乗せた替え玉「追い玉」が用意されている。今回は「鴨塩」の特製(1150円)に「鴨雑炊丼(200円)」を付けてオーダーすることに。
薄濁りのスープは、鴨や数種類の煮干・節などから煮出した清湯に、円やかな味の塩ダレを重ねている。鴨は出すぎず、様々な出汁の風味が混ざり合う旨いスープだ。そこに、菅野製麺製のパツっとした食感の中細ストレートを合わせている。出汁の旨味で食わせる構成だ。そこに、皮目に焼色の付いた柔らかな鴨肉が5枚。
嫌な臭みはなく、味付けが控え目なので肉の旨味をストレートに感じられる。味玉はアッサリした味付けで、黄身がホクホクで旨い。ほか大判の海苔5枚、白髪ネギ、小口ネギ、柚子、黒ナルトが乗る。また、卓上の調味料も、ねむ瑠ゆずりの「山椒ピュアオリーブオイル」、ローリエを漬け込んだ穀物酢、土佐醤油と拘っている。
オリーブオイルをスープに垂らせば、山椒の清涼感がフワッと丼に広がる。穀物酢は味に深みを与えてくれる。あっという間に麺を平らげ、残ったスープは鴨雑炊丼へ。ここで土佐醤油をひと垂らし。更に柚子胡椒やワサビを加えれば極上の雑炊に。なお、お店はこれから新メニュー続々投入するとのこと。新作が楽しみだ。
<店舗データ>
【店名】 麺屋 上々
【住所】 東京都台東区蔵前3-17-3
【最寄】 都営浅草線「蔵前駅」徒歩4分