横浜市都筑区耳鼻咽喉科

南山田(センター北と北山田の間)の耳鼻咽喉科院長のブログ。

好酸球性副鼻腔炎について、私にできること

2011-07-24 13:45:26 | 院長ブログ

スウェーデンでは、たくさんの副鼻腔炎粘膜の組織を見て、炎症性細胞と上皮細胞についての基礎的な仕事をし、帰国後は慈恵医大で内視鏡手術の臨床的な研究を行うと同時に、スウェーデンでの仕事の続きを行いました。開業前の数年間は喘息の治療で有名な、小児科の馬場先生やアレルギー科の佐野先生がいらっしゃった同愛記念病院で、喘息を合併した副鼻腔炎の患者さんの治療を行いました。

今、振り返ると、私にとって1990年代は、はじめから意図していたわけではないのですが、好酸球性副鼻腔炎の研究と治療の10年間でした。

好酸球性副鼻腔炎の仕事は、私よりずっと優秀な後輩たちに託して、2001年に子供の多いニュータウンで開業し、この10年間は、小児の中耳炎と副鼻腔炎の治療に力を入れてきました。好酸球性副鼻腔炎については、成人の病気ですし、開業してからはあまりその患者さんを診ることもなくなり、私の役目は終わったように思っていました。

しかし先日、製薬会社のMRさんたちの勉強会でお話するための準備をしていて、昔の仕事を思い出し、また同時にブログの記事にみやびさんという、この病気の患者さんからコメントをいただき、まだ私にできることが残っていることに気がつきました。

考えてみると開業してからも、昔手術をした患者さんが数人ですが、わざわざ遠くから来てくれています。また、他の病院でどうしても治らないという重症の副鼻腔炎の患者さんがみえて、鼻ポリープの様子だけでもだいたいこの病気だと見当がつきますので、ステロイドを少し飲んでいただくと、鼻ポリープが小さくなって、何年ぶりかで楽になったと言われたことがあります。さらに、うちに通院しているアスピリン喘息の患者さんに、内科の先生がかぜ薬を処方して、発作を起こさせてしまったということも経験しました。

まだまだこの病気については、一般の方はもちろん、医師でも知らない人が多いのです。できるだけ多くの方にこの病気について知っていただくことは、大切なことです。あらゆる機会を使って、この病気について知識を広めていくことは、開業医である私にもできることです。

好酸球性副鼻腔炎のブログを、別に開設しました。

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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
好酸球性副鼻腔炎 (みやび)
2011-07-24 17:37:41
こんにちは。慢性副鼻腔炎とアスピリン喘息の患者として感謝の気持ちで
いっぱいです。ありがとうございます。
先日の記事の内容を伝えた私の鼻ポリープ仲間も、「取り組んでくださって
いる先生がいることを知って、嬉しくなりました! 」と言っていました。
これからもどうぞよろしくお願いします。
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Unknown (himawaritomte)
2011-07-24 18:22:06
一開業医にできることは少ないかも知れませんが、できるだけやってみます。
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Unknown (あざみ野棒屋)
2011-07-24 19:39:50
開業医が得意とするのは医療であって医学の発展に寄与するのは勤務医、でしょうが、先生がやろうとしていることに親近感を覚えます。
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Unknown (himawaritomte)
2011-07-24 21:40:15
棒屋先生にそう言っていただけると、とても励みになります。
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ある掲示板です。 (アスピリン患者)
2011-07-26 20:12:47
いきなりでごめんなさい。
以下、ある医療系の掲示板です。

アスピリン喘息患者が妊娠した場合について 投稿者:なお 投稿日:2011/05/11(Wed) 09:29 No.45052
はじめまして。
19歳からアスピリン喘息にかかり市販の風邪薬やアセトアミノフェン、全身麻酔の覚醒時にも喘息発作を起こしたことがあります。妊娠をしたのですが、もし帝王切開になった場合、手術はどのような方法がありますか?あとアスピリン喘息患者でも使える痛み止め等はありますでしょうか? 心配でしょうがないです。お忙しいと思いますがどうぞよろしくお願いします。



Re: アスピリン喘息患者が妊娠した場合について 投稿者:院長 投稿日:2011/05/14(Sat) 01:14 No.45129
帝王切開は脊椎麻酔なので、喘息既往がある方でもそんなにリスクはありません。
痛み止めもボルタレンの座薬などを手術後に使用する事は可能でしょう。
では、ご参考にして下さい。

先生、頑張ってください。

アスピリン喘息患者を救ってください。



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Unknown (himawaritomte)
2011-07-27 00:55:27
私には救うなどというような、大それたことはできませんが、少しでも役に立てればと、願っています。
私がいた同愛記念病院では、アスピリン喘息の方に限らず、すべての喘息の患者さんに、術後疼痛時はペンタゾシンの点滴とし、解熱鎮痛剤(NSAIDs)は使わないようにしています。
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