映画レ・ミゼラブルを見てきました。数年前、アカデミー賞授賞式をテレビで見ていたら、司会を務めたていたヒュー・ジャックマンが、客席にいたアン・ハサウェイをステージに引っ張り出し、突然ふたりで歌って踊ってミュージカルが始まって、歌と踊りのうまさにびっくりしたことがあります。映画で歌ったことなど見たことがなかったので知らなかったのですが、実は舞台ではミュージカルの経験が豊富なふたりなのでした。
そのことがあったので、ふたりが主演するこのミュージカル映画には、ある程度の期待はしていたのですが、期待をはるかに上回る見事さでした。この映画では、通常のミュージカル映画のように歌だけ別に録音することをせず、撮影の現場で”生歌”として歌われます。難しい挑戦だったと思いますが、それも大成功でした。
1993年6月、フィラデルフィアの学会に演題を出して、夏休みは取らないことを条件に学会のあと4日ほど休みをもらい、ニューヨークにも2泊しました。このとき現地でチケットを手に入れることができ、ブロードウェイで1987年からロングランを続けていたレ・ミゼラブルを見ました。今回の映画の完成度は、そのとき見た舞台のレ・ミゼラブルを、遥かに凌駕しています。
先日発表されたゴールデングローブ賞のノミネートにも、作品賞、主演男優賞、助演女優賞にあがっています。アン・ハサウェイは確かに登場する時間は短いですが、助演ではなく主演女優賞でもよいと思います。それぐらい見事な歌と存在感でした。今年の彼女はダークナイトのキャットウーマンもありましたが、キャリアの中の特別な年になったのではないでしょうか。
この映画の一般公開は、日本が世界に先駆けているようです。アメリカでは12月25日から、イギリスでは1月11日からだそうで、まだ公開されていませんが、アカデミー賞の有力な候補にもなるでしょう。私にとっても、今年最後に見たこの映画が、今年のベスト1かも知れません。