眼振というのは、めまいの時に起きる眼球の異常な動きで、これによってめまいの診断のために必要なことが、いろいろ分かります。眼振は何も見ていないときの方がはっきり出ますので、暗闇で見た方が診断をしやすいのです。しかし、暗闇では目の動きも見えません。そこで、目隠しをして暗闇の状態をつくり、赤外線カメラでそれを観察したり記録したりする装置が、必要となります。
従来、当院は圧倒的に小児の患者さんが多く、めまいの患者さんは多くありませんでした。それでこの装置もあまり必要でなかったのですが、震災以来めまいを訴える方が、とても多くなっています。地震酔いと呼んだりしますが、脳が異常を関知する働きが、必要以上に敏感になっているだけの方が多いようです。そうであれば、治療も必要ありません。しかし、中には治療を要する病気の方も混じっています。
そこで昨日からこの装置を導入しました。これによって、めまいの患者さんの診断を、より正確に行うことができるようになります。