東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)の汚染水を浄化処理した後の水の海洋放出計画を巡り、政府は24日にも放出を開始するとのこと。
このことについて、問題は数々あるがいくつかかいつまんでみるとこうか。
〇「汚染水を浄化した処理水は、漁業者や国民の理解がないまま放出はしない」と、政府と東電が県漁連と約束したが、政府はこの約束を破った。
〇メルトダウンを起こした福島原発から放出されるALPS処理水(汚染水)と通常運転の原発から放出される排水(処理水)とはまったく性質が異なるのに、政府はあくまでもこの「汚染水」を処理水と矮小化して国民を欺している(しかし世界は騙されておらず危機感を持っている。)
〇全漁連との面会で岸田首相は「漁業者が安心してなりわいを継続できるよう、たとえ数十年にわたろうとも全責任をもって対応することを約束する」と強調したが、責任を持つとは言っていない。いや、岸田はこれまで聞かない力を発揮してばっかで、長男を秘書官にしたことやマイナカードの問題などまったく責任は取ったことがない。
〇「風評被害」というが、風評とは「世間であれこれとりざたすること」であって、当事者がどうのこうのコントロールできるものではない、抑えることは政府にできるわけがない。
〇しかし「風評」どころか、この汚染水による実被害はまったく予測がつかない。もし実被害が甚大であっても、一度放出してしまったらどうすることもできない。汚染された海水は海底の砂などは回収できない。その実被害の拡散についても予測がつかない。誰も責任が取れない。
〇けっきょくは、「放出ありき」の政府方針を既成事実化し、国内の関係先への十分な説明を後回しにし、「聞いているふり」でしかなかった。
政府や東京電力はこの汚染水を多核種除去設備(ALPS)で処理しており、海洋放出される処理水にはトリチウム以外は含まれていないので安全だとしている。
また、トリチウムは海外の原発、国内の原発でも海洋放出しているので安全だといっている。
しかし、通常運転している原発から放出される排水とメルトダウンを起こした福島原発から放出されるALPS処理水はまったく性質が異なる。
ALPS処理で除去できないのはトリチウムだけではなく、セシウム137やセシウム135、ストロンチウム90、ヨウ素131やヨウ素129など12の核種は除去できていない。
ALPSでも処理できない核種のうち、11核種は通常の原発排水には含まれない核種で、それは、通常の原発では燃料棒は被膜管に覆われ、冷却水が直接燃料棒に触れることはない。
だが、福島第一原発では、溶け落ちて固まったむき出しの核燃料デブリに直接触れた放射能汚染水が発生しており、危険性は通常の原発排水どころではない。
2018年にはALPSで処理したにもかかわらずセシウム137、ストロンチウム90、ヨウ素131などトリチウム以外の放射性核種が検出限界値をこえて発見された。
汚染水を放出する以前でも以下の報道があった。
◆東京電力福島第1原発の港湾内で2023年5月に捕獲されたクロソイから、食品衛生法が定める基準値(1キロ当たり100ベクレル)の180倍となる1万8000ベクレルの放射性セシウムが検出された。
◆福島県漁連は2023年2月7日、同日朝にいわき市内で水揚げしたスズキから、1キロあたり85・5ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表。国の基準は同100ベクレルだが、県漁連の自主基準の同50ベクレルを超えたため、県漁連はこの日県内で揚がったスズキをすべて回収し、安全性が確認されるまで出荷を自粛する。
東京電力や政府が「安全だ」と強調するが、隠ぺいと改ざんの東電の言うこと、いまだに原発の安全神話と利権にどっぷり浸かった自民党政権のいうことを鵜吞みにできるわけがない。
もっとも優先して考慮すべきは太平洋の沿岸に住む人々の暮らしと健康、そして広い海全体の環境への影響のはずだ。
本来なら、陸上で長期保管し、並行してトリチウムを含む放射性核種の分離・回収技術を開発・適用することが最善のはずだが、東電も政府も、そうはしない。
原発処理水「飲めるんじゃないですか、普通」 麻生氏 朝日新聞デジタル2021年4月16日 19時08分
麻生太郎財務相、まだ飲んでくれてないですよね。
安全なら、自民党本部(東京都千代田区永田町1丁目11−23)と東京電力本社(東京都千代田区内幸町1丁目1番3号)で、この処理水(汚染水です)を積極的に飲料水でも何でも良いから、活用して安全性を証明してから、放出して欲しい。
ところでこれは8月1日のテレ朝のニュースだが…⤵
夏に予定されている福島第一原発の処理水の海洋放出を巡る風評被害の払拭に向け、自民党のサーフィン議連が地元のサーファーらと意見交換し、処理水の安全性について再確認しました。
処理水の放出を巡っては、福島の漁業関係者から反対する声が上がっていますが、9月に南相馬市の海岸で復興支援を兼ねたサーフィンのイベントが開かれる予定です。
自民党サーフィン議連 小泉進次郎幹事長:「このイベントも盛り上げていけるように、サーフィン議連としても後押しをしていきたいと思います」
福島県サーフィン連盟の室原理事長は、「科学的根拠で立証されている」として、処理水の安全性を強調しました。
その復興支援を兼ねたサーフィンのイベントとは、東京電力福島第一原発から北へ30㎞のところにある福島県南相馬市の北泉海岸で、9月16日(土)~9月18日(月)に開催される「Kitaizumi Surf Festival 2023福島復興支援ビーチイベント@南相馬」のこと。
エキシビションでは海外からジェレミー・フローレスらサーフィン界のレジェンドや元世界チャンピオンを特別に招待するとのことだが、大丈夫か…。
だいたい、自民党サーフィン議員連盟幹事長のセクシー小泉進次郎がイベントアンバサダーだというからな…。
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