よしーの世界

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新編 あの戦争を伝えたい   東京新聞社会部[編]

2022-10-04 06:26:44 | 
私は両親から戦争当時の悲惨さ、生活の厳しさを子供の頃に聞かされて育ちましたが、本書の凄惨を極

める状況までは知ることが無く。やはり当時の両親の年齢(父親は招集される前に終戦)と住んでいた

地域によって、体験には大きな差がある事を実感しました。特に日本本土への攻撃の時間稼ぎの為に犠

牲になった沖縄は悲惨で、集団自決という選択は余りにも酷い。


様々な本を読み、当時の記述に「捕虜になるくらいなら死ね」と指示しながら、一部幹部は生き残り、

戦後も悠々と暮らしている実態があった。彼らは全く無責任で、これが現代日本に引き継がれている。


原爆も東京大空襲を始め、日本の各大都市への空襲もアメリカ人の人種差別の表れだと思う。原爆投下

は見せしめも含めた壮大な実験で、母親が実体験した田舎の田んぼ道での一般市民に対する機銃掃射も

同じ感覚だろう。


それにしても特攻などという、無謀かつ無駄死にの戦術を考えたのは誰だろう。人一人死んでしまえば

単純に戦力ダウンではないか。ただ、そういう死に方を見せつけて、異様な精神の高揚はあったという

話は聞いた。異常な集団興奮状態に持っていきたかったのだろう。


日本人は冷静に論理的な議論をすることが大の苦手だ。今から当時の戦争を振り返ると戦術に全く意味

がない物が驚くほど多い。今の政治家には本書を読んでリアルな戦争を、もう一度改めて思い知ってほ

しい。


   新編 あの戦争を伝えたい   東京新聞社会部[編]        岩波現代文庫
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