よしーの世界

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エロティック日本史   下川耿史

2022-10-30 08:31:12 | 
ちょっと軽いタイトルだなぁ、とは思いながら購入した本ですが、日本人とエロとの関係は世界的にも知ら

れていて、例えば大英博物館で開催された2013年10月から2014年1月「大春画展」は普段常設展無料が、当

時7ポンド(約1300円)の入場料を徴収し、さらに大英博物館の歴史で初めての「16才未満は保護者同伴」

という年齢制限を設けた。それでも会場は多くの入場者でごった返し、入場制限がかかる盛況ぶりだった。

しかも9万人に迫る入場者数の約6割が女性だった、という。


ただ本書を読んでいて、古代から江戸時代に関しての記述は古い文献の読み下しで、既出のモノも多く、著

者の推測に過ぎない気がする個所もある。ある程度歴史に関心があって、関連本を読んでいる人には物足り

なく感じられるかもしれない。


俄然面白くなってくるのは明治以降の近代に関しての記述で、1859年に横浜・港崎(みよざき)遊郭から始

まる話や、混浴に対して憤るペリーと、これを礼賛する外国人知日派の話、春画・エロ本取り締まり令(こ

の時に世界的に評価が高い春画が大量に海外に流出した)、さらに第4話・盆踊り禁止と庶民の反発の章は

非常に興味深い。「おわりに」に著者は太平洋戦争後のエピソードだけを振り返るつもりだった、と書いて

いた。次は戦後のエピソードを中心とした著者の本を読みたい。


   エロティック日本史   下川耿史            GS幻冬舎新書
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