よしーの世界

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自然保護を問いなおす   鬼頭秀一

2022-10-24 06:23:55 | 
地球温暖化による影響で自然災害が世界中で発生するようになり、真夏の異常高温、旱魃、山火事、大型

台風、洪水等々毎年各地から報告が入り、環境問題の議論は絶えない。「自然」そして「共生」とは何か

?十八世紀末には欧米で環境に対する問題提起は始まっていたという。しかし、人それぞれによって自然

に対する見方は違う、例えば都会に住み、偶に自然に触れる人と、過疎地域に住み自然と共に暮らす人で

は自然に対する接し方に大きな違いが出来る。


欧米では人間中心主義ともいえるものが根本にあり、そこから様々な議論が沸き起こった。そして人間中

心主義対非人間中心主義という構図から「共生」へと全体的な関心の重心が移りつつあるという。


本書では実例として「白神山地」の保護問題を取り上げ国、県、その地域に住む人の立場の違いを明確に

していた。詳細な記述の為、長めの文章になっているが、一筋縄ではいかない自然保護運動の実態を解説

してくれている。


自然保護運動では、その地域に元々暮らしていた人だけではなく、遠方から来た所謂「よそ者」が中心に

なって活動している例も多い。単純にその地域に住む人だけの問題ではないのだ。自分が今住む地域の環

境も周囲の人との交流によって知り、積極的に関わっていきたい。


   自然保護を問いなおす   鬼頭秀一        ちくま新書
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