Route 136

国道136号線―セラピストの日記

手作りごぼう茶にはスライサー

2015年05月24日 | 心・体
偶然にも2年前の今日、ごぼう茶の記事をアップしておりました(笑)

『朝一杯のお茶は薬!?』

二年たった今でもほぼ毎朝ごぼう茶を飲んでおります。

ごぼう茶を切らして飲まない日が数日続くと、やはりお顔がボツボツしてくるのです。
そして再び飲み始めると、朝、洗顔して化粧水を塗った瞬間

 お肌がツルツルたまご肌

を実感します。
肌年齢が若いと水をはじくといいますが、まさにそれが顔面で起こっているのです!!

ですので朝一杯のごぼう茶、おススメです。

そして今日改めて投稿したのは、ごぼう茶の作り方で新たにラクに作れる方法を発見したからです。

それはスライサーを使うこと。

100均で日本製のものが売っております。

包丁でスライスしたりササガキにするのは腕力があっても何気に疲れるんですよね

写真のようにこれくらい薄いと一日で乾き、かつその後の炒る時間がかなり短くてすみます。

ちゃんと湿気をとらないとカビてしまいますからね。

その状態でしたら冷蔵庫に入れても長持ちします。

手作りごぼう茶を愛飲されている方、お肌の状態が悪い方、おススメの方法です。

もっと早くに気づけばよかった~

リップクリーム

2015年02月06日 | 心・体
この時期リップクリームが欠かせないのですが、去年あたりからリップクリームを塗ると口の横が割れるようになってしまいました。
口唇炎というらしいです。
はちみつを塗ると一晩で治るのですが、割れて→塗って→治っての繰り返しでは、痛いし、皮膚も黒ずんできてしまうので、良いリップはないかなぁ~と探しておりました。

 低刺激・無添加のものでも、高いものでも、割れる時は割れる…

唯一割れなかったものは

マミーシリーズのリップクリーム

でした

ちなみにハンドクリームも良かったです。
仕事柄ハンドクリームも欠かせないのですが、なかなか納得のいくものがなく…

このクリームはサラッとしているのにそれなりの保湿力があるので、何度も塗り直さなくてもいい感じです。
軽めのパックリでしたら一晩で治りました。
ただ食品成分を使っているとはいえ、シトラスの香りがちょっとキツイかな。

完全にバリア機能が崩れた皮膚、つまり、表皮がボロボロと剥がれていたり、パックリいってしまったお肌にはオイルマッサージで使うオイル(=油脂)ではダメなんですよね。
油脂は皮膚に蓋をするだけで潤いは与えてくれません。
ですので冬の乾燥で粉を吹くようなお肌にいきなりオイルを塗るのではなく、一度化粧水で水分を与えた後にオイルを重ねて塗っていった方が本来ならいいです。
皮脂線が少なく、いろいろな刺激を受けて水分も油分も極度に失ってしまう手の場合、水性油性両方の性質を兼ね備えたクリームが理想です。

マミーシリーズ 巷の薬局にも置いてますし、お手頃ですし、かなりおすすめです

着圧ソックス 実践編

2014年06月14日 | 心・体
アップ大変遅れてしまってすみません

いよいよ実践編なのですが、その前にどのメーカーの着圧ソックスなのかご紹介致します。

カリンピア
スリミティ 着圧ソックス つま先オープン M-L
パッケージはこれ。

   

私のアップが遅くてとりあえず着圧ソックスなら何でもという感じで履かれた方がいらっしゃったようですが、今回の結果が出せたのはカリンピアのこのパッケージのソックスでしたので、同じものをおススメします。
メーカーによって圧力と圧力のかかっている位置が異なります。
いろいろなメーカーを履き比べてみて、カリンピアのものが一番絶妙なバランスだったのです~!
ですが、こればかりは個人差もありますし、履き比べてみないとわからないことなので、どのメーカーのものを履くかは皆さんにお任せします。
選ぶ際のポイントは良きにつけ悪しきにつけ、お身体に変化があったかどうかです。
もし「これだ!」というものが他にありましたら是非教えて下さい♪

カリンピアの着圧ソックスはカナロアでも販売しております。
詳細はカナロアのHPをご参照ください。

販売価格が販売先で異なりますが、その辺は悪しからず。。。

ではいよいよ実践編

■■お身体のチェック■■

すごく簡単ですが一人ではできませんので、パートナーをみつけてやってみて下さい。

その1. 足首と腹筋が連動し、正しく機能しているかのチェックです。

膝をまっすぐにして、肩幅より少し大きめに足を開きます。
その状態でどちらの肩からでもいいのでパートナーに押してもらって下さい。

 a.すぐ後ろへ倒れてしまう
 b.下半身では耐えられるがウエストがひねられたようになる
 c.踏ん張れるけどつま先がうく等
 これを左右ともにチェックします。


次に少し膝を曲げて肩押しをします。
膝の曲げ具合は軽く膝の屈伸運動をしてから自然と膝が曲がる位置で止めます。
上と同じく

 a.すぐ後ろへ倒れてしまう
 b.下半身では耐えられるがウエストがひねられたようになる
 c.踏ん張れるけどつま先がうく等
 を左右ともにチェックします。

a~cのいずれかに当てはまる場合は、(足首の変形による)腹筋力の低下や足首と腹筋の連携ができていないがために腹筋が活用できていない可能性があります。
過回内足等の足首の変形が原因となっていることが多いです。


その2. ふくらはぎの柔軟性と腹筋力のチェックです。

  

一般的なアキレス腱のストレッチのポーズを作ります。

足の歩幅を調節し、アキレス腱というよりふくらはぎが一番伸びる状態をつくります(左図)。
さらにその状態から振り向いて後ろ足のカカトを見れるかどうかチェックします(中央図&右図)。
今度は反対を振り向いてみます(中央図&右図)。

次に足を変えます。右脚が前の状態でしたら次は左脚を前にして同じようにチェックしていきます。

これはふくらはぎのストレッチにもなるのですが

 a.グラグラする
 b.30秒以上キープできない

aとbに当てはまる場合はふくらはぎがかなり硬くなっているか、腹筋力の低下、あるいはメタボの可能性があります。
これも足首と腹筋が上手く連動していない可能性があります。
ふくらはぎに柔軟性がないので、歩き方がかなり?!乱れているかもしれません。
左右にぶれて歩いていたり、姿勢が悪い状態で歩いていたり…

ほとんどの方に左右差がみられました。

以上がお身体のチェックですが、その1, 2をチェックしてみて不安定であれば着圧ソックスを履くことをお勧めします。
実際、ご自身のお身体の状態を観察してみると
 お腹がぷよぷよだったり…
 何かしらの慢性的な症状(肩・首のコリ・腰痛・むくみ・めまい等)
がありませんか?

ではこの着圧ソックスのみを履き、お部屋の中でいいので少し歩きます。
そして「その1」のみ再びチェックします。

さっきより力が入りやすい、つまり安定していると足首が整い、腹筋が上手に活用できている目安になります。

逆にさっきよりさらに不安定になってしまった場合にも、試しに履き続けてみて下さい。
重心が変わることにより、普段使わない筋肉を使ったがために、力が入りにくくなった可能性があります。
履き続けていると筋肉痛がでるかもしれませんが問題ありません。次第に正しい筋肉がついてきて安定した歩行ができるようになります。


ということで、着圧ソックスを履くと、良きにつけ悪しきにつけ、何かしらの変化がでてきます。
履き続けていると腰痛がでてしまう可能性もあります。
ですので反動を防ぐために以下のストレッチを最低限行って下さい。2種類です。
このストレッチをするとしないとではだいぶ結果にも差がでました。
しっかりやっていただいた方のほうが効果が早く現れましたよ~!
これだけなら続けられますよね~

  

下段のストレッチは足指の関節→足首→スネ~股関節を意識して伸ばしてみて下さい。
一つのポーズにだいたい30秒くらいかけます。30秒キープできなかったり、筋肉がつったりしたらそれが解消するまでできれば毎日続けて下さい。

さらにお時間に余裕があればですが、以下のようなストレッチコースも作ってみました。上記のストレッチをクリアーできない方はまず上記のストレッチからスタートします。余裕だ~!という方は是非こちらを。

 正しい歩行のための下半身のストレッチ
 正しい歩行のための足指ストレッチ

上記のストレッチは万人向けに作ってありますので、合う合わないは悪しからず。。。個人のお身体に合ったオリジナルストレッチも検討しております。
有料になっちゃいますけど。
その際はお身体の写真を送っていただくことになります。
お身体の分析とオリジナルDVDを製作したいな、と考えております。
これは産後に開始する予定です。
すみません、只今妊娠9カ月(アラフォーで初産婦です)なので、10月以降かな?
またブログ&カナロアHPにてお知らせ致します。

この着圧ソックスの効果を早く出すためには履いていっぱい歩いて下さい
筋肉を使うことで身体が整っていきます。
日常生活の範囲でも効果は見られましたが、デスクワークの方やあまり足を使われない方はせめて一日15分以上のウォーキングを取り入れていただくことをお勧めします。
このソックスはただ履くだけでは効果は得られません。とにかく重力下で足を使うことがポイントです。あとストレッチもお忘れなく!



■■注意事項■■ ※必ずお読みください!

1. 締めつけが強いため、寝ている時は履かないようにして下さい。あと長時間座りっぱなしの時もおすすめしません。エコノミー症候群のような状態になってしまう可能性があります。
着圧ソックス自体が筋肉の伸縮性を利用して機能するようになっていますので、筋肉の動きがないとただ締め付けているだけになってしまいます。長時間イスに座りっぱなしで履くときは足首や膝を動かして、筋肉に動きをつけるようにして下さい。
理想はやはり立って歩いている時(活動時)に履いていただくことです。履いて動くことで身体が整ってきます。

2.ストレッチをやらないと効果がでない可能性があります。
できるだけストレッチを行って下さい。
上記をご参考に
ストレッチをやる際は、着圧ソックスを履いていても履いていなくてもいいのですが、あまりにも不安定になる方は最初は履いた状態で行った方がいいです。

3.靴下やレギンス、ストッキングと重ね履きする場合は着圧ソックスが常に一番下になるように履いて下さい。靴下を履かれる場合、できれば5本指ソックスか笠原式の3本指ソックスを履かれると足指も整って効果が早まる可能性があります。
ですがもちろん指先は素足の状態でもオーケーです。
私は家の中では冬でもこの状態です。

  

4.締めつけが強くてかぶれてしまった場合は皮膚を優先してしばらく履くのを中止して下さい。お客様で膝下あたりがかぶれてしまった方がいらっしゃいました。

5.きつく感じたら履く時間を短めにして下さい。徐々に時間を増やし馴らしていってください。

6.継続して履いていると重心の変化に伴い、特に運動もしていないのに何かしらの痛みや筋肉痛がでることがあります。重心が整えられていると思ってその変化を観察してみて下さい。痛みが気になるようでしたらストレッチでカバーし、ソックスによる骨格の変化を身体になじませていってあげて下さい。

7.6の理由から定期的なセラピストによるメンテナスを取り入れることもおススメします。お身体の変化を観察してくれる人がいると理想です。

8.ソックスがゆるくなりましたら直ちに買い変えて下さい。腹筋力がつくまで(その1, 2がクリア―できるまで)は履き続けていただくことをお勧めします。

9.健康増進が目的であり、医療行為ではありません。

早い方だと2週間後からお身体に変化がありました。
ブログに掲載されているようにビフォー・アフターの全身写真(前面・背面・左右横ライン)をお撮りいただくことをおススメします。


では最後に着圧ソックスのメカニズムを復習すると…
着圧ソックスが「ゆるくなった足首(≒過回内足)/硬くなった足首(≒過回外足)」をサポート ⇒足首が整う ⇒足首が正しく機能すると腹筋が連動 ⇒腹筋が正しく機能すると腹筋力がアップ
 ⇒筋トレしなくてもお腹がへこんでくる
 ⇒腹筋力がついてくると体幹が安定するので、肩に力が入らなくなり、肩コリもとれてくる。首が守られ自律神経失調症も改善?!

これは推測の域なのですが、腹筋が安定している人は実際身体の不調が少ないのではないかと思います。
だからといって腹筋だけ鍛えるのは効率が悪く、腹筋が正しく働くための環境づくりとしてまず足首を正しい状態にもっていくことが前提条件だと考えます。
この考えが欠如しているので腹筋の筋トレをやってもなかなか成果が現れず、挫折してしまっている方が多いのではないかと思います。
これは裏を返せばそれだけ足首の状態が崩れている方が多いということです。
靴や靴下の影響がありますし、小さい頃から素足で歩いてこなかったので足の筋力の未発達が考えられます。

この着圧ソックスはあくまで身体づくりの「入口」として捉えていただければと思います。

外反母趾も足首に過剰回内が原因という見方もあり、

   
「足についての本当の知識」 水口慶高著より

笠原式のテーピングもいいのですが、ご自身の足が過回内足であれば、まずはこの着圧ソックスからスタート、または併用(最短コース?!)でもいいのではないかと思います。
笠原式のテーピングは自分も1年以上トライし、お客様にもおススメしたのですが
本音を申し上げると
  お風呂が大変
  足の皮がむける
  テーピングをした状態で靴を履くと痛みがでる
  ビジュアル的に。。。
という難点があり、これを気合いで乗り切れる方が私のサロンにはおらず…
足の不調(外反母趾)が生活に支障を来しているレベルではないので、半年以上かけて続けるのが正直難しい。。。というのが実際の感想です。ですがやればやっただけの効果は確かにあます!

私のサロンでは家事・育児・介護・仕事を同時進行されている方が多く、できるところから身体作りに取り組んでいただきたいという思いから、試行錯誤を重ね

 いかにラクに、そしていかに続けられるか―
 いかに効果を実感できるか―
 できるだけ金銭的なご負担がなく、もし挫折されても後悔の残らない方法

を私なりに編み出してみました。
ですのでちょっと自論も入っていますし、小さなサロンでの取り組みなので実験数も正直足りません
もし着圧ソックスを履いて良い結果がでましたら、このブログで共有できたらなと思っております。コメントにメッセージを入れていただけるとうれしいです。

少しでも多くの方々がお身体の問題を解決できますように


        

次回からマタニティライフもアップしていきたいと思っております。
アロマテラピーによるプチ妊活や整体的な観点から捉えた妊婦の身体など…。
9か月に入ったばかりですがまだ仕事はしております。
8月の頭が予定日ですが、7月後半までは大丈夫ではないかと
カナロアのお客様には近々お葉書にてお知らせ致します。

あとは安産あるのみ。
逆子よ、治ってくれ~ぃ



着圧ソックスのメカニズム 後編

2014年04月01日 | 心・体
あるメーカーの着圧ソックスを履いての身体の変化です。





いきなり今回のブログから読まれる方もいらっしゃると思うので、どうしてこのような変化が起こったのかを簡単に説明させていただきます。

足首の状態で腹圧(≒腹筋力)が変化するという身体の仕組みがあり、固定力のある着圧ソックスを履くことで、足首が安定し、腹筋が正しく使えるように。腹筋が機能することで腹筋力がつき、胴の部分(ハラ)が安定。ハラが安定することで肩に余分な力が入らなくなり、肩こりがとれるというものです。

このお客様はその変化が顕著に現れています。
まず横向きの重心の変化を観察してみて下さい。
次に肩の位置の変化です。
肩が下がり、骨盤の位置が変わり、だんだんと腹筋が上手に使えてきているのがお分かりでしょうか。

正面からの写真を見ると肩の左右の高さが均等になり、イカリ肩が自然にスッと下りたような感じになっていて、首もすっきりしてきています。
そして何より、胴が細くなっています

この結果からわかることは、肩コリがあって、一生懸命肩だけをほぐしてもあまり意味がない、ということです。
血流をよくしたければ話しは別ですが、根本から肩コリの原因を取り除くためにはハラの安定性が重要であり、ハラを安定させるためには足首を正しく機能させる必要があるということがわかります。
また、ぷよぷよのお腹をどうにかしたければ、筋トレをやるのではなく、まず足首の状態を見直すことが原因解決につながります。

サッカーの長友選手の動きを見るとハラがとても安定していることがわかります。
他にも高校野球や長距離マラソンなどをテレビで観察していると、ハラの安定している選手はフォームがとてもキレイで最後まで崩れない…、そしてブレない…、足の運びもきれい◎
安定感がある、美しい、ということはただそれだけではなく、高機能の裏返しなのですねきっと。

では足首が正しく機能している、していなって、どんな状態?
と思われる方も多いと思いますので、ひとつの目安として外股・内股があります。
あとは足首を回した時にゆるいか硬いか。これは自分でやるよりも第3者に確認してもらったほうが分かりやすいと思います。
だいたい外股の方は足首が硬くなっていて、内股の方はゆるゆるになっていることが多いです。
これはあくまで傾向で、例外もけっこうあります。
硬くなりすぎ、そしてゆるゆるとした足首は正しく機能していない可能性があります。

皆さんの足はどうですか?

捻挫の経験のある方や足指の形が崩れている方も正しく機能していない可能性大です。

足首はどうしても盲点になりやすいので、肩コリ・首コリのひどい方、腰痛持ちの方、お腹に贅肉がたっぷりの方、運動能力がなかなか上がらない方は今一度足首の状態をチェックしてみて下さい。

ここまででちょっと意味がわからない方、もう少し掘り下げたい方は過去の以下の記事を参考にしてみて下さいね。

 ●着圧ソックスのメカニズム 前編
 ●整いました!
 ●正しい歩き方 Part 2 「ロッカー機能」
 ●正しい歩き方 Part 2 「回内回外運動」
 ●正しい歩き方 Part 2 「アウェアネス」

この着圧ソックスを履くにあたり注意していただきたいのは、ただ履いて終わり、というものではなく、履いたらできるだけ歩いていただくこと、簡単なストレッチをやっていただかなければなりません。
ですが、歩くといっても日常生活の範囲内でも十分で、ストレッチも10分あれば多いくらいというレベルのものです。
上のお客様は通勤は車ですが、社内をちょこちょことよく歩き、物を運びます。ストレッチも毎日やっていたわけでなく、あくまで負担にならない範囲です。最初は出来るだけ続けていただきましたが

介護や子育て、主婦、お仕事を同時進行でされているような方には時間もお金も限られています。
独身者の多い都会とは違って地方にはこのような方が多いです。
本当に大変だな、と思います。
そのような方々のために私なりに考えてみた方法です。

理論をちょこっと理解していただいて、あとは実践。

では解剖学的に着圧ソックスのメカニズムをみていきますね。

正しい歩き方 Part 2 「ロッカー機能」のところで登場した「距骨(距骨)」。
この骨の働きを知ることが理解の第一歩につながります。
この「距骨」という骨は簡単に言ってしまえば、つま先を上げたり下げたり、左右にひねったり(回外・回内)と、足首の動きを自由にさせている骨です。
この骨の特徴は唯一筋肉が付着していないということです。
筋肉が付着していないということは筋肉の影響を受けない、つまり、筋肉を動かしても動かない骨ということになります。

だからこそ筋肉の影響を受ける周囲にある骨達(脛骨・腓骨・踵骨・舟状骨)の間を転がりながらこれらの骨が円滑に動けるように働いています。



 いろいろな方向から見た距骨 「アウェアネス介助論 上巻」澤口祐二著

上の図の下二つの図を見ていただくとわかるのですが、距骨は脛骨と腓骨で作られるソケットの中にあり、足先を下げる時(底屈)には前に滑って転がり、足先を上げる時(屈曲)には後ろに滑って転がるようになっています。
これを以前にも説明したロッカー機能といいます。

 
 「アウェアネス介助論 上巻」澤口祐二著

そしてこの距骨の構造は下図のように上から見ると(脛骨との接する関節面)、前側が広く(太く)、後ろ側が狭く(細く)なっています。


 「アウェアネス介助論 上巻」澤口祐二著

ということは…
前側の太い部分が脛骨と腓骨で作られるソケットの中に入った時は距骨はしっかりと固定され、後ろ側の細い部分がソケットの中に入った時はスペースができるので前後左右に動きやすくなります。
つまりソケットの中を滑って転がれるようになります。

これを足首の動きに当てはめると

 足先を下げた時(底屈)= 距骨は前に滑って転がる = 距骨の後ろ側の狭い(細い)部分が脛骨と腓骨のソケットの中に入る = 上下左右に動きやすくなる

 足先を上げた時(背屈)= 距骨は後ろに滑って転がる = 距骨の前側の広い(太い)部分が脛骨と腓骨のソケットの中に入る = 足首がしっかりと固定され、グラグラしない。

ということになります…
これは見方を変えると

 上下左右に動きやすくなるということは… 固定されていない分、(足首が)ゆるい・グラグラ・不安定

 しっかりと固定されてグラグラしないということは… (足首が)動きが悪い、固まっている

ということになります。

ヒール靴をイメージしてみて下さい。
ヒールはつま先立ちをしている状態ですよね。つまりずっと底屈位のまま。
ということはヒールを履いている時は距骨のはまりがゆるく、足首がグラグラした状態で足を使っていることになります。
そして、足元が不安定の状態で姿勢を保持しなければならないため、筋肉を酷使し、実は身体にとってはとても高度な技術を要するものなのです。高い身体能力が問われます。

筋力がある人ならまだしも、筋力があまりない方、筋力が衰えてきている方が履き続けたら身体に何が起こるか想像してみて下さい。

足首の不安定を肩首で補えばいずれひどい肩コリ、首コリ、頭痛に襲われるでしょう。
足首の不安定をふくらはぎで補えば、ふくらはぎの筋肉が異様に発達し、脚がつりやすくなったり、凝ってむくみやすくなったり、しまいにはこけて捻挫しちゃったり…

モデルさんがあれだけ高いヒールを履きこなすことができるのは、筋肉がちゃんとしているからです。
小さい頃から運動をしっかりやってきて身体づくりができているか、陰で見えない努力をしているかです。

とはいえ、足首がグラグラの状態で使い続けていれば、必ず足首自体にも代償がおきてきます。

たぶん靭帯がゆるゆるになります。
いずれ慢性捻挫のように。
これを過労学的損傷といいます。
特に骨折や捻挫等、ケガをしていないにも関わらず、突然疲労骨折を起こしたり、靭帯が損傷したり… 蓄積による骨格の過労により引き起こされるケガのことです。
前者が急性のケガであれば、後者は慢性のケガです。
建物に震動を与え続けるとヒビが入ったり、きしみ・ゆるみができますよね。
それと一緒です。
足首が捻挫状態に陥り、ある日突然ばっき~ん、ぷち~ん、ということが起こり得ます。
そこまでいかなくても、足元の不安定を身体が補おうとするので特に女性はそれを首で補いますから、女性に自律神経失調症が多いのもそのせいと考えられます。
自律神経失調症になった時にはたいがいの方は「自分て、鬱?」と思われるかもしれません。
そしてヒーリングの世界に走ってしまう方も。
いえいえ、まずヒールをやめて、ちゃんとした骨格をつくりましょう
というのが今の私の考えです。

ですが、この底屈位による足首グラグラの状態はもとは身体にとっては必要な条件なのです。
そこを勘違いしてはいけません。

歩行時、カカトから地面につき、最後に指先に重心が移った時、つま先立ちになりますよね。
グラグラということは別の見方をすれば柔軟に動けるという裏返しなのです。
5本の指に体重がのる時なので、指と連動して足首が絶妙な体勢のコントロールをしているのかもしれません。

ですから「底屈位がキープされることによる足首グラグラのまま」がよくないのです。
ヒールはまさにその状態。
ヒールを履くことを見直してみて下さい。
私もお客様にはギックリ腰やめまいのひどい方など、症状が強く出ている方には、その時だけでもヒールを履くのを止めて下さいとお伝えしています。

女性ならやはりヒールを履きたいので、ヒールを履くなら腹筋を鍛えて下さい、とも。

腹筋が安定すると頚への影響がかなり軽減されるからです。
では腹筋を安定させるためには… 足首を正しい状態にすること、つまりこの着圧ソックスの出番なのです。

そして、このヒールを履いた状態+重心が内側(回内足)で歩き続けたら…?
もっと最悪なことが起こります。

回内位だと足の骨の結束が弱くなり、腹筋に力が入らなくなる、と前回のブログでお伝えしました。
足の骨がゆるゆるの状態で足首の骨のはまりもグラグラ、ということは足首~足の靭帯のゆるみはさらに助長され、慢性捻挫の進行を早め、腹筋が機能しないぶん身体の負担が増え、いろいろな症状が誘発されるでしょう。

足首が異様にゆるい方や足全体が異様にやわらかい方は「そこまで来てしまった足」と考えられます。

つまり過回内足↓

     

X脚がその典型です。
腹筋に力が入らないので、X脚の方、太っている方が多いですよね。
中には太らない方もいらっしゃいますが、身体にかなりの不調を抱えていると思います。

両足なっている方もいれば、片足の方もいます。
靴のすり減り方でチェックできます。
この対処法として、一般的には中敷きのインソールを使い、足の内側を高くして重心を均等にしようとしますが、ゆるゆるになってしまった足首を補強する概念が抜けています。
靴の中敷きに敷くインソールは、靴をはかなければその間過回内足のままですし、過回内足の問題は足首を動かす筋肉にもアプローチしていかないとあまり効果は期待できないのではないかと思います。
私のサロンのお客様でも何万も払ってこのようなインソールを使われていた方が何人かいらっしゃいましたが「正直よくわからない… 高いし、いいようだから使っている。」と言うだけで、「劇的によくなった」という言葉は聞きません。

ゆるくなった足首にはただ足裏に土台をひいて重心を整えるだけで改善するとは考えにくく、ゆるくなった足首を「固定」しながら筋力アップを図る必要があると考えます。
これはガチガチの固定ではなく、ある程度の固定、筋肉が自由度を失わないくらいの固定です。
その状態で歩きながら筋力をつけていけば、いずれ足首のゆるみは改善されていくのではないかと思います。
だからこそこの着圧ソックスなのです。
履いてみるとわかるのですが、締めつけられているぶん固定感がありますが、制限なく歩けます。
そしてポイントはしっかりとふくらはぎ全体まで固定していることです。

   

足首の動きは距骨とそれを囲む脛骨・腓骨・踵の骨なので、足首だけを覆うタイプのサポーターでは長さが足りず、足首の関節の起点となるスネの骨(脛骨・腓骨)までしっかり覆うことが足首のブレを小さくするポイントなのではないかと考えます。

足首捻挫用のサポーターは足首だけしか覆わないものがほとんどなので、たぶんこれでは効果半減。
捻挫した人にもこの着圧ソックスは効くかもしれません(笑)

ここまでは足首がゆるむ原因をヒールのケースでみてきましたが他にもあると思うのです。

●かかと重心
重心がかかとに集中するとかかとを支点にして足を左右にねじって歩いてしまう(ねじり歩行)→ねじりの動きうけ続けた靭帯は過労状態となり、結果として足首がゆるくなってしまう。
重心がかかとにきてしまうのは、指先に体重がのっていないためです。
不安定なスリッパや靴を履き、脱げないようにと指先を上げて歩いてしまう(ロック歩行)ことや、先細の靴のため、指が固められていたり、靴そのものが硬いために指先に体重がなりきらないまま歩いてしまうことが原因として考えられます(フォアフットロッカー足が機能していない
そうなっている方は指のつけ根にタコができていたり、おさえるとそこにひりひりとした痛みを感じるのではないでしょうか(赤マルの部分)。

  
 (C)Ashiura Balance Laboratory

●筋肉バランス
筋肉に硬いところとやわらかいところがあると、硬いところを支点にしてやわらかいところが過剰運動状態となり、動きが大きくなりすぎることでその部分の靭帯がゆるむ。
これは自分の施術における経験上の推測なのですが、図の部分が異様に硬い方がけっこう多いのです。
ですので黒マルを支点にして足首の可動域が大きくなり、過剰なねじれが発生して靭帯が過労状態となる。
その結果として足首がゆるくなってしまう。

      
「ボディ・ナビゲーション」Andrew Beil著

黒マルに入る筋肉は前脛骨筋、長母趾伸筋、長趾伸筋、長腓骨筋です。
これらは足を反らす筋肉なのです。
ではなぜこの部分が硬くなっている方が多いかというと、上図の指上げ歩きが原因だと思います。
つまり習慣的なものです。

こう考えると足首がゆるくなってしまう原因は履物とその環境による影響が大きいということがわかります。
改善策は足指を下げて使うことを意識し、できるだけ家の中では素足や5本指ソックスで歩いて足指を鍛えていく必要があります。
あるいは笠原式足裏テーピングがおすすめです。

ここまでは解剖学的に足首がゆるんでしまう原因と、ゆるんだ足首に対してなぜ着圧ソックスが効いたのかということをみてきました。

では次に足首がガチガチに固まってしまった方のケースを考えていきます。

足首がガチガチの方はイコールふくらはぎやスネの筋肉がガチガチになっています。
これらの筋肉は膝あたりから足の甲や裏にのびているので、凝って伸縮性がなくなると、足首の関節をロックしてしまうのです。

これらの筋肉が硬くなる原因は様々ですが、単に使いすぎ、そして誤った足の使い方も十分に考えられます。
スネが硬くなっている方は指上げ足で重心が極端にかかとに集中していると思います。
スネ側・ふくらはぎ全体が硬い方は足指か腿の筋力が弱っていて、それをふくらはぎが補っている可能性があります。
だから異様に太くなる

では足首ガチガチの原因が骨にあった場合、今までの復習になりますが…
足首が外側重心、つまり回外足であった場合は骨の結束が強くなるので、外側重心のままで足を使い続けると足首が固まってきます。
さらにその代償として、外側重心から外股が強くなると腹筋に力が入りにくくなる…。
回外・回内足だけでなく、外股・内股もまた腹筋力(腹圧)に関与し、ヒトによって適切な足の角度というものがあるということが実験からわかってきました。
外股のおじさんって妊婦さんのようにお腹がでていますよね。
つまりハラに力が入らない→筋力低下、あるいは足首が正しく機能しないことで免震力が落ち、足元からの震動をハラでうけることにより脂肪が蓄積。そういうことです。

これはあくまで傾向ですが、回外足の方は外股に、回内足の方は内股になりやすいと思います(例外も多々あります)。
詳しくは次回に回します。

外側重心の方がなぜ外股をさらに外股にしてしまうのか… これは実際に外側重心で歩いてみるとわかります。

おしりの筋肉を極端に使っているのがわかりますか?

ちょうどお尻のえくぼの部分です。
この筋肉は梨状筋(股関節外旋筋群の一つ)といって、股関節を外側に開くように働きます。
この筋肉が硬くなるとお尻側が縮まるので、ひっぱられた股関節が外側に開いてしまい、あまりにも硬くなりすぎると坐骨神経痛のような痛みがでます(梨状筋症候群)。
ですから坐骨神経痛のような症状がでた場合、梨状筋だけにとらわれず、梨状筋が硬くなる原因、つまり足の使い方を見直す必要があると思います。
つまり、いきすぎてしまった回外足=過回外足。

ですのでこの時にもおススメなのがこの着圧ソックス
外にかかりすぎる重心をスネの骨(脛骨・腓骨)から固定するので外側へのブレを軽減し、また硬くなった筋肉は圧迫するとゆるむ性質があるので、履いて歩けば筋肉のマッサージにもなりゆるんできます。
ただ過回外足や強い外またの方の場合、ストレッチを多めにやらないと過回内足の方よりは効果がでにくいと思います。
軽い回外・外股の方なら履いて少しのストレッチだけでも効果がありました。
写真のモデルの方がそうでした。


ということで着圧ソックスが身体に効いたメカニズムを理解していただけましたでしょうか?

簡単に整理すると ゆるんでしまった足首、ガチガチに固まってしまった足首には全て距骨が関係し、距骨・脛骨・腓骨が正しく機能できるようにサポートしてあげると、腹筋に力が入るようになり、やせる!ということです。
ちょっとはしょりすぎかな

でも足首がゆるんでしまう、ガチガチになってしまう原因がわかりましたよね。
それに対する対処法がこの着圧ソックスだったのです。

何度もお伝えしていますが、原因を明らかにしないと問題は解決しません。
そのうえでの次回の実践編です。

足元の環境を整えることが正しい身体づくりにつながります。
それを実感していただければうれしいです。


実践編、早めにアップしないといけませんね


着圧ソックスのメカニズム 前編

2014年03月04日 | 心・体
ではこの着圧ソックスが効果を発したメカニズムについて説明していきます。

以前のブログ『正しい歩き方 Part 2 「回内回外運動」』を読んでいただければ理解しやすいのですが、

この公式覚えていますか?

足首が回内(外反)右図=足の骨が結束を弱める=アーチが低くなる=柔らかい足=免震力を生む足=腹圧が低くなる=お腹に力が入りにくくなる⇒骨格は不安定だが柔軟性が高まり免震機能が高まる

足首が回外(内反)図中央=足の骨が結束を強める=アーチが高くなる=硬い足=推進力を生む足=腹圧が高くなる=お腹に力が入る⇒骨格が安定

   

ちょっと難しいですよね。
超簡潔にするとこういうことです。
 足首が回内(外反)だと腹筋に力が入らない
 足首が回外(内反)だと腹筋に力が入る

このように足首の状態と骨格は連動していて、その中でも腹筋との関わりが重要になってくるので、それだけポイントとしておさえていただければここでは十分です。

本来、ヒトは下図のように足首を回外(接地時)→回内→回外させながら歩いているのですが(足のあおり運動)、足首の靭帯が緩んだり、足首がガチガチに固まってしまって、足首の使い方が偏る、つまり重心が内側外側に偏ると身体に良くないこと(代償)が起こってきます。



つまり足首が回内位のまま、あるいは回外位のままの状態で使い続けると上の公式が身体にとってマイナスに働いていくことになります。

足首が回内(外反)=足の骨が結束を弱める=柔らかい足=免震力を生む足=腹圧が低くなる=お腹に力が入りにくくなる
⇒お腹の筋力が落ち、ぷよぷよになる。骨格が不安定な状態なので、関節が緩んで骨格が歪みやすくなる。推測ですが、動きが柔軟になることで可動域が大きくなり、逆に靭帯が緩みやすくなるのではないかと考えます。

足首が回外(内反)=足の骨が結束を強める=硬い足=推進力を生む足=腹圧が高くなる=お腹に力が入る
⇒関節は安定しているものの、身体を固めた状態で使っていることになるので、いずれ筋肉はガチガチになり、地面からの衝撃を強くうけ続け、身体の骨組が壊れていく(過労学的損傷→微細な疲労骨折)。鉄筋の建物が地面からの揺れでいずれひびが入っていくイメージです。

このように重心が偏った状態を
 回内位のまま=内側重心=過回内足(オーバー・プロネーション)
 回外位のまま=外側重心=過回外足(オーバー・サピネーション)
といいます。

過回内足/過回外足になってしまう何らかの理由がとても重要になってくるのですが、これは次回に。

足首が過回内足の方は足首の靭帯がゆるんでいる方が多く、内またや外反母趾、偏平足の傾向に、
足首が過回外足の方は足首がガチガチで外またの傾向にあります。
これらに該当する方は足の不調だけでなく、身体に何かしらの問題を抱えています。
肩コリ、今流行りの首コリ、腰痛、そして意外に思うかもしれませんが、顔の左右のアンバランスまで。
もちろんスタイルだって悪くなりますよ~!

そこでこの問題のある足首を補正してくれるのが私のおススメする着圧ソックスなのです。

着圧ソックスは履くとわかるのですが、足(脚)を締めつけるような構造になっていて、その圧力をhpaという単位で表します。
数字が大きくなればなるほど圧力が強くなり、40hpaになるとけっこう圧迫がかかっているなと感じます。
この圧の配分はメーカーによって様々で、足首の圧力をハードにしてふくらはぎをソフトにしてあるものや、またその逆もあります。
ザムストやミズノといったスポーツメーカーのものは2社とも圧力が20~30hpaくらいで、全体的に程よい締め付け感といえば程よいのですが、ちょっと弱いかな、という印象もあり… ですが足首の前側だけは圧力が強く、たぶん運動するにはこの構造がいいのかなと思いました。

他の靴下専門店や一般の薬局で売られているものは、ふくらはぎの締めつけ感はそれなりにあるけど、上がしめつけられているぶん、逆に足首に不安定感を覚えました。
あと全体的に圧力の高いものは洗濯すると縮んでしまったものもありました。
耐久性も大事ですよね。長持ちしてもらわないと困ります

ただ皆さんに勘違いしていただきたくないのは、圧力が強いからいいというわけではなく、「何を目的にするか」で必要とするものが変わってくるということです。
むくみをとることや持久力を問う運動が目的であれば、そんなに強い圧力は必要ないと思います。
肉離れや捻挫等、ケガのサポートであれば、場合によってはそれなりの圧力があったほうがいいと思います。

私が目的としていたところは「足首の安定」です。
これだと着圧ソックスの本来の目的からはズレてしまうのですが、例えるとサポーター的存在のソックス。
過回内足/過回外足には
ゆるゆるになってしまった足首にはほどよい補強(固定)を、固まってしまった足首には筋肉を休ませそして弛めるサポートを― 
が必要であり、この条件を満たし、まるでキネシオテーピング(伸縮性のあるテーピング)のように働きかけてくれるのが青木おススメの着圧ソックスなのです!!


パッケージには圧力が「足首部分ハード/ふくらはぎ部分ソフト」しか明記されていないので、正確な数字はわかりませんが、たぶん足首35~40pha ふくらはぎ35hpaくらいなのではないかと思われます。
圧のかかり方も前後左右、どこかに偏っているわけではなく、全体的に均等で、上下だけが違う構造になっていました。
これはあくまで私の履いた感覚で、履き比べて推測したものなので正確な数字ではありません。
が、この自分の感覚というものがとても大事だと思うのです。
表示はあくまで指標で、骨格や筋肉の状態によって使用感が変わってくるので、何かを取り入れた場合には自分の身体と向き合って観察する必要があると思います。

ですが…もともとこの着圧ソックスは私自身、「足首の安定」を目的として履いてはいませんでした。
ではなんのために履いていたのかというと、むくんだふくらはぎを細くしたかったわけではなく…
笠原式テーピングを足に巻いた状態で仕事をする際、テーピングの表面がはがれてしまうので、それを覆うモノがほしかったのです。
レッグウォーマーですと毛糸のような線維がテーピングについてさらにはがれやすくなってしまいますし、夏は暑い…
じゅうたんではないカナロアの施術室では下半身に重心をかけて踏ん張って施術することが多いので、靴下を履くと滑ってしまうことから、仕事中は冬でも素足。足指の運動にもなります。

テーピングはこんな感じで貼ります。



ですから足の甲~ふくらはぎをしっかりと覆い、足指の機能を保ちつつ、足の保温をしてくれるものを探していたところ、店頭でオープントゥタイプのソックスをみつけ、履いてみたわけです。
着圧ソックスの生地はほとんどがポリエステルやナイロンなので、テーピングにも繊維がつきませんし、夏でも暑苦しくありません。そして冬は保温もしてくれますし、寒ければさらにその上にレッグウォーマーを履きます。抗菌や吸汗作用もあり、一年中使えます。

ということで、笠原式テーピングを巻き、この着圧ソックスを履いて仕事をしていたのですが、しばらくして笠原式テーピングだけではない、安定感を足に覚えたのです。 

ムッム!? この感覚は!?

そこで試しに笠原式テーピングをやめ、この着圧ソックスだけを履いて生活し、だんだんとこの安定感を身体が理解してきた段階で、ウォーキングや山登りの時にも履いて自分の身体を観察してみることにしてみました。

一番顕著に分かったのは長時間登山の帰りの下り道の時。
もともと右膝を壊している私は下りがかなり苦手だったのですが、足首が安定しているせいか膝の痛み方も全然変わり、早くスムーズに下りれる下りれる
す、すごい!

この経験が私に拍車をかけました。
足の問題を抱えているお客様にも試してみよう!と。
だいたい足が変形(外反母趾・内反小趾・浮き指・偏平足・ハイアーチ)している方には足首に問題がありました。
過回内足/過回外足をはじめ、足首に脂肪がついていたり、水がたまっていたり、本来出るべきではない骨が出っ張ってきていたり…。

ですのでそのような方を対象に、このソックスだけでどれだけの効果が現れるのかを実験。
そして結論は「足首の安定」させるということがどれだけ大切かということが見えてきました。

人は2本足で立っていて、骨格の一番下となるところは足指ではなく、足首です。
専門的にいってしまえば距骨・踵骨(かかとの骨)・脛骨(スネの骨)・腓骨(スネの骨)でつくる距骨下関節です。
今まで足指ばかりに注目していましたが、足首の位置や連動を考えると、積み木の1段目を足首と考えるのも間違ってはいないと思います。
そして、この一段目が内側に傾いていたり(過回内足)、あるいは外側に傾いている(過回内足)と全身がそれに対して骨格を積み上げていきますので、身体が下図のように歪んでいくことになります。

   
   「痛みや悩みを解決する!足についての本当の知識」水口慶高著 実業之日本社より 

足指は身体を動かした時(運動時)には全身に影響を及ぼすかもしれませんが、静止状態ではあまり影響しないと考えます。
全ての状態に影響するとしたら足首の傾きなのだと思います。

ですから笠原式テーピングをするよりは足首を整えた方が早く効果がでたのだと思いました。

積み木一段目の足首が安定することでハラに力が入るようになり(腹圧が高まった状態)、ハラが安定すると今度は腹圧を使って背骨が引きあがるので、頑張らなくても姿勢がよくなり、ハラの上に肋骨がのるので自然と肩が下がる―

モニターさんで結果を出せた方はこのようなことが身体に起こっていたのです。

ロルフィングでいう骨盤の環・肋骨の環・肩の環がそろった状態。

   
   「A DAYNAMIC RELATION TO GRAVITY」 Edward W. Maupin, Ph.D.より

そうなのです。
上の図のようにしていただくために
お客様に「恥骨とおへそを広げるように、下腹を少しへこませるような感じ(ドローイン)で姿勢をキープしてみて下さい。」
とお伝えしてもなかなかできない方が多く、
これって歳のせい? 運動不足? そんなに腹筋がないですか?
本当に疑問でした。
何でこんな簡単なことができないのだろう??? かと。

ですが、「足首と身体の連動」を知ると、筋力や加齢のせいではなく、足首に問題があって単にお腹に力が入りにくかったのだ!ということがこの経験から理解することができました。

ですから足首が崩れている方はいくら筋トレをしても腹筋がつきにくい…そしてハラに肉がつきやすくなる…という代償が起こっていたのです。
それだけではありません。
2本の足(脚)からの衝撃をハラで受け止められない分、その影響が上半身に強くでるのだということも観察してわかりました。
特に積み木の上段に位置する首に影響がでている方は自律神経的な症状が強く出ていました。

足首に問題があっても、全ての方に不調が現れていたわけではなく、筋力のある方や身体に柔軟性のある方、骨格のバランスが取れている方(=骨格の連携が取れている方)は影響が少ない傾向にありました。

この着圧ソックスを履いての皆さんの共通した感想は
「お腹がへこみ、肩コリがらくになった。」でした。
これは私も施術していて実感しました。
ストレッチをやってもなかなかとれない肩や首のコリが顕著によくなっていたのです。

では次回は解剖学的にそのメカニズムを説明していきます。

話があちこちいってしまっている文章ですみません。
回りくどい性格がでているような

でも着圧ソックスを履いてみようという方はじっくり読んでみて下さいね