Route 136

国道136号線―セラピストの日記

赤ちゃんのアレルギー3 母乳は産後ダイエットになるが…

2015年05月08日 | 妊娠・出産・育児
「産後、母乳をあげると赤ちゃんが乳首を吸う刺激で骨盤が締まり痩せる。。。」と聞いていました。
妊娠中は運動量も減り、筋肉量も落ちます。
それにプラスして赤ちゃんの栄養となる脂肪をため込むため、当然体脂肪も増えます。

これが出産後、骨盤が締まっただけでなぜ痩せるのか?ということが正直疑問でした。

自分が妊娠してわかったことなのですが、骨盤て臨月を迎えてもそう広がらないんですよね。
世では出産後、骨盤を締めろ締めろと騒がれていますが… 大きくなるのはお腹であり、骨盤は広がるのではなくて出産に備えて弛むだけ。。。開いても数ミリ単位なのだということがわかりました。
だからローライズのズボンやレギンスでしたら妊娠前のものでも意外と履けちゃうんですよね… プラス10kg以上増えなければですけど、はい

ですので数ミリしか開かない骨盤が締まったところで、それが直接的な理由で痩せるとは考え難い。
骨盤が開くから太るのではなく、骨盤が不安定になるから太ると考えた方が納得がいきます。
妊娠・出産はリラクシンという女性ホルモンの関係で関節が弛みますし、動けないぶん、下半身の筋力が相当落ちますので、骨盤がかなり不安定になります。
骨盤が不安定になれば歪みも強くなり、変なところに脂肪がついたり、代謝も落ちてしまいますよね。
ですので弛んだ骨盤をベルトで締め、安定させて正しい筋肉をつけることが産後太りの根本解決につながると考えます。

骨盤が直接的に関係ないのなら、なぜ母乳育児が痩せるのか?
その答えはアレルギーを勉強していてみつけることができました。

母乳100mlの中に約4gの脂肪が含まれていると言われています。

この脂肪、どこからくるかお分かりですか?
そう、お母さんが妊娠中に蓄えた体内脂肪からなのです。

つまり母乳をあげればあげるほどお母さんの体内から脂肪が出ていくことになります。
母乳育児が痩せるメカニズムはここにあったんですね。

ですが、それと同時に衝撃的な事実も知ってしまいました
今日の本題はここからです。

この体内脂肪にはお母さんが摂りこんでしまった様々な化学物質が溶け込んでしまっているということ。
肺や肝臓、腎臓といった臓器や筋肉内だけに溜まっていくものだと思っていたのですが、脂肪に溶けて蓄積されていってしまうんですね。
まさにアロマテラピーで植物をオイルに浸けこんで香り成分を抽出する浸出油の原理と一緒です。

では脂肪に溶け込む(=脂溶性)化学物質とはいったい何でしょうか?

環境ホルモン化学物質や環境汚染化学物質です。
現代社会に住んでいればいろいろなところに存在し、口や肺から摂りこまれていきます。

化学物質の具体的な名前を上げればきりがないので、それらがどこからやってくるのかを知れば、どんなものなのか想像がつきやすいと思います。

 ◎食品
農薬類 防腐剤・着色料・乳化剤等の食品添加物 女性ホルモン剤(←牛乳やお肉から)

 ◎室内
たばこ 防虫剤 建築資材のホルムアルデヒド・有機溶剤の揮発 合成樹脂 化粧品

 ◎大気
ダイオキシン 排気ガス 農薬の散布 産業廃棄

 ◎合成洗剤
歯磨き粉 シャンプー リンス 台所用洗剤 漂白剤

 ◎川・海・土壌
ダイオキシン 酸性雨 排気ガス 農薬 水道水の塩素やトリハロメタン 産業廃棄&排水 ゴルフ場の排水

特に注目したい化学物質がこれです。
 
 ◆有機リン系殺虫剤
輸入穀物(とうもろこし・大豆・小麦等)を輸入する際の防虫剤として使用(ポストハーベスト)
輸入穀物は直接私たちの食べ物となるだけでなく、牛・豚・鶏・お魚さんのえさにもなっています。

 ◆ダイオキシン(有機塩素化合物)
ダイオキシンそのものは製造されず、農薬の製造や、塩化ビニル、塩化ビニリデンなど塩化プラスチック系の物質が燃焼する際、有機物と反応して発生する化学物質。ゴミ焼却場の煙が空気や水、土に溶け込み、食物連鎖の鎖の中で濃度が上がり、生き物たちの油脂(体脂肪)に蓄積

そしてやっかいなのが脂肪と脂溶性化学物質の特性。

脂肪は生物にとって生存するために欠くことのできない大切な栄養素なので、体内に取り入れるしくみは発達していても排泄する機構は持ち合わせていないということ。これは飢えとの闘いの中で獲得してきた身体の機能です。

そして、いったん脂肪に溶け込んだ化学物質は溶けにくいという性質があるということ。

このような脂肪の性質から、環境汚染化学物質が脂肪に取り込まれてしまうとなかなか体外に出すことができないのです。

私たちの食生活をよくよく振り返ってみると、脂肪分の多い食品をほぼ毎日食べていることに気がつきます。
そしてこの脂肪にはいったいどれくらいの汚染化学物質が含まれているのでしょうか。。。

脂の多いお魚や魚卵(たらこ・すじこ・かずのこ等)、肉の脂、家畜の肝臓(レバー)、牛乳、チーズ、バター等の乳製品、卵及びその加工品、植物性油脂(大豆油・コーン脂等)等

今の時代、化学物質を取り除いた食材など手にいれることは難しいので、せめて脂肪の摂取量だけでも減らしたいですよね。

一番脂肪がつきやすい食事パターンてどういうものかご存じですか?
脂肪と糖(炭水化物)をセットで食べてしまうこと。
ご飯にお肉、トーストにバターなど。
甘い揚げ菓子や生クリームたっぷりのケーキはかなりデブまっしぐら。

お肉に野菜とかご飯に脂の少ない焼き魚とか漬物ならOKなのです。
ご飯が太るのではなくて、ご飯と何を組み合わせるかが結末を変えてしまうのです。

脂肪に蓄積された汚染化学物質は生態系を通して濃縮され、さらにお母さんの体内でも濃縮され、そして母乳になるともっと濃縮され… 
母乳を介して赤ちゃんが体内に取り入れてしまうダイオキシン類などの濃度は、大人が日常的に食べる摂取許容量の7~15倍にもなるといいます。

一年間授乳すると、母親の体脂肪に溶け込んだダイオキシン類は約半分に減ることがわかっています。
お母さんの身体は脂肪も環境汚染化学物質も出ていってキレイになるけど、その分赤ちゃんが被害を受けることになるんですね。。。

それがアトピー性皮膚炎や様々なアレルギー反応として出るわけです。

母親の初産年齢が高いと蓄積される化学物質も増えるので、高齢出産の第一子は特に汚染の影響を受けやすく(だから流産も増えるのかな~)、第2子、3子になるとその影響は少なくなるといいます。
そう考えるとやはり出産は早い方がいいかもしれませんね。

では、これらの環境汚染化学物質が身体に対して何をしてしまうかというと

 ⇒体外と体内の境界線となり、異物の侵入を防ぐ皮膚・消化管粘膜・気道粘膜などの働きを攻撃し壊してしまう。

 ⇒環境に適応するために内分泌・神経・免疫(アレルギー)がホルモン・サイトカイン・神経伝達物質などの化学物質を出して、恒常性を保っているが、それをかき乱してしまう(伝達化学物質による細胞間の信号のやりとりを阻害)。

アレルギーっ子を抱えているお母さんなら誰しも体験していると思いますが、以下のような反応が起こります。

いったん痒みが始まると止まらなくなり、皮膚をかき壊してアトピー性皮膚炎を悪化させる、吸いこんだ異物を排泄しようと咳が始まると止まらなくなり気管支喘息になってしまう、吸いこんだ異物を出そうとくしゃみ・鼻水が始まると止められずアレルギー性鼻炎を起こす…。

痒みが止まらなくなる姿だけでも見るとけっこうパニックになりますよね。
これは体験したお母さんでないとわからない

ですが、勘違いしてはいけないのはアレルギー反応はもともと身体にとって必要な生体機能だということ。
暴走してしまうことが問題であり、現代人は暴走しないための抑止力が弱まっているらしいのです。
それは環境汚染化学物質の影響かもしれませんし、先日NHK特集で清潔過ぎる環境が引き起こしているとも言っていました。
原因はいろいろあるので、特定することなく、様々な可能性を考慮して改善に取り組んでいったほうがいいですね。

ここまで読んでしまうと自分を責めてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
私も反省しました。
ですが現代文明と人間社会の中で住むには避けられない「しょうがない」原因もあります。
大事なのはこれからです。

そして、環境汚染化学物質の影響は免疫機能だけでなく、遺伝子や生殖、内分泌、神経、ガンにも及ぶので、アレルギーのない方でも配慮していった方がいいと思います。

では次回は対処法です

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