Route 136

国道136号線―セラピストの日記

正しい歩き方

2012年08月24日 | 心・体
お客様に正しい歩き方を説明する際、強調して伝えていることがあります。

「とにかくかかとからガンガンつかない」ということです。

もちろん接地する際はかかとから入りますが、その後は「A: かかと B-C: 指の付け根 D-E: 足指」の3点で地面を圧すように

と伝えています。図の%は力配分です。

   
 (C)Ashiura Balance Laboratory

このように足を使うと足アーチを使った歩き方になり、身体への衝撃が減るのです。
そして足そのものも地面に対して受け身をとりやすくなり、かなり疲れにくくなります。

身体は地面からの衝撃を減らすために、足だけでなく身体のいろいろな部分に免震構造を作り上げてきました。


「外反母趾 切らずに治せる、自分で治せる」笠原 巌著より

身体への衝撃を減らすことができないと、あらゆる骨はその衝撃でいずれ疲労骨折を起こし、筋肉は防衛反応のため、ガチガチに硬まります。

だから衝撃はできるだけ最小限に抑えたほうがいいのです。

そして、足の免震構造は身体にとって土台なので崩してはならないし、鍛えたほうがいいのです

土台が崩れると他の免震構造も崩れてきます。

足の免震構造を崩さないためにも正しい歩き方は必須です

正しい歩き方をすると正しい筋肉がついてきます。

足指は太くたくましくなり、足首は細く締ります。
ししゃものようなふくらはぎはむくみにくくなり、垂れたお尻は引きあがります。
図の歩行ラインを見るとちょっと曲線を描いていますよね、足にアーチがあるのでこのようになります。

   
「過労性構造体医学」笠原 巌著より

でもアーチが強すぎると(ハイアーチ)

   
「過労性構造体医学」笠原 巌著より

上図のように直線になり

逆に外反母趾・内反小趾の強い方&偏平足の方は曲線が強くなります。

   
「過労性構造体医学」笠原 巌著より

そうすると歩行が不安定となり、上図の白矢印のあたりにタコができたり、骨が(さらに)出っ張ってきたりします。


これでは悪循環になってしまうので…

とにかくかかと歩きをしない。指は地面につける、つまむように。

そして正しい歩行ラインで。

かかとから入り、人差し指でぬける…(上図参照)

外股歩きの人はぬける位置が小指よりになるので外側重心となり、靴も外側がすり減ります。
これでは浮き指になり、本来一番強力な親指も劣化してしまいます。

 親指の爪が反っている
 親指が曲がっている
 親指が巻き爪

の人は 親指が既に劣化していますので

   
 (C)Ashiura Balance Laboratory

上図のストレッチをやり、正しい歩行ラインを実行してみて下さい。


あともう一つ大切なポイントがあります。

それは膝は伸ばしきらないことです。

膝を伸ばしてまっすぐにしすぎてしまうと、どうしてもかかと重心になり、指が浮きやすくなります。

ですので膝は常に軽く曲げ加減にして歩いてみて&立ってみて下さい。
「伸ばし切らず、反らし切らず」というかんじです。

やってみるとわかるのですが…
膝を伸ばした状態だと衝撃を骨で直接受けてしまう身体の使い方になります。
よくないですね。
膝関節のクッションを有効にするためには必ず膝を軽く曲げて使って下さい。


私ごとですが、料理をしている時、自分の身体に意識をむけてみたら、膝をまっすぐにしていることが多いことに気がつきました。

膝を軽く曲げると足裏全体に体重がかかり、かかとがラクになったのがわかりました。

その時ふと思い出したのが少林寺拳法の立ち方でした。

   
(C)Shorinjikempo kenkyushiyroshitsu

これ開足中段構えというのですが、膝が曲がっているのがわかりますよね。

※勝手に写真借りちゃいました。どこの誰かわかりませんが。すみません。

「この立ち方をすると長時間立っていられる、そしてすぐに移動できる。」
と先輩から教わりました(笑)

ホントや!

言われてみたら、武道だけでなくあらゆるスポーツは膝を曲げている?!
と思ったのでした。

膝を曲げることで腿の筋肉も鍛えられます。

毎日繰り返えされることで、正しい筋力がついてきます。

ということで
 ●足裏全体で地面を圧して歩く≒かかと歩きしない
 ●正しい歩行ラインを守る(なめらかな曲線を描くように)≒重心が外側/内側に偏り過ぎないように
 ●膝は軽く曲げて≒膝を完全に反らしきらないように

この3点だけでも守っていただくと身体の疲れ方がかなり変わってくると思います。

でも実際やってみると意外と難しいものです
常に意識するしかないですね。

でもそれが無意識にできるようになった時

  脚が細くなっているかも


※「正しい歩き方」はいろいろな説があります。目的やその方のお身体の状態によっても変わってきますので、ここに書かれていることは「一つの考え」として捉えていただければと思います。さらにこれから勉強していく中で何か発見があったり、新しい情報が入りましたらその都度ブログで紹介させていただきます。


2013年10月加筆
よかったら「正しい歩き方Part 2」もご覧ください。