以下 2010年1月19日記録
水が許可されるころ大勢のICU患者の居る所から
単独HCUへと移りました。
そのときあの男性看護師さんから
「5分ほどですが、城がが一番よく見える通路を通りますからご覧ください」
私はこんな好機は2度と無いと思い横を向きポッと浮き出た美しい城を見ました。
単独HCUには美しい看護師さんが私を看護するために待機してくれています。
みじろぎもせず、ただ私一人の看護のために見守ってくれています。
(博多人形のような美肌、美しいお顔にうっとりと勿体のうございますぅ)
歯磨き、顔の清拭、水を飲ませてくれます。
麻酔からは覚めていますが、モルヒネが体内に入っているのか無痛です。
眠っては覚め、眠っては覚め、意識は朦朧とし、
眠ったと思い目を開けると時間は1分、5分しか進んでいません。
それが長いという感覚もありませんでした。
その日は深い霧と黄砂が降り、
低山と城のシルエットが墨絵の中に浮かんでいました。
幻想的で幽玄の世界が広がっていました。
その後も私の置かれた場所から首を左に向けるだけで、
終日その墨絵に浮かぶ城を見続けることが叶いました。
この光景を忘れることはありません。
(アハ、7年半経った今、記憶が薄れてぼんやり?微かに?
美しい城を見たという記憶だけ)
(これをアップした今日は更に絵が霞の中へ…9年前だもの)
後に聞いた話では、他の患者さんの殆どはきれいに忘れてしまうそうです。
しんどさが記憶を消すのかもしれませんね。
苦しさの中で、若い看護師さん方の献身的で
優しい看護はさらに忘れられない感謝の風景でした。
19日はこの単独HCUで1泊しました。