「小説 ロボジー」矢口史靖著(メディアファクトリー発行)
今年の1月にマイカルシネマ大高で鑑賞した映画「ロボジー」の原作本を図書館で予約、やっと読み終えた。
読んだ小説が映画化されていると見てみようと思う場合もあり、今回のように映画で俳優が演じた場面を
文章ではどう表現されているのか読んでみたい場合もある。
とてもわかり易い文章で初めから終わりまでコミカルな展開で、ダメ社員3人組みの会社での不遇な
立場や焦り 木村電器のワンマン社長、ロボットオタクの女子学生、ロボットの中に入っている鈴木老人
(映画では往年のロカビリー歌手ミッキーカーティスが五十嵐信次郎で演じていた)など登場人物が
巧みに描かれている。
あらすじは、ロボット作成を命じられた冴えない社員が期日までに完成出来ず、苦肉の策で着ぐるみ
のように中に人間を入れロボットショーに出場する。
音楽に合わせ踊ったり危険を察知し人助けをしたり、人間と同じような動きをして一躍マスコミの話題となる。
コンピューター制御でロボットが動くのではなく人間が入って動いていたら?
と考える人はやはりいるのでは・・。
インチキロボットがばれたらどうなるのだろう?という思いと、老人の孤独感、人への思いやりなどが巧みに
描かれ、ストーリーも結末も知っているせいもあり、シーンごとに面白さに一気に読み進んでしまった。
「手紙」東野圭吾著(毎日新聞社発行)
友人に薦められてこの著者の作品を初めて手にした。
2011/7/1から2002/10/27まで毎日新聞日曜版に連載されたもの。
突然犯罪者の弟という烙印を押されることになった直貴の人生が描かれている。
あらすじは弟を大学へ行かせたく学費欲しさに盗みに入るが、家人に見つかり衝動的に強盗殺人を
犯した兄。兄は刑務所から毎月1回弟に手紙を送る。
しかし、犯罪者の弟というレッテルを貼られそのために就職、恋愛すべてダメになり、世間の差別に
傷ついて苦しんでいる事を兄は知らない。
その果てに弟は兄と絶縁を決心し、その結果は・・・。
以前に幻冬舎から出版された実話「加害者家族」(NHK報道番組ディレクター・鈴木伸元著)を思い出す。
殺人・誘拐・恐喝・虐待・交通事故犯・・。家族のそれからは?
身内の犯罪で家族が生き地獄になる衝撃の実態が書かれていた。
いっせいに襲いかかる凄まじい世間の非難。マスコミ取材による二次被害もあり、失職、転居を余儀なくされ、
そんな現実に耐え切れず自殺に追い込まれる人もあると・・。
日々、新聞に掲載される三面記事の陰に、被害者、加害者の当事者だけでなく、それを取り巻くすべてが
苦しみがある。他人事ではなく自分もいつそうならないとも限らないと思った。
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