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📗 希少言語に秘められた異世界――言語が消えれば、世界も消える。 202207

2022-07-09 22:48:00 | 📗 この本

希少言語に秘められた異世界――言語が消えれば、世界も消える。
 Book watch より 220709


 地球上では現在,すでに絶滅してしまった言語を除いて7000種類もの言語があるという。
そのうち、6大陸に散在する珍しく、大半が小集団でしか使われていない言語の歴史と特徴を、豊富な写真と地図を交えて解説したのが『あなたの知らない、世界の希少言語』(日経ナショナル ジオグラフィック)である。
 最新の海外のニュースで報じられる地域を、本書の地図で見つけていくと、思いがけない言葉の歴史が潜んでいることに気づかされる。そして、その多くが消滅の危機にある。

⚫︎言語の数だけ異なる世界が存在している
 本書に出てくるわけではないが、言語学に「サピア・ウォーフの仮説」がある。人は言語によって世界を認識するので、言語が違えば世界認識も違うという仮説である。人間が認識する世界は、その人間にとっては世界そのものといえるから、言語の数だけ異なる世界が存在しているようなものだ。

 本書の最初の方に出てくる、ネパールの熱帯雨林の少数民族が話す「クスンダ語」には緑を表す言葉がない。周囲が緑だけの世界なので、それを表す必要がないと考えられている。他にも色の種類を表す言葉の数が限られている民族が出てくる。

 日本人にとって虹の色は7色だが、米国などでは6色で、5色という言語もあるというのは有名な話だ。言語によって認識される世界は色だけではないが、言語によって世界は異なる色味を帯びて映っていることは興味深い。希少言語には多くの人が話す言語とは違う異世界が秘められている。

 著者のゾラン・ニコリッチ氏は、連邦国家だった旧ユーゴスラビアの生まれ。「あとがき」によれば、旧ユーゴは多民族国家で、南スラブ語族のセルビア・クロアチア語を主要言語としていたが、それとは別に10を超える言語が話されていたことから、子供のころから言語に興味を持ち始めたという。内戦の末に旧ユーゴから多くの国が独立したが、その単位は民族でもあり、言語だった。旧ユーゴという世界が、言語ごとの異なる世界に再編されたわけである。

 本書で扱う希少言語は「孤立語」と「言語島(とう)」に大きく分けられる。前者は語族、語派といった言語の系統関係から孤立している言語のことだ。スペインとフランスの国境地域のバスク地方のバスク語はその典型であり、現在使われているすべての言語から孤立している唯一の古ヨーロッパ言語だ。そのバスクがスペインから独立する動きは日本でも折に触れ、ニュースの話題になる。

⚫︎アイヌ語は日本語とまったく別系統の言語
 孤立語として、日本の先住民アイヌ人のアイヌ語も取り上げられている。アイヌ語は日本語の方言ではない。語彙が異なるだけでなく、「膠着語」の日本語に対して「抱合語」に分類される、まったく別系統の言語である。

 アイヌ語は、日本の明治政府以降のアイヌ同化政策により消滅寸前となり、ユネスコが2000年に消滅危機の度合いを「極めて深刻」と位置付けた。
 日常的な話者は数十人と言われた、そのアイヌ語が21世紀に「アイヌ新法」によって存続に向けて動き出したことも記されている。これは、言語によって、アイヌの人たちの「世界」が存続・復活するということでもある。

 希少言語のもうひとつの類型「言語島」は、地理上の水面に囲まれた島のように、ある言語が、より多くの話者を持つ別の言語に囲まれている地域のことである。著者の出身もあり、ヨーロッパの言語島が数多く取り上げられている。まったく理解できない言語が話されている地域が、同じ国のすぐ隣にあるというのは、日本では考えられないが、ヨーロッパの「言語島」は古代から近代まで、民族と国家、ときには宗教の抗争の結果として生まれたものが多いことと無関係ではない。

⚫︎東京にもある言語の「孤島」
 本書では、日本の東京にも「言語島」があることを紹介する。それが「八丈語」である。

 文字通り、伊豆諸島の「八丈島」と「青ヶ島」で、主に年配者によって話されている言葉だ。地元では「島言葉」と呼ばれる八丈語は、八丈島からさらに1200キロ離れた大東島周辺の島々でも話されているという。本書では、「八丈語」を「非常に特殊な日本語の方言」とも、日本語と琉球諸語を合わせた「日琉語族」に属する「独立した小さな言語」ともいう。

 八丈語には、語彙を含め、上代東国方言の要素が今も残っていると考えられており、八丈島から遠く離れ、むしろ沖縄に近い大東島でも話されていることも不思議ではある。
 その理由が日本の中世から近代までの歴史の凝縮であることを本書で知った。

 いまロシアの侵攻を受けているウクライナも少なからず登場する。原著は今回の侵攻前に発行されているが、本書の中部ヨーロッパを扱う何枚もの地図を眺めながら、現在のウクライナと周辺の民族と国の歴史が、どれほどの多くの民族の抗争と言語の交流によって形作られてきたかが垣間見える。

 今回の侵攻後、日本政府は、ウクライナ政府の要請もあり、他国にならって首都の正式呼称をロシア語のキエフからウクライナ語のキーウに変更した。日本のメディアも他の地名を含め、ウクライナ語の呼び名に変えた。
 その土地はウクライナに属することを、多数派のロシア語による地名を消滅させ、少数派のウクライナ語呼称を国際社会に広めることを示したことになる。

 英語が世界共通語になりつつあるといわれるが、ウクライナ語に限らず、どんな希少言語も、それが背負う世界の重さは変わらない。ひとつの言語が消えるということは、ひとつの世界が消えることである。


📗書名: あなたの知らない、世界の希少言語
サブタイトル: 世界6大陸、100言語を全力調査!
監修・編集・著者名: ナショナル ジオグラフィック編/ゾラン・ニコリッチ 著/藤村 奈緒美 訳/山越 康裕、塩原 朝子 監修
出版社名: 日経ナショナルジオグラフィック社
出版年月日: 2022年6月20日
定価: 2,750 円 (税込)
判型・ページ数: A5判 240ページ
ISBN: 9784863135314
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ネットの新暗号にIBM方式が選定、NTT方式の世界標準化は夢のままに終わる 202207

2022-07-09 21:57:00 | 気になる モノ・コト

ネットの新暗号にIBM方式が選定、NTT方式の世界標準化は夢のままに終わる!
  財経新聞 より 220709


 5日、米国立標準技術研究所(NIST)は、次世代のインターネットセキュリティの要として、米IBM等の開発による「CRYSTALS-KYBER」という暗号方式を選定したと発表した。

 世界各国でしのぎを削る開発競争が行われている「量子コンピューター」は、現在最高の計算速度を誇るスーパーコンピューターですら1万年は掛かるという計算を、わずか数分で解き明かすという圧倒的な計算能力が見込まれている。
 開発が実現した暁には、創薬期間の短縮など人類の将来に圧倒的な恩恵をもたらすと期待されているが、その驚異的な能力をもってすれば現在ネット上で利用されているセキュリティは、意味を持たなくなる。

 現在の暗号系は因数分解の計算に多大の時間が掛かるところにミソがある。理論的には膨大な時間を掛ければ解析は可能だが、何十年も経ってから回答を得ても無意味なので、現実的には解読不能とされている前提が崩壊するからだ。
 1990年代後期から世界中のネット取引で利用されているRSA方式による暗号は、「アッ」という間に解析される恐れが高まっていた。

 こうした懸念を抱いたNISTは新型暗号の公募を16年末に開始し、17年末には50弱の第1次候補が選定されていた。その後19年1月に20弱が第2次候補となり、20年7月に最終候補として、
(1)NTTと米クアルコムのグループ(2)IBM(3)1425年設立のベルギーのルーベン・カトリック大学(4)米イリノイ大学、の4候補に絞り込まれた。
(1)~(3)のグループは数学の格子問題を応用し、(4)は数学の符号問題を応用しているという。

 研究の王道には多くの開発者が集まり、異端はわが道を行く風の孤高の歩みになる。王道を選択した中から覇者が生まれるのが一般的だが、異端が生み出す独創的な発想力が評価されることもある。
 今回は数学の格子問題を応用した(1)と(2),(3)の中から、(2)のIBM方式が採択されたから、王道が栄冠に辿り着いたと言える。

 NTT方式の開発に深く関わったとされる東京大学の高木剛教授は、「(IBM方式では)安全性の解析がしっかり行われていた」と発言したことが伝えられている。
 安全性に加えて、情報を暗号化したり復元したりする際の所要時間が一番短いとの評価があるので、セキュリティと使い勝手のバランスが評価された訳だ。

 NISTが採択した「CRYSTALS-KYBER」という暗号方式は、米国政府公認というお墨付きにより事実上の世界標準方式となる。
 米グーグルやマイクロソフト、アップルなどの米テック企業は、いずれブラウザーと呼ばれるネット閲覧ソフトに新暗号を組込み、通信の安全性をアピールすることになるだろう。関連する新暗号マーケットは急速な拡大が予想されており、関連ソフトやデバイスの世界市場は28年に約4400憶円に達するとの試算もある。

 世界標準への夢を断たれたNTT方式だが、ICカードのように容量が限られているデバイスに、組込みやすという利点は認められているので、生活の中に静かに浸透することは十分考えられるようだ。
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🚶‍♀️…天ヶ瀬ダム前↩️…Alp.ダイキ 220709

2022-07-09 18:22:00 | 🚶 歩く
☂️🚙↔︎🚉

🚶‍♀️☔️🌂…右岸堤防道…太閤堤跡公園…朝霧通…観流橋…琴坂⇅…右岸路…天ヶ瀬吊橋…左岸路…白虹橋:天ヶ瀬ダム前↩️…第一志津川橋…右岸路…観流橋…朝霧通…右岸堤防道…Alp:ダイキ…右岸堤防道…>
🚶‍♀️12378歩+137歩

☔️☁️:俄雨すぐやみ、天ヶ瀬ダム25℃
今日も急変天気で!遠雷響く
散歩最初の2百歩☔️次の千歩で🌂乾く
とりあえず残り散歩中は雨に合わず○
 
Alpに送風器をと…特売期間切れで買わず。
 ダイキ,エディオンにも行くがx

京都大作戦の音漏れが宇治橋辺りから紅葉谷付近まで!


夜)☔️🚙〜観月橋Std👭〜>
夕方から深夜にかけ間欠的に豪雨,稲妻有り。



興聖寺前の青紅葉

天ヶ瀬吊橋
宇治川最狭部と槙ノ尾山










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🏆 IEEE国際賞、横浜国立大学の井上史大准教授が日本人初受賞 202207

2022-07-09 01:01:00 | 気になる モノ・コト

IEEE国際賞、横浜国立大学の井上史大准教授が日本人初受賞
 大学ジャーナルオンライン編集部 より 220708


 IEEEのElectronics Packaging Societyより、日本人で初めて、横浜国立大学大学院工学研究院の井上史大准教授がIEEE国際賞「Outstanding Young Engineer Award」に選ばれた。
 半導体パッケージング分野で顕著な貢献を果たした35歳以下の研究者に贈られるもので、多額の研究開発費とインフラ投資が必要な電子デバイス開発を簡易にできる可能性を秘めた三次元集積化の研究が高く評価された。


 横浜国立大学によると、IEEEは米国に本部を置く世界最大規模の電気・情報工学の学会。今年は井上准教授だけが国際賞に選ばれた。
 授賞式は米国であり、コロナ禍などで井上准教授は出席できなかったが、約1,500人の出席者が井上准教授の功績をたたえた。

 電子デバイスは持続可能な社会実現に欠かせない根幹技術だが、最先端製造技術は大手企業が極紫外線リソグラフィー露光機など超高額の装置を備えた製造拠点を整備し、多額の研究開発費を投じなければならないのが現状。

 三次元集積化はデバイスを立体的に積層し、高集積化や高速化、低消費電力化を可能にする技術で、製造現場が抱える課題を克服する可能性があると評価された。

参考:【横浜国立大学】IEEE国際賞、日本人初受賞
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